18
2016

ウォーリアー

WARRIOR / 2011年 / アメリカ / 監督:ギャヴィン・オコナー / ドラマ、格闘技
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許したいのに、許す方法がわからない。
【あらすじ】
バラバラ家族が総合格闘技の大会に出ます。


【感想】
賞金5億円の総合格闘技(MMA)のトーナメント「スパルタ」が開催された。難病の娘の治療費が欲しい兄ブレンダン(ジョエル・エドガートン、下)、帰還兵の弟トミー(トム・ハーディ)はそれぞれ大会に参加することを決める。いろいろありまして、仲が悪いバラバラ家族なのです。

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格闘技をやっていそうな体というのがありますが、兄弟役を演じた二人は俳優とは思えない体型。実によく仕上がっておりますよ。

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特に弟トミーを演じたトム・ハーディ―(左)は体に厚味があって大変よろしい。マッドドッグという、いかにも悪そうな人とのスパーリングでは驚かされた。前蹴りから間合いを詰めての膝蹴り、投げ、という美しいコンビネーション。実際、そんなきれいに決まるわけがないといえばそうなのですが。前蹴り一発で「おっ?」と思わせる、技の説得力があった。こういうのが大事なんだと思います。

そんで、マッドドッグさんのやられっぷりがすばらしい! 意地悪な奴で、ボコボコにされても全然かわいそうじゃない。むしろ心から「ざまあ!」と言える。それでこその敵役ではないでしょうか。たいへん見事なかませ犬っぷりでしたよ。雪辱に燃える二回目も秒殺だったので、笑った笑った。いい人だなあ。

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アル中だった父(ニック・ノルティ、右)と特訓に明け暮れるトミー。この映画の主要な登場人物は、それぞれ心に傷を負っている。アル中で暴力を振るっていた父、母と弟と一緒に家を出なかった兄、英雄と思われていたが逃亡兵でもあった弟。全員がそれぞれお互いを許したいと思いながらも、不器用なので許せない。

カジノでトミーと父が話すところは印象的だった。父はトミーの悩みを聞こうとするが、トミーは「今更、父親ヅラするな」とはねつける。トミーの態度がショックで、父はまた酒に手を出してしまう。飲んだくれているだらしなくて弱い父親を目にしたとき、はじめてトミーは父を許せる。

正面から謝っても駄目で、その人が傷ついているところを見てはじめて許せることもあるのかもしれない。本当はそこまで人を追い込んではいけないのだけれど、そうせざるを得ないほどのトミーの傷の深さだったのだろう。三者三様の許しの物語は、それぞれ良かったですね。

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欠点がないはずの強敵があっさりと兄に負けたり、腕が壊れているのにレフェリーが試合を止めないという、普通では考えられない点もある。だけど、全体的にはとても盛り上がれる出来になってました。木村ロックという渋い関節技も観られます。

もうちょっと敵それぞれに個性があったり、特訓場面が充実していると更に良かったですね。格闘技映画としても、家族の映画としても楽しめました。無口で、試合後すぐに帰っちゃうトム・ハーディ―がとてもいい雰囲気を漂わせてました。

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