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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
21
2017

レヴェナント 蘇えりし者

THE REVENANT / 2015年 / アメリカ、香港、台湾 / 監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ / 実在の人物を基にした映画、時代劇 / 156分
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殺す者は殺される。
【あらすじ】
息子を殺されたので復讐したい。



【感想】
「REVENANT」という言葉を辞書で引くと「帰ってきた人」とある。物語はシンプル。ディカプリオがひたすらいじめられるのを長時間ながめる作品。

1823年、アメリカ北西部の極寒地帯。毛皮を集めていたハンターたちは先住民の襲撃を受けて山へ逃げ込む。ハンターたちのガイドを務めるヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は、熊と格闘して大けがを負ってしまう。動けないグラスを連れて逃げるのは難しく、グラスは山に置き去りにされる。置き去りに反対した息子は、仲間の一人に殺される。瀕死のグラスは死なず、死の淵から帰ってきた。男を殺すために‥‥。

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映画の間中、とにかくずっとディカプリオがいじめられる。熊に襲われ、大けがに苦しみ、動物の内臓を食べ(ディカプリオはベジタリアンだが撮影で本当に内臓を食べた)、川に流され、崖から落ち、馬の内臓を掻きだして体内に入って暖をとる。もう、どこまでいじめればいいのかという。過酷な撮影だったんでしょうねえ。

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冒頭の先住民の襲撃場面は躍動感に溢れている。見えないところから矢を射かけられ、次々と命を落とすハンターたち。だが矢を射かけた先住民もハンターに撃ち殺され、またそのハンターを先住民が射殺す。めまぐるしく画面が切り替わり、殺した者はすぐに他の者に殺される。殺しの連鎖はとまらない。

唸りを上げる矢が顔につき立つ様子が恐ろしい。今、隣で話したやつがもう死んでいる。先住民の追撃から逃れるために森に入ったグラスたちだったが、そこには熊が待っていた。

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ただ、熊に襲われる場面といえばそれまでなのだけど、ここがやけに長いのだ。抗うことなど到底できない圧倒的な力、執拗にグラスの体を裏返してなぶる残酷さ、熊やグラスの息でカメラが曇る臨場感など、生々しさに満ちた場面になっている。この熊はCGだそうですが、こんなに迫力のある熊は見たことがない。

今まで見てきた熊に襲われる場面の中では一番ではないか。そもそも、熊に襲われる場面をほとんど見たことないけど。

この熊は母熊で、子熊を人間から守るためにグラスを襲ったように見える。だが、熊はグラスの必死の抵抗にあい絶命する。ここでも、殺そうとする者は殺されている。

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グラスのかっこうは熊みたい。彼は、息子を殺した男を追いつめてついに対決するが自分でとどめはささないんですね。男を川に流して、復讐は運命に任せるという。結果、先住民が男を殺すことになる。もし、グラスがとどめを刺そうとしたなら彼も死んでいたのではないか。グラスは先住民の女を助けていたので、彼は先住民に殺されずに映画は終わる。

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静かで重苦しい雰囲気に満ちた哲学的な映画でした。ディカプリオは怪我の様子が本当に痛々しかったですね。水を飲んだら、熊にかまれた首から出血して水がゴボゴボ出てきたり。傷口を塞ぐために喉に火薬をすりこんで爆発させたり(皮膚を溶かして傷を塞ごうとした?)。滅茶苦茶なことをする。案の定、気絶したわけですが。

おかげでアカデミー賞主演男優賞も獲れましたしめでたい。ご苦労様といいたくなる映画です。仇役はトム・ハーディ。さすがの憎々しさ。


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