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2017

ザ・ウォッチャー

THE WATCHER / 2000年 / アメリカ / 監督:ジョー・チャーバニック / 97分
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連続殺人鬼は、なぜ踊るのか。
【あらすじ】
刑事にかまってほしいので連続殺人する。



【感想】
理想的な連続殺人鬼というと、アンソニー・ホプキンスが演じたレクター博士のように冷酷で頭が切れるというのはもちろんである。だけど、もっとも大切なのが独自の哲学や美学を持っていることではないだろうか。

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キアヌ・リーブスはこの映画で珍しく悪役を演じた。それも冷酷な連続殺人鬼という、今までの代表作「スピード」「マトリックス」で演じた役とはまったく異なるものだった。で、この犯人というのが、哲学や美学という前に、行き当たりばったりな犯行を繰り返すポンコツなのだった。うーん。

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FBI捜査官ジョエル・キャンベル(ジェームズ・スペイダー)は愛する人を連続殺人鬼デヴィッド(キアヌ・リーブス)に殺された過去を持つ。彼は逃げるようにロサンゼルスを離れ、シカゴへと移り住んだ。だが、デヴィッドはジョエルを追ってシカゴへとやってきたのだった。なんで?

デヴィッドがそうまでしてジョエルにつきまとうのか、今一つわからないんですよねえ。もう彼女殺したし、十分じゃない? とりあえず、スーパーかまってちゃんであることは間違いない。かまってほしさに孤独な女を狙って犯行を繰り返すデヴィッド。

踊りが好きで、ターゲットを殺す際は相手と踊ることがある。椅子に縛られた女性相手に「君も踊りたいんだろ」と、わけのわからないことをいうのであった。

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連続殺人鬼の持つ変わった癖ということなのだろう。椅子を持って、右へ左へグルングルンと大移動である。

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迷惑。このデヴィッドの奇行を観ると、恐怖というより「何をやっているんだ、おまえは」ということしかない。

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デヴィッドは踊りも気になるが、犯罪そのものの無計画ぶりも気になる。他の女性を襲ったときは、あらかじめ警察に犯行予告を出している。彼女の写真を送り付け、警察は公開捜査に踏み切る。テレビで彼女の映像が流れるが、なぜか誰も彼女について知らないんですね。普通に写真屋で働いているのだけど。結局、彼女はデヴィッドに殺されてしまうが、これは彼女が見つかって保護されていたらどうなったのだろう。予告が果たせなかったのではと心配になる。しかも、危うく捕まりそうになるし。本当にね、しっかり計画を立ててほしい。

この映画の奇妙なところは、女性を狙った殺人鬼なのだけど犯人は被害者に性的暴行を加えない。女性を狙った殺人鬼が必ず性的暴行を加えるというのは偏見かもしれないが、それでもやはりそういった傾向は多い。デヴィッドは殺すことそのものが目的のようなのだ。だとすると被害者は女性でなくてもいいように思える。

この作品が公開される1年前にはキアヌ・リーブス主演の「マトリックス」が公開され、大ヒットした。それなのに性的暴行などをして、キアヌのいいイメージを崩すわけにはいかなかったのかもしれない。キアヌには爽やか殺人鬼でいてもらわなくては困るという大人の事情があったのか。だが、何もしないとなると殺人鬼としてインパクトが弱い。そこで、殺す前に一踊りするという変な癖に落ち着いたのだろうか。

だとしても「何をやってるんだ、おまえは」という感想しかない。踊ってる場合ではない。真面目に犯罪をやってほしい。どうも殺人鬼として中途半端に思えるのだった。


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