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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
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2017

激戦 ハート・オブ・ファイト

2013年 / 中国、香港 / 監督:ダンテ・ラム / 格闘技、ドラマ  / 122分
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不幸特盛り、やりすぎの格闘映画。でも、そこがいい。
【あらすじ】
いろいろあってみんな不幸。総合格闘技の試合でお金を稼ぎたい。



【感想】
登場人物たちが無理やりなまでの不幸に遭い、そこから立ち直っていく。でも、作品がよくできているのでまったく気にならない。むしろ、「あ~、こういうのたまらん!」と素直に思えました。熱くなれる作品ですね。

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借金を抱える元ボクシング王者ファイ(ニック・チョン)。八百長に手を染めてしまい、表舞台から姿を消していた。今は知り合いのジムで雑用係をしている。荒くれ者なのかなと思ったら、かなり性格がいいんですよね。

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金持ちのボンボン、チー(エディ・ポン)。父親は事業失敗により、酒におぼれる荒んだ生活に。父親にもう一度立ち上がってほしくて、MMA(総合格闘技)への挑戦を決意する。あと、賞金で借金を返したい。ファイが元ボクシング王者ということを知り、コーチを強引に頼む。

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母を支える娘シウタン(クリスタル・リー)。この子が一番大変かも。父親が不倫をして家を出ていき、母親はショックでキッチンドランカーになってしまう。母親が見ていない間に弟は風呂場で溺死する。さらなるショックで母親は精神を病んでしまう。「ママはおかしくない!」と、母親をかばう娘のシウタン。な、泣かせる‥‥。この子がねえ、本当に良かったですよ。ポニョの子役・大橋のぞみちゃんに似ている。大橋のぞみちゃん、検索したら現在(2017年時点)で18歳とのこと。時の流れ、こわっ!

映画に出てくる子供は、かわいさ、生意気さ、健気さのバランスが重要ですがシウタンは理想的なバランス。あまりにもな不幸設定で、やりすぎ感満載なものの、かわいいので許せる。理由があってファイと同居するのだけど、ファイと母子の距離が縮まっていく様子、本当の家族になっていく過程がベタながら良かった。ベタかどうかより、映画としてよくできていればなんでもいいんですよね。本当に楽しそうで観ていてニヤニヤしてしまう。

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ダンテ・ラム監督は関係を深めていく描写(ファイとシウタン親子、ファイとチーの師弟関係)がうまいですね。あと、不幸の盛り方がすごい。盛れば盛るほど良いと思っているフシがある。

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チーは特訓の甲斐もあり、MMAの大会で勝利をおさめる。だが、チーと抱き合って喜ぶファイの姿をテレビで観た借金取りたちは、ファイの自宅をつきとめて襲撃する。その場にいたシウタンが巻き込まれ、階段から転落して頭に大けがを負う。おまえら、シウタンになにしてくれるんだという。やるならファイをやりなさいよ。

さらにチーは、MMAの大会で首から落下し大けがを負ってしまう。

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ファイとチー、そして王者(アンディ・オン、馬乗りになって殴ってる人)の鍛えられた肉体はすごい。本当にね、よくここまで鍛えに鍛えてきたなあ。三人とも格闘家のような肉体に仕上げている。「ザ・ファイター」のマーク・ウォールバーグ、「ウォーリアー」のトム・ハーディもすばらしかったですが、これらの映画と比肩する鍛え上げ方でした。MMAの試合はときに膠着状態が長くなり盛り上がりに欠けることもありますが、この映画では関節の取り合い、速やかな体の入れ替えなどが楽しめます。しかし、この体、すごいなあ。

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ファイは現役復帰を決意し、王者に挑む。弟子であるチーの敵討ちとか、シウタン親子のためじゃないんですよね。自分が棒に振った20年に決着をつけるためにいく。そこが良かったように思う。あくまで自分のためであり、やっぱり借金を返したいという。結局そこかい、というのはあるけど。

いいのです。

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シウタンがファイの足を踏むエピソードは良かったですね。これはねえ、ずるいですよ。これでもかと泣かしにくる。

エンディングのスタッフロールでは、チーは復帰してチャンピオンとなり父親と喜びあっている。シウタン親子とファイは3人で楽しそうにしている。母親は治ったのかもしれない。ファイの借金は、ファイがその後MMAの試合で2勝して、自分の勝利に賭けていた(違法では?)ため、すべて返済できた。

そんなうまくいくかーい! という都合の良い話なのだ。普通の映画はここまでのハッピーエンドを許さない。全員が全員幸福になって、すべての問題が解決している。この展開は観る人によって大きく意見が分かれそうですね。リアリティの欠片もない展開が許せないという人はいるだろうなあ。わたしは好きだけど。

体をギリギリまで追い込んで格闘場面に説得力を持たせたのも大きい。試合と家族、両方の要素がバランス良く絡み合い、何も考えずに楽しめます。シウタンがかわいかったなあ。お薦めです。


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