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2017

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)

BEFORE SUNRISE / 1995年 / アメリカ / 監督:リチャード・リンクレーター / 恋愛 / 101分
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この出会いは運命的なものか。
【あらすじ】
電車の中で意気投合、翌朝まで語り続ける。



【感想】
監督は「6才のボクが、大人になるまで。」のリチャード・リンクレーター。電車に偶然乗り合わせた男女が意気投合し、学生特有の青臭い哲学的な会話を重ねていく。ウィーンの街をただひたすら歩き、翌朝まで語り続けるというちょっと変わった作品。まるでドキュメンタリーのようにも見える。

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アメリカからの旅行客ジェシー(イーサン・ホーク)。今はすっかりヒゲのおじさんとなったイーサン・ホーク。若いなあ。

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議論好きで、才気あふれるセリーヌ(ジュリー・デルピー)。勝気でかわいらしい。二人の会話はたまに嚙み合ってないし、テーマはあちこちに逸れる。会話の内容どうこうより、会話をしていること自体が楽しいのだ。波長の合う人間と特別な時間を共有しているという感覚が嬉しいんですよね。

学生時代、夜の町を友人と目的もなく歩いて、どうでもいいことをよく朝まで議論していた。田舎なので店はどこも開いてないし、たまに自動販売機で飲み物を買うぐらいで、ひたすら歩いて話すだけなんですよね。町は静まりかえっていて世界には自分たちしかいないような、まるで町の支配者になったような感覚すらあった。今にして思えば、あれぐらい楽しい時間もない。

観ていて懐かしさすら覚えた。波長が合う相手を探すのは難しい。頭の良い悪いは問題じゃなくて、自分と同程度ならばよくて、興味の対象が似ているといい。同じようなことで笑い合えればなおいい。

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レコードを視聴するために入った狭い部屋での二人の様子は微笑ましい。ジェシーがキスすべきかどうか迷って、視線を合わせたりはずしたり悩む。ああ! もう! どうすんだというじれったさ。駆け引きともまた違うような。せっかく幼馴染の友人同士のような会話を楽しんでいるのに、この関係を壊していいのかという迷い、「そんなつもりじゃない」と拒絶されたらみっともないという怖れ。また、セリーヌにしても「なんでこないんだろ? でも自分から行くのもなあ」という迷いが見て取れる。じれったくて楽しい。レストランでお互いの友人になりきって電話するところもすてきでした。

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ジェシーはお金がないから仕方なく一晩中ウィーンを歩き回るつもりだったわけで、お金があればどこかに宿泊しておしまいだったのだ。若いときのお金の無さというのは、まったく惨めではないんですよね。むしろゲームのようで、ないことに制約された豊かさすら生み出す。

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二人がお互いに盛り上がってしまい、夜の公園でセックスするかどうか話すところが面白かった。ジェシーは明日アメリカに帰るわけだし、セリーヌはフランスに住んでいるのでもう二度と会う機会はない。それなのに関係を持つのはどうなんだということで、二人があれやこれやいうのだけど。

うーん、今いる場所がなんの障害物もない公園のど真ん中だから、外だからやめよ、ということは一切いわないのだった。そこはちょっと考えてもいいのでは。

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これは運命の出会いなのか、それとも奇跡的に一日うまくいっただけなのか。一緒に暮らしたらお互いの嫌なところも見えてしまうだろうから、このまますてきな思い出として別れたほうがと悩んでしまう二人。いやあ、これは迷いますねえ、こんな経験ないけど。

とりあえず再会を約して別れる二人。今ならば携帯もあるし、SNSで頻繁に連絡を取り合うことが可能だろう。あったら使ってしまうから、ないという制約がまたすてきな物語を作っていく。続編「ビフォア・サンセット」さらに「ビフォア・ミッドナイト」へ続いていく。懐かしさを覚えるとてもいい恋愛映画でした。

このシリーズどこまでやるのかなあ。二人がヨボヨボになるまでやるのだろうか。リチャード・リンクレーター監督は「6才のボクが、大人になるまで」で主人公を12年間、ストーカーのように撮り続けてますからねえ。やってくれるかもしれん。それはそれで観たいような。お薦めです。



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