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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
18
2017

ファイ 悪魔に育てられた少年

화이 : 괴물을 삼킨 아이 / 2013年 / 韓国 / 監督:チャン・ジュナン / サスペンス / 126分
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家族を三度失う少年。
【あらすじ】
誘拐犯に育てられました。



【感想】
立て続けの韓国映画。気のせいか、韓国映画は邦画よりも同じ役者をよく見かける。そんなことない? 誰に訊いてんだかであるが。

暴力に定評のある韓国映画ですが、今回もすばらしい出来でしたね。韓国映画の中ではまだ抑えめの血液量でしたが、そこそこグロくもあるという。ほどよい血液量でした。あんまり血が多いのは苦手。

幼い頃に誘拐され、誘拐犯たちから犯罪、格闘、射撃術を仕込まれたファイ(ヨ・ジング)。17歳になったファイは自身の生い立ちのことを忘れ、誘拐犯たちと仲良く暮らしていたが、ある事件を境に過去を知ることになる。

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本当にねえ、お話がよくできていますよ。誘拐された後、身代金の受け渡しに失敗するが、殺されずに育てられるという突拍子もない設定ではあるけど、そこからの展開が良い。ファイが格闘術に長けている理由も無理なく納得できるし、誘拐犯と袂を分かつ感情も理解できるのだ。無理な対立をでっち上げるのではなく、ファイの反乱を自然と応援できる巧みな脚本になっている。

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誘拐グループ白昼鬼のリーダーであり、いろいろ屈折した面倒臭いおじさんソクテ(キム・ユンソク)。この人、毎回存在感あるなあ。他の映画でもそうだったけど、どんだけ撃たれても刺されてもなかなか死にませんね。普通の人なら5、6回は死ぬぐらいやられてる。普段は物静かでなんとも言えない不気味さがある。淋しさと凶暴さが同居したような人ですよ。こわー。

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誘拐グループ白昼鬼の面々がねえ、本当に全員キャラが立っている。一人も無駄がないですよ。みんな血も涙もない人間ではあるが、ファイとの信頼関係は強い。ファイは全員を父として育っており、それぞれ狙撃、格闘、ナイフ、鍵開け、運転、音楽などの特技をファイに教え込む。

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ファイは戸籍もなく学校にも通っていない。偶然出会った女子高生に仄かな恋心を抱く。普通、自分だけ学校に行ってなかったら屈折しそうなものですが、ファイにそういった屈折や劣等感は感じない。そこには焦点を当てなかったのだろうなあ。なにせいろいろ忙しい作品なのだ。

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誘拐犯たちと信頼関係を築けている描写が良かったですね。この運転手の人(左)はいい人だったなあ。誘拐犯ですけど。

病院での格闘場面、地上げ屋グループと誘拐犯たちの格闘、カーチェイスなどの見事さはさすが。ファイの苦悩もよく表現されていて、ストーリーがいいですね。「デスノート」や「カイジ」などが好きな人は好きそうな感じ。

ファイは三度、家族を失う。一度目は誘拐されて、二度目は家族と思って育った誘拐犯たちを敵にまわし、そしてようやっと再会できたと思った両親をまたしても失うことになる。無理はあるが破綻しそうでしない、よく練られた脚本に思えます。ファイに格闘術を仕込んだ誘拐犯たちが、ファイによってやられていくというのはなかなか面白い展開ですねえ。こういうの好き。父を超えていく感じがある。


【観た人用】
屈折に屈折を重ねたリーダー、ソクテですが彼はファイの実の父親なんですね。施設にいたときにファイの母親をレイプしている。なぜ冷酷なソクテが誘拐した幼いファイを殺さなかったかというと実の子だからなのでしょう。

ユンソクはファイの父親をファイに殺させることで、自分が本当の父親になれると思ったのかもしれない。だから、あの切羽詰まった状況でファイに撃たせたのだろうか。あまりにも屈折しすぎて、もうよくわからんけども。最後、ユンソクはファイに銃口を向けるがあえて撃たなかったようにも見える。

ファイが描いたスケッチブックのエンドロールも良かったですね。足の親指を切り落とされた女性(ファイの姉のような存在)の親指は、スケッチブックには描かれている。白昼鬼のメンバーとファイはカブトムシに乗って楽し気に空を飛んでいる。あれがファイの理想の世界だったのだろう。ファイの優しさをうかがわせるいい終わり方だった。


展開が早く、グイグイと話の面白さに引っ張られていく面白い映画でした。そこそこ血が出ますので苦手な方はご注意ください。アクションも充実しており、正統派の娯楽作品だと思います。ハッピーエンドと言えるかどうか難しいですが、お薦めです。



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