09
2017

ヴィンセントが教えてくれたこと

ST.VINCENT / 2014年 /  アメリカ / 監督:セオドア・メルフィ / ドラマ / 102分
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仲良きことは美しきかな。安定の物語。
【あらすじ】
引っ越した家の隣にガンコじいさんがいた。意外といい人だった。



【感想】
ガンコじいさんと子供の交流という定番の作品。それでもこのジャンルは好きなので観てしまう。

タイトルの「〇〇が教えてくれたこと」という付け方は流行なのだろうか。検索してみたら、実は思っていたほど多くなかった。

「マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと」
「君が僕の息子について教えてくれたこと」
「母が教えてくれたこと」
「自閉症の君が教えてくれたこと」

だけど、映画ではなく本になると、この「〇〇が教えてくれたこと」は膨大な数になる。もう教えてくれなくてもいい。

そんな「ヴィンセントが教えてくれたこと」でありますが、安定したおじいちゃんと孫ものでした。ここに出てくる子供(オリヴァー)は孫ではないけど。

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ヴィンセント(ビル・マーレイ、右)は競馬場とバーで一日を終え、たまに馴染みの売春婦を買うという自堕落な生活。酒とギャンブルの浪費で銀行からの融資は限度額を超えていた。

ある日、隣にオリヴァー(ジェイデン・リーベラー、左)とその母マギーが引っ越してくる。シングルマザーで多忙なマギーは、オリヴァーの面倒をみてくれるようヴィンセントに依頼する。小遣い稼ぎになると渋々ながらシッターを引き受けたヴィンセントだが、やがて彼らの間に友情が芽生えるという王道の展開ですね。

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老人と孫もので重要なのが子供のかわいさ、利発さである。オリヴァーは観察力があり聡明。母が忙しく、自分にかまう時間がないのも生活のためと理解している。ヴィンセントも乱暴な言動ほど悪い人間ではないと見抜いている。うーむ、完璧超人じゃないですかー。賢いちゃんは面白くないからなー。

まあ、でもおじいちゃんと孫ものの子供は完璧なことが多いのだ。たいていおじいちゃんのほうがバカで、バカ同士だと収集つかなくなる恐れがある。仕方なし。

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オリヴァーとヴィンセントはわりとすぐに打ち解け、バーで踊ったり、喧嘩のやり方を伝授されていじめっ子を撃退したり、競馬で大儲けしたり、二人の仲は順風満帆。仲良くしているのを観るのが嬉しい。喧嘩のやり方を教えるのは本当にこういう物語の王道ですねえ。王道でいいのです。

物語がすすむと、ヴィンセントが思いのほかクズで、オリヴァーを傷つけるというのが定番なのだけどそういう展開がないんですね。オリヴァーの失望やその状態からの回復が用意されてないのだ。だからか、物語に起伏がない印象を受けた。

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結局、ヴィンセントはそれなりにちゃんとした人で、彼がどういう人間かは最後にオリヴァーがプレゼンすることで周囲に知られることとなる。定番といえば定番の展開で、安心して観ていられる作品。ここを安心と捉えるか物足りないと捉えるかは人によるかも。

もっとも、ヴィンセントはオリヴァーの銀行預金を勝手におろして競馬につぎ込んでますが、そこは取りあげられないんですよね。あの行為は関係にヒビが入りそうだけど。オリヴァーは銃でヴィンセントを脅しても許されるのではないか。なんなら足ぐらい撃ってもいいのでは。

わたしがおじいちゃんと孫ものをつい観てしまうのは、わたしの父子関係に傷があるからかもしれない。だからこうやって楽しそうにしている歳の離れた二人に惹かれるのかなあ。気づきたくないことに気づいてしまった。

気楽に観られる映画ですので、親子関係に傷がある人はリハビリにどうでしょうか。そんな薦め方もどうかと思うが。

いつか、おじいちゃんと孫もので、おじいちゃんが救いようのないクズという映画を観てみたいですね。人道上とても許されない卑劣なことをやっていて、それでも孫の前ではそれなりにいい人だったとして、孫は果たして彼を許すのかという。いったい、わたしは何をいっているのか。


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