FC2ブログ

旧作映画の感想、ネタバレしてます。
12
2017

ザ・ウォーク

THE WALK / 2015年 / アメリカ / 監督:ロバート・ゼメキス / 実在の人物を基にした映画 / 123分
33L__201711130702428b9.jpg
僕の夢のために、みんながんばってくれ!
【あらすじ】
貿易センタービルで綱渡りがしたい。



【感想】
2008年に公開されたフランスの大道芸人フィリップ・プティのドキュメンタリー映画「マン・オン・ワイヤー」が基になった作品。

1974年、当時世界一の高さを誇った世界貿易センタービル(高さ411メートル、地上110階)。フィリップ・プティは、この二棟の巨大な直方体の間にワイヤーを張り、綱渡りをしようと考えていた。迷惑な人。

監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「コンタクト」「フォレスト・ガンプ」のロバート・ゼメキス。この人が撮るとなんでも面白くなりますねえ。大きくこけることがなくて平均点として高いところを出してくる印象。スポンサーから見て安心できる監督のような気がする。知らんけど。

h_AL_.jpg

無鉄砲な大道芸人フィリップ(右)を演じたのがジョセフ・ゴードン=レヴィット(JGL)。大作にも多く出ていますが、癖のある一風変わった作品に出る印象がある。「50/50 フィフティ・フィフティ」「プレミアム・ラッシュ」「(500)日のサマー」「メタルヘッド」とか、どれも記憶に残るんですよね。粗削りでも、どこか突き抜けた脚本を探す鼻を持っているのかな。本当にねえ、偉そうなこと言ってますけども。恥ずかしいわ。

dhAL_.jpg

フィリップはとにかく自己中心的で自分を曲げない。冒頭の一輪車の大道芸の場面では、地面に白墨で円を描く。観客にはその円から絶対に入らないでくれと言う。ルールを守らない客の足を、平気で一輪車で踏んでいくんですね。自分の決めたルールが絶対であることを示すいいエピソードに見える。やっていいかどうかは別として。

dAL__20171113070248c40.jpg

今は同時多発テロで崩れてしまった世界貿易センタービル。建築中に忍び込んで、綱渡りのための準備を重ねていく。銀行強盗の映画を観るようなワクワク感がある。綱渡りそのものも命がけで大変なのだろうけど、これは準備にかなりの時間が掛かっており、どうやって最上階まで行ってワイヤーを張るかという工夫が楽しい。

cAL__2017111307024950e.jpg

ただ、これ一応実話なわけで、やってることは違法になる。フィリップの溢れるカリスマ性と熱意で勧誘した仲間たちは、彼への協力は惜しまない。だけど、下手すれば全員刑務所に行くことになるのだ。仲間の中には刑務所行きに脅えて、途中で逃げ出す人もいる。そりゃそうだよ。

eL__20171113070245866.jpg

フィリップのすごいところは、自分の夢のためなら平気で自分や仲間の人生を犠牲にできるところ。自分は当たり前だけど、仲間まで刑務所に行くのはちょっと‥‥と、普通ならためらうところではないか。フィリップはまったく躊躇しないんですね。すごい! 畜生! 人の心を持ってないのかもしれん。優れた芸術家が倫理的である必要はまったくないとはいえ、うーん、ひどい人ですよ。でも、そうでなければできないこともある。

ただ、ちょっと気になったのは実行日の朝に屋上に上ってきたスーツ姿の男。フィリップは彼が通報する素振りを見せたら、どうしたのだろう。幸いにも見逃してくれたけど。フィリップは握りしめていた鉄パイプを彼に振り下ろしたのだろうか。芸術の実現のためであれば、暴力や殺人さえも許されるのだろうか。ちょっと考えるところである。

z_AL_.jpg

夜明けの綱渡りは神々しさすら感じる。美しい画。高所恐怖症の人は落ち着かない気分になるんじゃないかなあ。画面越しですら怖さを感じるほどよくできてました。

L__20171113070243650.jpg

なぜそこで寝ますかという。玉がヒュンとなるわ。

フィリップの自分勝手さというのは恐ろしいが、それでも魅力的。JGLはフィリップ本人に綱渡りを教わり、8日目で手放しで渡れるようになったという。綱渡りというのは何も持たない方が簡単に見えて、棒を持っている方が安定するんですね。不思議。気軽に観られる爽快感のある映画でした。


関連記事
スポンサーサイト



0 Comments

Leave a comment