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2016

ボクたちの交換日記

日本 / 2013年 / 監督:内村光良 / ドラマ
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【あらすじ】
売れないお笑い芸人二人。辞めるか続けるか。


【感想】
放送作家 鈴木おさむの小説「芸人交換日記~イエローハーツの物語~」が原作。原作未読です。

結成から12年が経った売れないお笑いコンビ「房総スイマーズ」。もはや仕事で顔を合わせるとき以外には会話もない。このままではまずいと感じた甲本(小出恵介、右)は、お互いについてなんでも言い合えるような交換日記を始めることを田中(伊藤淳史、左)に提案する。

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売れない芸人の苦しみというと、ピースの又吉さんが書いた「火花」が頭に浮かぶ。あの作品ほど苦しいわけではなく、苦しいながらも二人を支えてくれる恋人の存在もあり、ほんわかしている。

30歳にして売れてないという設定は、リアルだととても苦しいのでしょう。同窓会にも行けないし、田舎には帰れない。友人はみな社会人として実務経験を積んでいるのに、なんのキャリアも資格もない。いまだにバイト雑誌をめくりつづけなければならない。自分たちを抜いて売れていく後輩にも嫉妬してしまう。そんな中、恋人は妊娠し、結婚するか選択を迫られる。結婚するなら相手の親にも会わなければならないが、売れてない芸人は人間とはみなされないだろう。ペット以上人間未満の何かである。いや、ペット以下かも。恐ろし。

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監督した内村さんの人柄なのでしょうか。精神的に追い込まれる状況なのに悲愴感がなく、それなりに幸せそう。恋人がそれぞれ長澤まさみ(上の画像、右)と木村文乃(下の画像)だからだろうか。もうそれだけで幸せ度がすさまじく上がってしまう。いいのか、それで。もうちょっとこう、恋人がいないとかですね、いても樹木希林みたいなパートのおばちゃんという地獄みたいな設定にするのはどうか。長澤まさみや木村文乃ではまったく地獄感がない。

で、そんな長澤まさみは昼は薬剤師、夜はキャバクラ嬢として働き、献身的に甲本を支える。一方、田中はバイト先であるツタヤの店員木村と付き合っている。

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ちょっと笑ってしまったのが、薬剤師で収入が安定(薬剤師の平均年収は500万を超えている)しているはずの長澤まさみがキャバクラで働いていることだった。どちらかというと生活が厳しいのはツタヤでバイトしている田中・木村組のほうだけど。やはりこれは長澤まさみが派手でキャバクラが似合うからなのかなあ。木村文乃は地味でキャバクラというイメージがない。

芸人をやり続けて成功した田中の成功した描写もおかしかった。この前まで四畳半でカップラーメンを啜っている感じだったのに、突然、豪邸でワイン、ナイフとフォークをカチャカチャいわせている。いかにもな金持ち描写だった。ほっといたら、ペルシャ猫、葉巻、バスローブ、愛人を膝に乗せて出てきそう。まさしくコントである。

夢をあきらめた甲本、追い続けた田中、どちらもそれなりの幸せがあったといういい話なのかもしれない。ただ、ちょっと泣かせようとしすぎているように感じました。どうもやりすぎているような。交換日記をゴミの山から必死で探すところや、バイト先で元芸人としてバカにされるところ、コンビ解散の理由など。やりすぎていると、ちょっと冷めてしまうところがある。

17年経って、50歳手前になっている場面がある。でも、特殊メイクもないままで出る。これは不自然なようだけど、良かったのではないでしょうか。変にメイクしてしまうと、本当にコントのように見えてしまう。

芸人というのは、どうやって努力したらいいのか努力の方法がわからないのが大変そうですね。英検とか簿記なら勉強するしかないけど、面白くなるとはどうすればいいのか。房総スイマーズというのはコントグループだけど、たとえ売れたとしてもコントをできる場所がテレビにはあまりないという問題もあるのだろう。劇中で演じられるタクシーのコントが面白そうでした。一本ちゃんと観てみたかった。夢を追い続けることの怖さについても考えさせられる。芸人が好きな人にはお薦めの映画です。


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