FC2ブログ

旧作映画の感想、ネタバレしてます。
13
2017

シン・ゴジラ

2016年 / 日本 / 総監督:庵野秀明、監督・特技監督:樋口真嗣 / 怪獣 / 120分
eAL__20171113113817af4.jpg
かわいくない。
【あらすじ】
ゴジラが暴れるのでなんとかしたい。



【感想】
子供の頃、親にゴジラ映画を観に連れて行ってもらった。ゴジラを倒した自衛隊の兵器、スーパーXというUFOの親戚みたいなのに憧れた。紙によく書いていたのです。パンフレットにはスーパーXがどんな兵器を搭載しているか、詳細な図が載っていてそれにみょうにときめいたのだ。

e1.jpg

あんまり子供が好きになりそうもない渋いデザインですね。カブトガニっぽい。なぜ、私の心を捉えて離さなかったのかよくわからんけど。「シン・ゴジラ」では、ゴジラ対人間という直接的対立は感じなかった。たしかにゴジラは暴れてはいるのだけど、人を害しようという明確な敵意ではなく、ただゴジラが移動して被害が発生しているように見える。

ゴジラはコントロールを失った原発や自然災害の象徴、より具体的には東日本大震災の被害として描かれているように感じた。日本に住むからには常に付き合って行かねばならない「ゴジラ」に対して、人はどのような立場をとるべきか、そう問いかけているようにみえた。もう、大事なこと全部言っちゃった感じですけど。従来のゴジラ作品とちょっと違った立ち位置なのかな。ゴジラ、ほとんど観てないからよくわからないんだけど。

「シン・ゴジラ」の「シン」てなんだろう。今までの旧ゴジラに対しての新ゴジラなのか。英語の「sin」(罪)なのかなあ。人は生きていくために他の生き物を殺しもするし、電気を得るために自然破壊もしてしまう。人が犯さざるを得ない罪が集約して誕生したのがシン・ゴジラなのだろうか。庵野監督、そういうの好きそう。

クリップボード06t

直情径行型の理想主義者、内閣官房副長官、矢口蘭堂(長谷川博己)。なかなか熱い主人公なのです。ヤシオリ作戦の隊員に向けてのスピーチは特に熱かったですね。かっこよかったよお。巨大不明生物特設災害対策本部、通称巨災対の事務局長を兼任。

クリップボード10e

やたら役職が長かったり、早口で専門用語を捲し立てるところに中二心をくすぐるものがある。早口で専門用語を言っているのは、頭のいい人たちが必死にがんばっていることを表したいのだなと思って、あんまし聞いてなかった。それなりの設定はあるにせよ、一種の記号である。

でも、ゴジラが活動するためのエネルギー源だとか、上陸したら自重で潰れるのではないかという設定の細さは今ままであまり考えられてこなかった部分ですよね。こういうのは嬉しいところ。ゴジラが人間の8倍の遺伝子情報を持っており、姿を変化させていくというのも面白かった。

q1_.jpg

第二形態はちょっとマヌケでかわいいのだ。モコモコしてそう。姿を変えるとどんどん凶悪な見た目になってしまうのです‥‥。

クリップボード02e3

一斉射撃の部分。「エヴァンゲリオン」でもしばしば見たように思う。庵野監督っぽい。整列した兵器の美しさ、打ち込まれる砲弾が見せる光の輝き、ゴジラの背中から放たれる光線。美しいし楽しいのだけど、同時にエヴァっぽいとも思ってしまった。自分が確立した手法を用いるのだから何も問題ないはずなのだけど、あまりに特徴的すぎるようにも思う。ヤシオリ作戦の際には、エヴァの音楽をそのまま使用していて驚いた。ヤシオリ作戦という名もエヴァのヤシマ作戦をイメージさせる。なんでもありで、いっそ清々しい。

クリップボード08t

会議の場面が印象的だった。やたらに大人数。有事の際に該当する法律がないとか、担当が曖昧だと動けないとか、お役所あるある的な話で「踊る大捜査線」のような雰囲気。東日本大震災後の日本政府の対応をパロディにしたのかな。ただ、政治家や官僚についての描き方は概ね好意的に感じた。余貴美子さん演じる防衛大臣が凛々しかった。

ゴジラに対して、米国から核使用による終結を求められる日本政府。だが、政府は矢口蘭堂が提案するゴジラ凍結のヤシオリ作戦を採用。日本は戦後、一貫して対米従属的な方針を貫いてきたし、それで利益も得てきた。ここ最近はアメリカにかつての力はなくなっているし、アメリカが提唱する正義も怪しい。ここらで一度、盲従的とも言える対米従属方針を見直してもいいんじゃないの? と赤坂秀樹(竹野内豊)は首相に提言する。なかなかメッセージ性が強い。

この場面、アメリカの人はどう観たのかなあ。

クリップボード12r

四十代で米国大統領を目指す野心家、米国大統領特使カヨコ・アン・パタースン。だが、どう見ても石原さとみなのだった。クォーターという設定なのかな。英語と日本語のバイリンガルだが、ちょくちょく日本語の間に英語が挟み込まれ、美人のルー大柴という感じが抜けなかった。ゴッズィーラと発音するのは、ちょっと笑ってしまった。

石原さとみさんのようにバラエティ番組によく出る人だと、どうしてもそのイメージで見てしまう。観る側の問題かもしれない。石原さんはこの難しい役をうまく演じていたと思うけど。あと、以前に石原さんが英会話教室イーオンのCMに出ていたことがあった。だから、どんなにうまく演じても「おまえの英語、イーオンじゃんかあ!」と思ってしまうのだ。申し訳ない。さとみがイーオンで学んだルー語をはりきって喋ってると、最後まで思っていた。

でも、ルー大柴があれだけかわいくなったと考えると許せるような気がしませんか(謎の問いかけ)。

クリップボード04e

四十代で米国大統領になりたい、そのときおまえは日本の総理になっていろと熱い夢を語るさとみであったが、やはりバラエティの印象が強いから、なんだか少し気恥ずかしい。それに、おまえの英語イーオンじゃん? まだ言うか、それ。

クリップボード14e

今回のゴジラ、けっこう顔が怖いんですよね。以前のゴジラにはどこかかわいさとか、目にかすかな愛敬を感じていたのだけども。

東京が火の海になったり、ゴジラの暴れっぷりが思った以上に派手で良かったですね。ヤシオリ作戦は成功したものの、東京には凍結したゴジラが残されたわけで今後どうなるんだろ? 観光名所かなあ。お台場のガンダム的な感じの。

問題が完全に片付かず、共存せざるを得ないというところに今回のゴジラ映画のテーマがあるのかもしれません。あまり大規模な特撮は作られなくなってますが、もっとこういうの撮ってほしいなあ。楽しめました。


関連記事
スポンサーサイト



0 Comments

Leave a comment