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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
13
2017

ベテラン

베테랑 / 2015年 / 韓国 / 監督:リュ・スンワン / サスペンス、コメディ / 123分
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悪役ががんばってるのはいい映画!
【あらすじ】
財閥の御曹司がやりたい放題するので、とっ捕まえたい。



【感想】
財閥の横暴と、正義感溢れる刑事たちの対決を描いた作品。前半かなりコメディ要素が強いので、ちょっと苦手かなと思いましたが後半はシリアスな展開に。社会問題を描いたものは重苦しくなりがちですが娯楽映画として見事に着地させていますね。

韓国はナッツ・リターン事件などで財閥の人間の傍若無人な振る舞いが問題になった。この映画でも派手に暴れておりました。わかりやすい勧善懲悪映画で何も考えずに楽しめる作品。悪人はなるべくド派手な死に方してほしいなあ!

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広域捜査隊のベテラン刑事ソ・ドチョル(ファン・ジョンミン)。ファン・ジョンミン、勢いを感じるなあ。主演した「新しき世界」「国際市場で逢いましょう」どちらも良かったですね。ひょうきんで、ちょっと抜けているように見えてかなりの腕利き。叩き上げのベテランということで「ベテラン」というタイトルなのでしょうが、今一つピンとこなかった。もうちょい、なんかない?

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こちらが「困ったら全部お金で解決だ! わははは!」とやりたい放題の財閥御曹司チョ・テオ(ユ・アイン、左)。いやあ、もう最高でしたよ~。こんな嫌な奴おるー? ってぐらい完全に嫌な奴という。偉い。悪役が輝いてこその勧善懲悪映画である。ユ・アインの振り切った演技には尊敬しかない。

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富裕層のパーティーでは居合わせた女性の顔面に料理を塗りたくったり(ちょっとむかついたので)、ボディガードにタバコの火を押し付けたり、順調な滑り出しである。挨拶代わりにボディーガードの足を折ったり、妊婦の腹を蹴ったり、非道なやつ! ついでに覚醒剤もやっております。

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テオは会社の前で賃金不払いに対するデモをしていた運転手を自室に招き入れる。運転手は子供の前でボコボコに殴られ、殴られ代として小切手を渡される。彼はさらに階段から突き落とされ、意識不明となる。運転手の子供から連絡を受けた刑事ドチョルは事件を調べ出すが、財閥の妨害にあってなかなか真相にたどり着かない。ドチョルの妻にも買収の手が伸び、警察内部から妨害もあり、上司からも圧力がかかってくる。

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財閥の御曹司テオの懐刀として動くのがチェ常務(ユ・ヘジン)。いやあ、いいお顔。武闘派タラコ唇である。裏の仕事はお任せとばかりに、買収から殺人教唆までなんでもやるぞ~。身代わり出頭までこなすという忠誠心の高さよ。この人も輝いてましたねえ。

身代わり出頭のとき、悪い人みんなで昼ご飯を食べるのですが、あの場で毒を盛られて殺されるのかと思った。違ったけど。

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賄賂になびかないドチョルと広域捜査隊の活躍によりテオは逮捕されて、めでたしめでたし。でも、いくら韓国の財閥が滅茶苦茶やるからってここまではないだろうよと思いました。

映画内で賃金未払いについてデモをした運転手が殴られる事件ですが、検索すると実際に似たような事件が起きている。タンクローリー運転手のユさんをSKグループ会長のいとこ崔泰源(チェ・テウォン)が金属バットで10回ほど殴打し、殴り代として2000万ウォン(約150万円)を渡していたという事件があったんですね(中央日報)。

映画では御曹司テオが捕まってハッピーエンドになっている。だが、現実には逮捕されたチェ・テウォンは社会的制裁を受けたという理由で、懲役1年6か月、執行猶予3年の判決が出ている。執行猶予がつくとは驚き。財閥の力に屈した判決が出てしまっている。

韓国映画を観ているとよくある描写なのが賄賂もそうですが、先輩後輩の関係の強さなんですよね。ここが韓国の良さでもあり悪さでもあるのだろうけど。捜査を続けようとする広域捜査隊にいろんな妨害が入る。捜査を継続するよう上司を説得するときも「上司の家の引っ越しを手伝った」とか「あなたの娘に何かをしてあげた」とか、個人的な関係に拠っている。この部分、コメディなのか本気なのか、よくわからないところなんですよね。

御曹司のテオが滅茶苦茶やっているわけで「法律に違反しているので」という当たり前の理由ではなく、個人的関係を持ち出して上司を説得する。法治主義というより人治主義なのかな。韓国で歴代3位の観客動員数を記録する大ヒットとなったのは、財閥への不満が高まっており共感するところが多かったのだろう。

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個性的な広域捜査隊の面々も良かったですね。蹴りが見事なミス・ボン(右から2)、ひょうきんな同僚(オ・ダルス、左から2)。オ・ダルスは「国際市場で逢いましょう」でも、ファン・ジョンミンの相棒でしたね。いいコンビだなあ。

勧善懲悪のサッパリしたいい作品でした。とにかく悪役のテオがねえ、見事なまでのクズっぷりでファンになりました。


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