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2017
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エンド・オブ・キングダム
LONDON HAS FALLEN / 2016年 / イギリス、アメリカ、ブルガリア / 監督:ババク・ナジャフィ / テロ / 99分
テロリストはどんな殺し方をしたっていい! アメリカは正義!
【あらすじ】
大統領がテロリストに襲われました。
【感想】
前作「エンド・オブ・ホワイトハウス」がさらにパワーアップして帰ってきました。前作を観ていなくても楽しめると思います。戦っているだけなので。わかりやすくてよい。
アメリカは、世界でテロを扇動しているアミール・バルカウィに対してドローンによる空爆を行った。民間人をも巻き込んだ空爆だったがバルカウィ殺害に失敗。空爆から2年後、イギリス首相が急逝。各国首脳が弔問のためにロンドンを訪れた際、テロリストから襲撃を受ける。シークレットサービスであるマイク・バニング(ジェラルド・バトラー)は大統領を守りながら逃げ続ける。
ド派手なアクション映画に仕上がっていました。テロリストは全員悪い奴、アメリカは正義というわかりやすい構図。
アメリカ副大統領の役でモーガン・フリーマンが出ている。アメリカのプロパガンダ映画といわれてもしょうがない映画にモーガン・フリーマンが出ていたのが意外だった。出演作をみれば、その俳優がどういう考えを持っているかはなんとなくわかる。スティーブン・セガールやシュワちゃんが出るなら、そりゃそうだと思うのだけど、とてもモーガン・フリーマンが出るような映画には思えないのだ。
だが、映画がすすんでいくうちに納得した部分もある。テロリスト=悪、アメリカ=正義、と単純に描かれているおかげで、勧善懲悪の時代劇のような感覚で観られる。ここまで強引だとプロパガンダにはならず、純粋な娯楽映画として楽しめる。アクション映画としての出来はよく、純粋に楽しめました。
アメリカ大統領(アーロン・エッカート)は、まるでバニングの部下のような‥‥。大統領なのに。逃げている最中の「本当に駄目なやつだな、おまえは」という扱いが面白い。
シークレットサービスのほうが偉そうなのだ。副大統領に対しても、バニングは同僚のような話し方をする。本当にあんなことってあるのだろうか。バニングの態度がでかいだけという説も。
見どころもたくさんございました。ヘリで逃げる場面が良かったですね。フレアも出し尽くしてしまい、僚機が大統領機の盾になって撃墜される。盾になるときも、何もいわずに死んでいく。「家族に愛してると伝えてくれ」とか、いいそうなのに。アメリカ人、そういうの大好きじゃん(偏見)。
何もいわないところに、かえって切なさを感じましたよ。
フレアというのは、赤外線ホーミングミサイルを攪乱するために出されるもの(上の写真)。この写真は映画とは関係ないですが。
カーチェイスやテロリストのアジトへの襲撃も迫力があった。日本の首相が死んでいくところも、見どころ。他の国の首脳に比べて派手な死にっぷり。しかし、SPが一人(運転手)しか付いてないんですよね。うーむ、だいぶ節約しましたね。タクシーみたいだな、と思っているうちに死んだ。
ロンドンが景気よくドッカンドッカンいくので楽しめました。ジェラルド・バトラーが暴れまわり、何も考えずに観られる爽快な映画です。もうちょっと考えたいぞという人には「ドローン・オブ・ウォー」がお薦め。民間人を巻き込む空爆について正当性があるか悩み、おかしくなっていく軍人の話という。こちらは観ると憂鬱になります。
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