04
2017

デビルズ・ノット

DEVIL'S KNOT / 2013年 / アメリカ / 監督:アトム・エゴヤン / 実際に起きた事件を基にした映画、サスペンス / 114分
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狂信者の村に住む正常な者は、狂信者として扱われる。
【あらすじ】
児童殺害事件の捜査を始めたら冤罪だった。



【感想】
実際に起きた冤罪事件が基になった作品。アトム・エゴヤン監督作品ということで、また今回もすっきりしない終わり方となっています。監督はすっきりと終わるような出来事に興味はなく、観終わった後も心の底に澱となって留まるようなことこそ作品として残す価値があると考えているのかもしれない。で、相変わらずのモヤモヤっぷりなのだった‥‥。

タイトルの「デビルズ・ノット」の「ノット」は「結び目」。ネクタイの結び方にウィンザーノットってありますね。児童殺害事件の被害者が靴紐で手足を結ばれていたことを示しているのかな。

1993年5月、アメリカアーカンソー州ウェスト・メンフィス。三人の児童が行方不明になり、のちに遺体となって発見された。警察は容疑者として三人の若者を逮捕する。三人はオカルトとヘヴィメタルが好きな若者で、町で問題視されていた。

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私立探偵のロン(コリン・ファース、下)は警察の捜査に疑念を抱き、独自に調査に乗り出す。警察、判事、マスコミは若者たちを強引に犯人に仕立て上げようとする。弁護側は町を敵にまわして孤軍奮闘している。

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ファストフード店にいた血まみれの黒人や被害少年の父親など怪しい人物はなぜか捜査対象にならない。警察は証拠を紛失するし、こんなに滅茶苦茶な裁判があっていいものかと思うが、彼らを犯人とすることがあらかじめ決められていたようである。

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裁判では、逮捕された若者たちを悪魔崇拝者と吊るし上げる。だが、この裁判に関わった者たちがやっていることのほうがよほど悪魔じみている。彼らは内心では若者たちが犯人ではないことをわかっている。冤罪を作り出してまでも、気に入らない者、自分たちとは信仰が違う者たちを排除しようとしたことが恐ろしい。全員が狂っているように見えるのだ。

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この呪縛から唯一自由だったのは被害者の母親パム(リース・ウィザースプーン)だけかもしれない。裁判は町から異端者を排除するという歪んだ目的に利用されたが、彼女だけは事件の真実を求めていた。パムの瞳が印象的だった。

地味で後味もすっきりしないせいか評判はよくないようですが、いい作品だと思います。こんな裁判が1990年代に行われていたということが恐ろしい。


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