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2017

Mr.ホームズ 名探偵最後の事件

Mr.Holmes / 2015年 / イギリス、アメリカ / 監督:ビル・コンドン / ドラマ、サスペンス / 104分
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ホームズの最後の敵は老いか孤独か。
【あらすじ】
老いたホームズはボケかかっていました‥‥。ヨヨヨ‥‥。



【感想】
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで賢者ガンダルフ役を務めたイアン・マッケラン主演作品。嬉しや。また元気なおじいちゃんが観られる! と喜んでおりましたが今回のホームズ、ちょっと鬱っぽいのだった‥‥。お、おじいちゃん‥‥。

子供の頃、ホームズが大好きでシリーズは一通り読んだ。でも、時代設定についてよくわかっていなかった。映画の公式サイトを見ると、ホームズの活動時期は1878年から1903年、または1904年初めまでとある。意外と最近なんですね。日本ですと明治時代、日露戦争(1904年)辺りまでです。この作品では引退後のホームズについての描写も多く、原爆投下後の広島も訪れている。

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ホームズは93歳になっており、海辺の家で養蜂をしながらのんびりと余生を送っていた。助手のワトソンもいない現在、ホームズは自身で事件の回顧録を執筆していた。ところが頭が衰え、肝心の事件についてなかなか思い出せない。

かつてあれほどの切れ味を誇った頭脳が、昨日した約束も思い出せないほど衰えている。その苦しみはいかばかりだろうか。凡人が衰えるより更に落差が激しいので、より落ち込むのではないかと勝手にかわいそうになるのだった。ああ‥‥おじいちゃん‥‥。

ホームズは60代と93歳を行ったり来たりするわけだけど、両方老人なんですよね。ただ、しっかりとおじいちゃんの演じ分けをしているのがさすが。93歳のほうはもう棺桶に片足突っ込んでる感がすごい。

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こちら93歳のホームズ。そして、ワトソンのポジションには好奇心あふれる少年ロジャー(マイロ・パーカー、右)が登場。ロジャー、聡明で愛嬌もあって良かったですねえ。ロジャーとのコンビでもう一本撮ってほしいなあ。

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ホームズには往時の推理の切れ味はない。宿敵モリアーティ教授のような狡猾な敵も現れず、解決不可能に思える難解な謎もない。衰えた自分自身の頭と戦っている印象。老いとはそういうことかもしれない。そしてホームズのような優れた知性でも、孤独という淋しさは克服しえないのだ。老後の過ごし方についていろいろ考えさせられますよ。

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真田さんも出番が多かったですね。なんちゃって日本の描写はもうちょっとどうにか‥‥。なぜ毎回、怪しげな日本にしてしまいますか。原爆の描写を入れたのは、反戦メッセージなのかなあ。ちょっと無理に付け足したような気も。

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イギリスがまだ世界の中心だったヴィクトリア朝時代の描写が良かったですね。小物や衣装を見ているだけで楽しめる。ロンドンの描写はそれほど多くないですが。

この映画はホームズの知性の切れ味を堪能するというものではない。謎自体の魅力も残念ながら感じられなかった。そういう意味で異質なホームズ物になっている。助手であり親友だったワトソンと別れ、一人孤独に暮らしてきたホームズが人生の終盤にさしかかり、ようやく終の棲家を見つける。ホームズほどの知性が、人生で何が大切なのか気づかないできたことが意外に思える。だが、間に合わなかったわけではないのだ。遅くなったもののハッピーエンドで終わるのでホッとさせられた。

ホームズといえばドラマ版のジェレミー・ブレットの印象が強いですがイアン・マッケランのホームズも良かったですね。老ホームズとロジャーのやりとりは、ずっと観ていたいと感じました。



映画内で使われたグラスアルモニカ。不思議な音色。




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