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2016

オール・ユー・ニード・イズ・キル

EDGE OF TOMORROW / 2014年 / アメリカ、カナダ / 監督:ダグ・リーマン / SF
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死んだ数だけ強くなる。疲れたら一回死んどく?
【あらすじ】
死んだら時間が戻ってやり直し、という状態になりました。どうすりゃ抜けられるの?


【感想】
原作は桜坂洋のSF小説。原作未読です。

宇宙からの謎の侵略者ギタイによって地球は滅亡の危機に瀕していた。軍のPR担当として活動していたケイジ少佐(トム・クルーズ)は前線に送り込まれるが、あえなく開戦5分で死亡。だが意識が戻るとなぜか出撃前日まで時間が巻き戻っていた。目覚める、戦う、死ぬ、という連鎖を繰り返し、しだいに戦士としての経験を積んでいくケイジ。いつかこの連鎖から抜け出せるのだろうか。

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卑怯なトム・クルーズというのを目にするのは初めてかもしれません。広告代理店がつぶれたため、やむなく軍のPR担当となったケイジ少佐。言い訳ばかりして前線に出ることを断固拒む姿がみっともなくていいですね。どうしても前線が嫌だから将軍を脅迫してみるものの、脱走兵として前線に送られてしまいます。あんなみっともないトム様を初めて観ました。それでも好き。

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初めての戦場に圧倒され、おっかなびっくり。銃の安全装置の外し方もわからない。そこらじゅうでヘリは堕ちるわ、味方はどんどん死んでいくわで、誰か、助けて‥‥、という情けないお顔がいいですね。なかなか見られないトム・クルーズのマヌケ面である。そして、オロオロしていてすぐに死亡。ゲームのFPSだったら、味方から追い出されてもおかしくない足の引っ張りっぷり。ああ、こんな駄目なトム・クルーズを観るとは‥‥、新鮮!

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そして、時間は出撃前日に巻き戻り(記憶はある)、出撃を繰り返すことに。ケイジは謎の現象に困惑するものの、どんどん戦いが上手くなっていくのが面白い。アクションゲームをやっていて、上達していくのによく似ている。ここの後ろに敵がいるから、見えないけど爆弾投げとこうみたいな。頼りなさはいつしか消え、兵士の凛々しい顔つきに変わっていくのがいい。少佐の制服を着ていたときは肩のラインまで細く見えたのに。

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戦闘中に出会った女性兵士リタ(エミリー・ブラント)。「ヴェルダンの女神」と英雄視されていたリタも、ケイジと同じ時間を戻る能力を手に入れていた。何度も死を繰り返すうちに、人並み外れた戦士へと成長していた。

タイムリープものではお約束の、相手の個人的な情報や秘密を言い当てたりする場面がこの映画には多い。それでタイムリープが起きていることを相手が信用するようになるという。お約束とはいえ、あの場面は観ていて気持ちいいし、タイムリープものの醍醐味だと思う。それがとてもうまく機能している。

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ちょっと無骨で動きにくそうな戦闘スーツもいい味を出している。公式サイトをみると「フレームだけで27キロから45キロぐらい、さらに、武器などの装備によっては、55キロから57キロ」とある。これを着て演技をするわけだから本当に大変ですね。

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シリアスな話であるがコメディ色もけっこう強い。ケイジがケガをしたりすると、リタがすぐ殺そうとする。死ねば前日に戻ってやり直しができるからだけど、死の意味が限りなく軽い。最後の方になると、リタが「疲れた。体がしんどい」という理由だけでケイジを殺そうとする。コンビニ行くような気軽さで殺そうとするのやめろ。ケイジのほうも、ちょっとあきらめてて「じゃあもう殺していいよ」と、なっていくのが面白い。

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ケイジを新兵とバカにしていた味方たちは、ケイジの新兵ばなれした動きに唖然とする。実はこうなるまでに何百回も死んでいるのだった。この唖然とするお約束も、また楽しい。とにかく観客が気持ちよくなるツボをよく抑えている。タイムリープ作品には傑作が多いですし、だいぶひねったものも多く作られている。その中でもとても楽しめました。後味もいいですね。これだけ派手で突拍子もない設定をみごとに映画化したのは、さすがとしかいいようがない。


※ラストの疑問
よくわからないのが、最後にオメガ(ボスみたいなほう)に爆弾を仕掛ける場面でリタがアルファの囮となり、ケイジがオメガに向かう。最初はリタがオメガに向かうような素振りだったと思うが、なぜなのだろうか。特に意味はないのかな。

それと最後のループ地点である。オメガを爆破して、オメガの体液を浴びたケイジは、オメガの能力を獲得して再び過去にループする。目覚めの瞬間は今までよりも少し前。アルファとオメガは消滅した世界のようで、でも他のギタイ(弱い)だけは残っている様子。

ケイジが目を覚ました時間は、アルファもオメガも消滅してしまったため、ケイジが能力の主役になっており、ケイジの目覚めの時点なのだろうか。再び、ループ能力を手にしたケイジは、この世界で英雄となり、世界に平和をもたらすという終わり方になるのだろう。ここではリタも生きている。


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