05
2017

尚衣院 -サンイウォン- 

상의원 / 2014年 / 韓国 / 監督:イ・ウォンソク / 恋愛、時代劇 / 127分
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華美な衣服を作り出す人間の醜い嫉妬。
【あらすじ】
王室の衣服を作り続けて三十年。突如現れた新進気鋭の若手デザイナーに地位を脅かされたので、つぶしたい。



【感想】
韓国の時代劇を観るのは初めて。華美な衣装、現代からすると奇妙に映る習慣、身分を超えた恋愛という王道の展開がいい。舞台が、朝鮮王室の衣服を手掛ける尚衣院(サンイウォン)というのも変わっていて良かったですね。面白かったです。

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王室の衣服を作る部署、尚衣院を取り仕切るドルソク(ハン・ソッキュ)。長年の功績が認められ、6か月後には両班(当時の支配階級の身分)になることを約束されていた。ある日、王の衣服を誤って燃やしてしまった王妃は、明日までに代わりの服を仕立てることをドルソクに命じる。急な依頼に難色を示すドルソク。王妃は巷でうわさの仕立師であるゴンジンに衣服を作らせることにする。

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遊郭で起居し、妓生(キーセン)たちの衣服も作るゴンジン(イ・コス、中央)。妓生を差別することもなく、自由な精神の持ち主。保守的に見えるドルソクに対し、ゴンジンの天衣無縫さが光っていました。本当にね、魅力的に映るんですよねえ。ゴンジンを演じたのは「高地戦」で活躍したイ・コス。

ゴンジンは王妃の注文に見事応え、仕事のすばらしさから王の信頼も得ていく。王はドルソクに「新しい狩猟服もあいつにやらせてみたら?」などといい、ドルソクとしては面白くない。パッと出の若造のくせによう! 怒れるドルソクがかわいいのだった。

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当のゴンジンは地位や名声にまったく執着せず、無邪気にドルソクになついたりして。新しい衣服の注文も、「刺繡といったらやっぱり御針匠(オチムジャン、ドルソクの役職)じゃないですか。ここに刺繍を入れてくれませんか」などと、うまく持ち上げる。もう、この天然の人たらしっぷり。実にいい!

ドルソクのほうも顔はしかめっ面なのですが、渋々引き受けたりして。もう、かわいいなあ!

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王妃(パク・シネ、左)の衣服を採寸するゴンジン。わー、わー、こりゃいかん! 普段、恋愛物を観ないからかもしれませんがとても良かったですね。こんなのね、そりゃ好きになってしまいますよ。この場面の二人の表情が、あ、あやうい! キュンキュンするとはこういうことか。おっさんが気持ち悪いことを。

ゴンジンは彼の才能を妬んだ人間と王の嫉妬(勘違いだが)によって謀略にはまってしまう。だけど、ゴンジンは誰も恨んでいない。これはあまりに不条理で、そこで誰も恨まないわけないだろうと思うのだけど、不思議とゴンジンの性格ならばそうなのだろうなという説得力がある。彼の持つ清々しさによって自然に受け入れられるのだ。ゴンジンがとにかく魅力的でした。

ゴンジンはドルソクを慕っていたわけで、別な終わり方があればなあと思うものの、あれはあれで仕方ないのかもしれない。二人の友情が続いてくれてればと思わずにはいられない。

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衣装も鮮やかで、尚衣院の様子や当時のしきたりも面白いですね。王の汚れた足袋を下賜されることが名誉だったり、現代人ならばそんな汚いものいらないといいそうだけど。王と家臣が馬で駆けくらべをする場面がある。王の馬が暴れて、王は落馬し地面に叩きつけられる。そのとき、家臣たちが一斉に駆け寄って土下座し「(自分を)罰してください。罰してください」と繰り返す。

いや、だって暴れたの馬だしと思うけど。あまりにも奇妙に映る場面だった。王も、落馬したのは自分だからちょっと決まりが悪くて苦笑いという。上のやることはすべて無条件に正しいという文化なのだろうか。ちょっと不気味にすら感じる。

王妃がとてもかわいそうに思える映画だった。この時代の女性は、王から選ばれることでしか自分に価値を見出すことができなかったのかもしれない。それはべつに韓国に限ったことではないのだろうけども。王妃の佇まい、ゴンジンの潔さ、ゴンジンとドルソクの対比、どれも見どころがあって面白い映画でした。お薦めです。


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