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2016

レイプ・オブ・アナ・フリッツ

El cadáver de Anna Fritz / 2015年 / スペイン / 監督:ヘクトール・ヘルナンデス・ビセンス / サスペンス
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屍姦をしたら生き返っちゃった! どうしよう‥‥。
【あらすじ】
美人女優の遺体が霊安室に運ばれてきたのでレイプすることに。死んでるからいいよね!ってオイオイ‥‥。



【感想】
新年早々、罰当たりな作品。原題は「アナ・フリッツの死体」ですが、邦題「レイプ・オブ・アナ・フリッツ」のほうがわかりやすいかもしれませんね。

人気女優アナ・フリッツ(アルバ・リバス)は自宅の浴室で原因不明の急死を遂げる。病院に勤めるパウ(アルベルト・カルボ)の元にアナの遺体が運び込まれた。

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パウ(左)はアナの遺体を携帯で撮り、友人に送り付けて自慢する。アナの写真を見たイバンとハビはアナの遺体を一目見ようとパウの元に駆けつけた。病院内だけで物語が進行していくシチュエーションホラーです。

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3人の力関係の描き方がよかったですね。3人のリーダーで強気なイバン(中)、この中では常識人のハビ(右)、病院に勤める気弱な男パウ(左)。イバンとハビの二人はそこそこモテるようでパウを下に見ている。仲間内の序列をそれとなく感じさせる。

だが、パウがアナ・フリッツの死体を見せるところで3人の関係に変化が。それまでは弱気で終始オドオドしていたパウだったが、自分の庭である霊安室に入ると様子が変わる。

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イバンやハビは死体を恐れているが、見慣れているパウにとってはなんでもない。わたしたちはたとえそれがどんなに卑しいことでも優越感を感じる場合がある。

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二人をちょっとバカにした感じの笑い。こういったいやらしさを描くのがうまいですねえ。

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アナの遺体を見て欲情したイバンは「アナ(死んでる)とセックスをする!」と力強く宣言。誰にもとめられない。ホラーは、バカとチチのでかい女がいれば成り立つと思っていましたが、やはりそうだったか。疑いようのないバカがここにおりました。

ここでもパウのニヤニヤ笑いが出ていましたが、実はパウは以前にも死体を犯していた。彼の優越感はここにも表れている。二人を批難するハビをよそに、イバンとパウはアナの死体を犯す。

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イバンの次にパウがアナの上に覆いかぶさっているとき、どうしたわけかアナが意識を取り戻してしまう。

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とんでもないところをアナに見られてしまったと慌てる三人。弱っているアナを医者に診せるよう提案するハビ、アナに喋られるとまずいので殺そうとするイバン、ひたすら困惑するパウ。三人の意見は対立し、やがて暴力沙汰に発展してしまう。

この揉めているところが映画の見どころなのだろう。だけど、なんとなく乗れなかったんですねえ。なんでだろう。殺人鬼であるハンニバルや、マフィアのゴッドファーザーなど、犯罪者であっても共感しうる哲学や美学があれば感情移入できるかもしれない。だけど、やっていることがあまりにも‥‥、ということでしょうか。

感情移入しようにも、この中で一応常識人枠であるハビ(ただし麻薬はやる)はイバンによってあっさり殺されてしまう。そうするとイバンかパウしかないんだよなあ。まともなのが残ってない。狂暴で変態か、筋金入りの変態か、さあどっち!っていわれても、どっちも困った人である。

一応、意識を取り戻したアナを応援する手もある。それも急に主人公が変わるようで気持ちが追いつかないのだった。犯罪がばれないようにアナを殺すほうを応援するのか、逃げるアナを応援するのかだが、どうにもモヤモヤする。状況設定が面白いのだけど、前半に比べて後半失速してしまったような印象でした。


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