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2017

コンプライアンス 服従の心理

COMPLIANCE / 2012年 / アメリカ / 監督:クレイグ・ゾベル / 実際に起きた事件を基にした映画 / 90分
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信じ込んでしまうことの恐ろしさ。
【あらすじ】
ファストフードの従業員がいたずら電話によって裸にされてしまう。



【感想】
2004年に起きたストリップサーチいたずら電話詐欺(Wikipedia)ー 犯人がファストフード店などに電話し、警察官をかたって女性従業員を裸にして身体検査などを強要した事件ー が基になっている。とにかく不快感しかない話ですが、防犯のために一度観たほうがいいように思いました。

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ファストフード店のマネージャーを務めるサンドラ(アン・ダウド)。金曜日の忙しさ、本部の査察、冷蔵庫の閉め忘れによるベーコンの廃棄など、彼女の処理能力を超えて混乱していたところに、ダニエルズという警察官を名乗る男の電話を受ける。ダニエルズは店の女性従業員が客の金を盗んだと主張し、従業員の身体検査を要求する。

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サンドラは従業員のベッキー(ドリーマ・ウォーカー)を呼んで問いただすが、ベッキーは否定する。だが、言葉巧みに犯人はサンドラを誘導し、ベッキーを裸にして身体検査をしていく。

そんなバカなという話の連続なんですね。こんなバカな話、誰も信じるわけがないという。だが、警察という権威の前に、サンドラを始め店員たちは犯人のおかしな要求に逆らえない。なぜ誰も「これは絶対におかしい」といわないのかイライラが募る。

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犯人(パット・ヒーリー)はベッキーの名前を知っていたわけではなく「レジの若い女性従業員で、金髪の‥‥」ぐらいしかいってなかったと思うのだけど、サンドラは「ベッキーですね」と犯人に情報を出してしまう。おお、もう‥‥。サンドラは犯人に良く思われようと取り入っているようにすら見える。犯人は即座に「そうだ、たしかベッキーだ」って、わー、サンドラのバカ―。

これは外側から冷静に観ているから、関わった人たちのことをバカだといえるのだろう。自分が現場にいると違和感を感じながらも流されてしまうのかもしれない。犯人の要求(従業員を裸にして身体検査をする、お尻をたたくなど)はあまりにバカげている。だが、当時こういった事件が頻発していたということは、バカだから引っかかったというだけではないように思える。

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登場人物たちは警察官という身分を訊くと、誰も「偽者では?」と疑いはしない。もう、犯人が出す理不尽な要求についての判断(裸にして検査するかしないか)についてどうするかで頭がいっぱいで、この警察官は本物なのかという当たり前の疑問が頭に浮かばない。

ここが本当に怖かったです。「こいつは本物なのか?」と一瞬でも疑えれば正解が出せるのだけど、疑問がスッポリと抜け落ちているのが恐ろしい。

それと、これはアメリカの警察ということも関係しているんじゃないかなあ。どうもアメリカの警察は横暴な印象がある。腐敗した警察の映画も多いし、物騒な国柄ということもあってすぐに銃を出す印象がある。だまされた関係者たちも「アメリカの警察ならば、こんな無茶な要求をしてきても不思議ではない」という、警察の印象の悪さが刷り込まれていたのではないか。それが70件にも及ぶ類似事件を生んだのかもしれない。

日本でも振り込め詐欺事件がいまだに後を絶たないですが、これも警察官や弁護士が登場することもあるし似た構造を感じる。こうした事件に引っかかると、事件後に身内から責められたり、自分でも罪悪感にかられ人間関係がおかしくなることもあると聞きます。被害者にミスはあったとしても、一番悪いのは犯人なわけですから。

一度は観た方がいい映画かもしれません。ずーっとイライラしますけども。また、このマネージャーのサンドラおばちゃんが事件後にインタビューを受けているんですけども、わたしは悪くないの一点張りでねえ‥‥。コラ! いいかげんにしろって思いますけど、お互い気をつけよ。


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