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2016

シャドウ・チェイサー

THE COLD LIGHT OF DAY / 2012年 / アメリカ、スペイン / 監督:マブルク・エル・メクリ / サスペンス、アクション
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世界はわたしの知らないところで回っている。
【あらすじ】
家族を誘拐され「カバンを持ってこないと家族を殺す」と脅されます。カバンて何よ‥‥。てか、あんたたち誰よ‥‥。外国だから言葉もあんまり通じないし。どうしよどうしよ‥‥。



【感想】
「マン・オブ・スティール」で主演を務めたヘンリー・カヴィルが主役ということで鑑賞。「マン・オブ・スティール」は面白かったしなあ!と観ていたら‥‥、うーむ、こ、これは‥‥、なんでしょうか。巻き込まれ型のサスペンスなのだけど、ひどい巻き込まれ方をしたのでどうなっているのかわからない。

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会社経営者のウィル(ヘンリー・カヴィル)は家族とバカンスを過ごすため、アメリカからスペインにやって来ていた。バカンス中、ウィルの経営する会社が倒産してしまう。バカンスに来ている場合ではないと思うが、もはやどうにもならんからバカンスに来たのかもしれません。もうここまで来たら同じだという。

八つ当たりで雰囲気を悪くするわ、自分が原因で弟の恋人にケガをさせるわで散々のウィル。治療のための薬を買いに街へ出かけるが、戻ってみると家族はクルーザーから消えていた。そのあと、いろいろ脅迫されます。踏んだり蹴ったりじゃよ‥‥。

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ウィルの父親(ブルース・ウィリス)。物語序盤であっさり死んでしまう。ブルースはそんな簡単に死なないとどこかで思ってますからねえ。主人公を助ける重要な役だと、勝手に信じ込んでいるもんだから驚いた。役者の格から考えて、死ぬわけがない人が死ぬというのはトリックのように作用する。

で、この父親が、ウィルには隠していたもののCIA工作員なのである。話が進んでいくと、父親には愛人がおり、さらに隠し子(左)までいた。知らないことばかりである。

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謎の組織から「カバンを持ってこないと家族を殺す」と脅迫され、また別の組織からも拉致されて理由もわからずボコボコに殴られる。ひどい。「マン・オブ・スティール」ではスーパーマン役で無敵だったウィルも、ここでは普通の人なので弱音吐きまくりである。

面白いのが、主人公が何も重要なことを知らないということ。わたしたちは自分の人生を、自分が主役として生きている。ある程度コントロールできるものとして捉えている。でも、実際は何もコントロールできないことだってある。映画の世界では頻繁に、冒頭で何の意味もなく巻き込まれて死ぬ人が出てくる。

ウィルの存在というのは主役でありながらも、この「巻き込まれて死ぬ一般人」の感じがよく出ている。あまりにも弱く悲しい。だが、多くの人はこういった哀れなエキストラのような存在なのだろうとも思う。何が起きているかわからないまま、あっという間に終わってしまう人生。そういうふうに人生が幕を閉じることだってあるのだ。

陰謀の全貌など知る由もなく、自分は蚊帳の外におり、何か巨大な力が世界を動かしている。ウィルはそこではなんの力もないのだ。

「おまえ、自分が主役と思っているかもしれないけど、名前のないエキストラだからな」
そう冷たくいわれたような無力感を感じる映画だった。わたしは泣く。

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主人公を追っかけまわす謎の組織の人としてシガニー・ウィーバーが出ておりましたよ。すぐサブマシンガン乱射してくるしさあ。困ったおばちゃんである。主人公は最後も自分が決めるわけではなく、謎の組織が出てきてシガニー・ウィーバーたちから守ってくれる。わたしたちは常に蚊帳の外に置かれている、重要なことは何も知りえないというのは、ある意味では真実のように思えた。映画としては、あんまし面白くないという。カーチェイスは迫力があり良かったです。

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