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2017

HUNGER ハンガー

HUNGER / 2009年 / アメリカ / 監督:スティーヴン・ヘンチェス / ホラー / 101分
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犯人さんの努力が足りない。
【あらすじ】
拉致されて井戸の底に閉じ込められました。



【感想】
「ハンガー」というスティーヴ・マックイーン監督の同名映画があり、さらには「ハンガー・ゲーム」という有名な作品もある。だから、あまり有名ともいえないこの「ハンガー」が埋もれてしまっている。わたしがこの映画を広めねば! という謎の使命感。ちなみにそんな面白い映画ではないです。じゃあ広めなくていいか。

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正体不明の犯人により五人の人間が拉致されて、井戸の底(二部屋ある)に閉じ込められてしまうシチュエーションスリラー。水だけは用意されている。あと手術用メス。これで殺し合ってね! という。

犯人の目的は実験。いろんな人間を集め、極限状態にして共食いをするかどうか観察したい。犯人は子供の頃、車で崖から転落して車中に閉じ込められてしまう。彼は運転席にいる親を食べることで空腹をしのいだ。その罪悪感からこの実験を思いついたのだろう。ようはそのときの自分の決断を肯定したい。ありゃ、しょうがなかったってことで、ムシャムシャしたのもやむなしと思いたい。犯人がベラベラと自分の動機を語らないので好感が持てます。男は黙って犯罪! ということでしょうか。

拉致されたのは医者、建築士、ダンサー、会計士、犯罪者の五名。極限状態におかれ、空腹でおかしくなっていく。シチュエーションスリラーはどうやって危機的状況から脱するか、その知恵の絞り方が重要ですが、みんなそれほど頭が切れるわけでもない。発想の鮮やかさに驚かされるということがないのがちょっと残念。

なぜ自分たちがさらわれたのか、その共通点を洗い出してみようと医者が提案する。彼らの共通点は、

・一人暮らし
・家族と疎遠
・友人が少ない

うーん、実に悲しい結論に。いなくなっても誰も探しに来ないという。泣いていいかしら。

そんなたいして参考にもならないデータが揃って凹むメンバーたち。とりあえず、水だけはあるので3週間ぐらいは理性を保ちつつダラダラすすむのでした。

で、そろそろ空腹も限界に達し、彼らのうちの一人の体調も危うくなる。共食いの臭いがしてきたぞー。

彼らの共食いに対するスタンスは以下。

◆誰でもいいから食べたいぞ‥‥犯罪者
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バカ枠の犯罪者さん。場を引っ掻き回してがんばっていましたね。「おまえの恋人、美味かったぜ!」という最低のセリフもございます。バカが輝く映画はいい映画。


◆どちらかというと食べたい‥‥ダンサー、会計士
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このダンサーのお姉さんはけっこう腹黒い人でした。だが、みんな極限状態のせいか、べつにこの人がそそのかさなくても共食いをしていたような。会計士さんはあまりしゃべらないので画像なし。


◆絶対に共食いなんてしない!‥‥医者
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この映画の主人公であるお医者さん。正義の人として描かれている。ラストで頭の切れるところを見せてくれます。逆にいえば、そこしか見せ場はないかなあ‥‥。悲し。


◆共食いどころか、体調が悪いのでほっといても死にそう‥‥建築士
建築士も画像省略。病気持ちということで、途中で襲われて食われてしまう。


こういった映画は犯人から理不尽な要求がありそうなのに、それがない。犯人はいっさい彼らと接触せず、監視カメラで彼らが争うのを観ているだけなんですね。「1番と3番が殺し合え。勝ったほうに食事をやる」とか「誰か一人の腕を切り落としたら食事をやる」などといえば盛り上がりそうなのに。犯人は場を盛り上げようという熱意に欠けていると思います。反省してほしい。

で、代わりにがんばってくれたのがバカ枠である犯罪者さん。水だけだと平均的な人間の体力だと30日間で死亡してしまうらしい。そんな犯人からのメッセージが書かれた紙を見つけ、犯罪者さんは「30日間ここで生きのびれば解放される!」と勝手に思い込む。なぜだ。バカの不思議。

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30日間が経過し、ダンサーにすがりついて喜ぶ犯罪者さん。実に嬉しそうですねえ。でも、普通に考えれば、監禁してひどいことをした人間を解放するわけがない。何も起きないので、怒り出す犯罪者さん。時計に八つ当たり。

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うーん、実にバカですねえ。バカはいいなあ!

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「俺、そんなこと全然いってないのに」と、犯人も薄ら笑いを浮かべる。やはりバカは重要である。

で、みんなして殺し合った結果、医者だけが生き残った。彼女は水を貯めてあるドラム缶の蓋に、遺体の血を使って何かを書き出すんですね。ライトを壊してしまったので、暗くて何をやっているかも今一つわからない。

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犯人は、彼女が何を書いたか知りたくて仕方がない。なぜ、彼女が他の人間を食べずにいられるのか彼女の強さを知りたいんですね。彼女が眠りについたのを見計らい、ドラム缶の蓋の文字を見に行く犯人。ライトをつけたところで、グサーッとやられてしまうという。メスは足元に転がっているので油断していたら、なんと建築士の骨を尖らせた凶器で刺されるという。いやあ、やりましたね、医者ちゃん。相手の好奇心を利用しておびき寄せる見事な展開。

蓋には「もうすぐ太陽に会える」みたいな文字が。「これを見たときがおまえの最期」とかでも良かったような。平和主義者の医者ちゃんらしいメッセージでした。犯人は殺すけど。

シチュエーションスリラーですが犯人との接触がないせいか、監禁された者同士の会話だけで話が展開する。だけど、被監禁者同士の心理戦や疑心暗鬼もなく「お腹空いた‥‥」というだけなんですね。もうちょっと知の攻防があれば嬉しい作品でした。残酷描写はあまりきつくありませんでした。



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