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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
06
2017

キャロル

CAROL / 2015年 / イギリス、アメリカ / 監督:トッド・ヘインズ、原作:パトリシア・ハイスミス / 恋愛 / 118分
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ごく普通の恋愛映画として観られる同性愛映画。
【あらすじ】
美しい婦人と店員の恋。



【感想】
映画の原作「キャロル」がパトリシア・ハイスミスによって発表されたのは1952年。当時と現代では女性の同性愛についての考え方はまったく違うものだろう。当時は同性愛がテーマというのは読者に衝撃を与えたかもしれない。現代では同性愛と聞いても、特に何も思うことはない。だからか、二人の女性の恋愛は、異性愛と変わらないごく普通の恋愛映画として楽しめるんですよね。この感覚は新鮮だったし、とてもいいことに思える。

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デパート店員で写真家を目指すテレーズ(ルーニー・マーラ、上)。あれ、映画で観たときこんなきれいだったかなあ。服と髪の色のバランスもいいですね。テレーズにはリチャードという恋人がいたがなかなか結婚に踏み切れずにいる。押されると弱くて、つい流されてしまうところがある。

テレーズの勤めるデパートに、娘のクリスマスプレゼントを買いに訪れたキャロル(ケイト・ブランシェット、下)。愛する娘のために夫と離婚できずにいる。

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ケイト・ブランシェットの顔が好きなんですよねえ。隙の無い狡猾な狐のような表情。挑みかかるような眼差しがまたすてき。

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自分のことをアクセサリー扱いする夫に悩み離婚を考えるキャロル、異性の恋人はいたがキャロルの美しさに惹かれてのめり込んでしまうテレーズ。同性愛だからといって何も特別なことはない。二人の恋は静かな恋愛映画として楽しむことができる。好きになった人がたまたま同性だったんだろうなと素直に納得することができました。

映画の主題として同性愛を取りあげると、かつては偏見や周囲との戦いということがあったわけですが、もうまったくそれを感じさせない。普通の恋愛映画として観られる。この普通さというのが新しさかもしれない。似たようなことを「彼は秘密の女ともだち」を観たときにも感じましたが。

あんまりねえ、恋愛映画を観ても「うまくいってほしい」とか「幸せになってほしい」とか思わないんですよね。それがこの映画は「うまくいけばいいなあ」と思えました。二人が作り出す雰囲気がいいのだろうか。あまりはしゃぐでもなく、耽溺するでもなく、静かに二人の時間を噛みしめるように過ごしている。ささやかな幸せの感じがいいのかな。もっとも、キャロルはかなり裕福だけども。

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テレーズが会いに来た時のキャロルの優しげな表情がね、もうなんでこんな顔できるのだろうか。いいなあ。

当時の街並みだとか、服装などもすてきですね。ノスタルジックな音楽も郷愁を誘う。この映画をごく普通の恋愛映画として楽しめる時代、ある程度は心のままに生きられるようになった現代に喜びを感じました。


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