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2016

ハイヒールの男

하이힐 / 2014年 / 韓国 / 監督:チャン・ジン / アクション、ドラマ
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兄貴と呼ぶな。姉貴と呼んでちょうだい!
【あらすじ】
犯罪組織から恐れられる刑事は女になりたかった。


【感想】
警察と暴力団の激しい戦いというと、いつもの韓国映画のようですが、この映画の一味違うところは主人公が女性になりたいということ。

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寡黙な刑事ジウク(チャ・スンウォン)の愁いを含んだまなざしがいい。韓国では同性愛者というのは、どういった扱いを受けているのだろう。徴兵制があるからか、ちょっと体育会系色が強いマッチョな国民性という気がするのだけども。日本よりも同性愛者に対する世間の目が厳しいのかな。

わたしたちはテレビで同性愛者を見ることに慣れている。でも、カミングアウトできずに苦しんだまま一生を終える人も相当数いるのではないか。主人公ジウクも女性になりたい願望を持ち続けたまま悩んでいる。自分の周りに壁を作り誰にも入らせない。その壁の高さがミステリアスな魅力を引き出している。

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思えばカミングアウトしない同性愛者というのは、周りに自分の本当の気持ちを一切いえない。家族や親友にも何もいえないまま過ごしていくのだろう。ずっと嘘をついているようなものなのかな。ジウクはほとんど感情を表に出さない。無表情の仮面がいつしか彼の本当の表情になってしまったのだろう。

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ジウクが女装したとき、表情がやわらぐ。とてもきれいに見える。

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打ち上げの席で、後輩が悪気なく「捜査のとき、女装した先輩が本当に気持ち悪かった!」とからかう。周りはどっと盛り上がるのだけど、ジウクは静かに傷ついている。こういうのうまいですねえ。コメディになるかと思っていたら、おかしい場面もあるのだけどギリギリでコメディにせずに踏みとどまってますね。ジウクは静かに悩み続けているので、コメディにしなくてよかったと思います。

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そしてナイフを使った殺陣がまあすごいですよ。なんだろこれ。サク!サク!シュパー!っという。恐ろしいほどの速さでナイフが相手の体に吸い込まれていく。ジウクの手足が長く、バレーダンサーの優雅な舞踏をみるよう。血がドバドバ出てますけども。

最後、ジウクは女装をやめてしまう。だが、運転をする彼の小指は立っている。まだ女性になることに未練を残しているような。韓国では同性愛者が暮らすにはつらい環境だから男性に戻ったのか。それとも、女性になりたいという願望を知った友人(親友の妹)ができたことが、彼の欲求を満たしたのだろうか。誰にも本心を打ち明けられずに生きるのはつらすぎる。ジウクのアクションのキレと愁いを含んだまなざしが印象に残りました。


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