FC2ブログ

旧作映画の感想、ネタバレしてます。
18
2017

女の賭場

1966年 / 日本 / 監督:田中重雄 / 任侠 / 84分
33_20170718104637c30.jpg
江波杏子の美しさでもっている。
【あらすじ】
父親の仇をとるため壺を振る。



【感想】
若尾文子さんがケガをし、江波杏子さんが代役を務めて作品はヒット。ストーリーはともかくとして、江波さんの凛とした美しさ、艶っぽさがたまらない。叱られたい。江波さんは「女の賭場」で人気を博し、女賭博師シリーズは全17本作られることになる。

クリップボード20j

1作目「女の賭場」が1966年、最後の17作目「新女賭博師 壺ぐれ肌」が1971年に作られる。5年という短期間に17本も作られている。だいたい3か月に1本ということになる。今では考えられない無茶なスケジュールに思えるけど、当時では普通なのかな。

沢井アキ(江波杏子)は名人といわれる賭博師・沢井辰造(水原浩一)の娘。美しく才能のある女賭博師として有名だったが、サラリーマンの婚約者と結婚するため賭博師は引退して小料理屋を経営していた。

クリップボード02f

辰造は、借金をした塚田への義理でイカサマを行うが、そのイカサマを立花鉄次(渡辺文雄)に見破られる。辰造はイカサマの責任をとり自決する。

クリップボード06h

辰造は自決する前にアキの店で酒を飲むんですね。そのときの静かな表情がいい。しかし、イカサマをした辰造を、賭場の人間たちが痛めつけずに家へ帰したというのはよくわからない。辰造のプライドから自裁するということを予期していたのだろうか。武士の情けという。

クリップボード08h

こちら、イカサマを見破った立花。この件をきっかけにして親文衆に認められ、のし上がっていく。アキは立花のことは恨んでいない。事情はあったにせよ、イカサマをした父が悪いのだと納得している。潔いんですね。

だが実は塚田にイカサマを命じたのは、この立花だったのだ。立花は組織を拡大し、さらにはアキを手に入れようともくろむ。押しの強い図々しい男で、アキの婚約者のマンションにも押しかけてくる。

クリップボード10h

このときですね、人の家に上がるのに靴を脱いでないんですよ。何度か見返してしまった。強引にアキに迫る立花。なんかクネクネしてターンしたりして。当時、これがかっこよかったのかもしれないが「おまえ、変だぞ」と誰か教えてやればいいのに。太ってんだし。

あと、靴を脱げ、靴を。

クリップボード16h

父がイカサマをしていたことがショックで、ぐれてしまった弟・広志(酒井修、中)。イカサマの相手だった塚田を殺すよう、立花の手下からけしかけられる。このときのアクションがまあノタノタしてる。もっとちゃんとして! といいたくなる。

このもたつき方はわざとなのかなあ。恐怖を感じさせないんですよね。今は過激さやどぎつさが売りになるけれど、はたして残酷であればあるほどいいのかという問題もある。「ここで人が死にました」ということさえわかれば、リアルに表現する必要はないようにも思える。その方が品があるかもしれない。リアルにしようにも技術がなくてやれないのか、あえてやらなかったのか、そこのところがわからないのだった。ノタノタしとった。

クリップボード24h

立花の陰謀に気づき、父の復讐を決意するアキ。辰造の弟子である政吉(川津裕介、左)の協力を得て、立花に勝負を挑む。政吉を演じた川津裕介さんが男前でしたね。アキに好意を持ちつつも、婚約者がいるのも知っているので一歩下がってアキを支え続ける。

アキは胴師として賭場に出る。イカサマをしてないのに仕組んだように見せかけ立花を誘い込む作戦をとるアキ。「一度、イカサマを見破った相手には効く手だと父から聞いたことがあります」というのだけど、うーむ、この話ちょっとおかしいような。

まず、塚田と父・辰造にイカサマをさせたのが立花であり、立花はイカサマを見破ったのではなく知っていたのだ。イカサマを見破ったフリをして辰造を糾弾し、親文衆の信頼を得て組織での地位を上げようとした。アキの作戦は滅茶苦茶である。アキ自身も、立花がイカサマの黒幕であることは知っていたはずなのに。だから復讐を思い立ったのだから。

さらに滅茶苦茶なのは、立花があっさりアキの罠にはまる。「俺の前じゃイカサマは通用しねぇぞ!」と、アキがイカサマを仕掛けたと宣言。いったい君らは何をやっているのだ。アキはイカサマを仕掛けておらず立花は自滅する。

クリップボード22h

ここで興味深かったのは立花の態度。周囲から責任をとって辰造のように死ねと迫られる。開き直って最後に暴れるのがよくある展開だし普通に思えるのだけど、立花は意外なほど潔く死ぬんですね。ここで立花が余計なことを口にせず、引き際の見事さを見せたことで作品がグッと締まったように思える。

この作品には言い訳をせずにじっと堪え忍ぶ古い人間が多い。事情はあったがイカサマの非を認めて死ぬ辰造、父の死を静かに受け入れたアキ、自分の気持ちを押し殺しアキを支える政吉、悪人ながら散り際が見事な立花。振る舞いの潔さを感じる。衣装や建物の古さも昭和を偲ばせます。

クリップボード02a

そしてやはり江波杏子さんの美しさが際立っていました。ファンになりました。


2017年7月3日~2017年7月30日の期間、GYAO!で無料配信中。
関連記事
スポンサーサイト



0 Comments

Leave a comment