FC2ブログ

旧作映画の感想、ネタバレしてます。
22
2017

バグダッド・カフェ

OUT OF ROSENHEIM / 1987年 / 西ドイツ / 監督:パーシー・アドロン / ドラマ / 95分
331__2017052216583272f.jpg
わたしの生きる場所は、わたしが作る。
【あらすじ】
ダンナとケンカ別れして田舎のカフェで働きだしました。



【感想】
アメリカ、ラスベガスとロサンゼルスを結ぶ道筋にあるモハヴェ砂漠のはずれ。短気な女主人が切り盛りするモーテル「バクダッド・カフェ」。やる気のない使用人、自分勝手な子供たち、モーテルに居ついた風変わりな住人たち。寂寞とした砂漠と同調するようなモーテル。

ある日、夫とケンカ別れしたドイツ人女性ジャスミン(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)がバグダッド・カフェを訪れる。彼女は周囲にいい影響を与え、しだいに店は活気づいていく。

0uq.jpg

たいした事件の起こらない物語。今でこそ珍しくないタイプの映画だが、この映画が公開された1987年では画期的だったかもしれない。映画のタイプは「かもめ食堂」「めがね」などにも似ている。小林聡美さんが出てきそうな。

af.jpg

ただ、主人公はもっと能動的でみずから変化を起こそうとする。勝手にカフェの事務室の掃除を始めてしまうし、女主人の息子のピアノを褒め、マジックショーでカフェの客たちを楽しませてカフェを繁盛させる。

クリップボード01h

カフェの女主人ブレンダ(CCH・パウンダー、右)が怖い人でねえ。銃がよく似合うお顔。3人、殺してきたところです。

クリップボード02hj

ジャスミンの存在は、不機嫌なブレンダの心も解きほぐしていく。

印象的だったのが、ジャスミンが絵のモデルをするところ。頼まれてもいないのに勝手に脱いでいくんですよね。観ていて「オイオイ」となったが、これはわたしが男だからかも。ジャスミンはかなり太っているのだ。太っている女のヌードに需要がない、という考え方は男の都合でしかないわけであって、ジャスミンにはそんなことは関係ない。自分が描いてほしいから脱いでいる。

「かもめ食堂」などの作品は、ありのままのあなたでいいとか、疲れた人を受け入れる優しさを感じた。「バクダッド・カフェ」はより能動的で、居場所がなければ作ってしまう。気に入らないダンナとは別れ、勝手に店を手伝って盛り上げて、ここがわたしの生きる場所と主張しているような。そこに清々しさを感じるのかな。

女性の自立を謳った映画というわけではないのだろうけど、人目なんか気にせずにやりたいことをどんどんやっていくジャスミンの姿には好感が持てる。1987年にこういった作品を作っていたというのは、かなり時代を先取りしていたように思える。ジェヴェッタ・スティールの歌う「I’m Calling You」は耳に残りますねえ。他の音楽もいいですし、ショーで歌うブレンダが実はすごく上手いんですね。ただの短気なおばちゃんじゃなかったのか‥‥。


2017年5月19日~2017年6月18日の期間、GYAO!で無料配信しています。
関連記事
スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment