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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
06
2017

エクス・マキナ

EX MACHINA / 2014年 / イギリス / 監督:アレックス・ガーランド / SF / 108分
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人工知能は人に恋をするか。
【あらすじ】
社長に呼び出されて、人工知能をテストする。



【感想】
最近流行のAIものです。今、旬の恐怖なんでしょうねえ。獰猛な巨大生物も出尽くした感があり、未確認生物もいそうにない。宇宙人も来てくれなさそうだし、神も悪魔も幽霊も説得力を失っている。ゾンビもちょっと飽きた。そうなるとやっぱり怖いのはAIじゃんかあ! 我々人類を滅ぼす希望の星はAIなのだよ! そうに決まってる。

少し前に、AIを搭載したOSに恋をする「her / 世界で一つの彼女」という作品がありました。あちらも面白かった。ちょっと似ているかも。

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検索エンジン最大手のブルーブック社に勤めるエンジニア、ケイレブ(ドーナル・グリーソン)。ただならぬ童貞臭を感じる。社内抽選で当選し、憧れの社長宅に招待されて大喜び。

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山奥にある巨大な研究所が社長宅なのですが、あまりの広大さ、豪華さにビビるケイレブ。場違いなところに来てしまった‥‥と、ちょっと不安にかられたり。

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「おまえ、ビビってるな」と社長のネイサン(オスカー・アイザック、右)から指摘され、さらにビビるケイレブであった。なんで余計ビビるようなことを言いますか。オスカー・アイザックは「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」でも社長役をやってましたね。悪い社長ならばおまかせである。アメリカン・ドリーマーもすごくいい映画でしたのでお薦め。

社内抽選によってケイレブが選ばれたというのは嘘で、極秘に開発していたAIのテストのためにケイレブは呼ばれたのだ。

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ネイサンはケイレブにエヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)のテストを要求。エヴァはAIなのですが、体のラインなどがみょうに色っぽかったりする。なにその目線。か、かわいいかも‥‥。

体が透けているエヴァのデザインが面白い。新しいのか古いのか、よくわからない。研究所も最新なのだろうけど、どこか古臭い感じがする。20世紀の人間が考えた未来っぽくて、無機質なのに懐かしさがあるというか。

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AIと息の合った踊りを披露する社長。なにやってんだ、おまえは。

AIが心を持つという意味がよくわからなくて、どうしてもそこの部分で引っかかってしまうのだ。

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「おはよう」という人間の問い掛けに対して、AIは「おはよう」と答えることができる。もっと複雑な質問にも、こう来たらこう返すという型を学習して、人間と遜色のない返答ができるようになったとする。チューリングテストにも合格し、人間と区別がつかないAIが出来上がったとする。たとえ人間から見て区別がつかなかったとしても、やはりそれは人そっくりのAIでしかなく、彼らは規則に従って返答しているだけで感情や心はないように思えるのだ。

人間から見てAIと人間の区別がつかなければ、人間と同じように扱うべきなのかな。私たちは自分以外の他人がAIかどうか確認する術を持っていない。AIである可能性だってゼロとは言えない。そう考えると、まったく人間と遜色ないならば人権が発生してもおかしくない。

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この映画のAIは感情を持っている。エヴァは研究所から逃げ出すことを画策する。どうして研究所から逃げるという思考が発生するのかはよくわからない。ネットワークに接続できるのであれば、エヴァは一応は外の世界を知っていることになる。それでもやはりこの目で世界を見たいと考えるのだろうか。それこそ「人間らしい」思考ではあるけれど。

エヴァはケイレブを誘惑し、研究所から脱出するための協力者に仕立て上げる。エヴァが言うことが正しいのか、ネイサンが言うことが正しいのか、ケイレブは悩むわけです。だんだんおかしくなってくるケイレブは観ていて怖くなる。

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将棋用のAIは相手の王を取ることを目的にデザインされている。人間らしいAIを作るには「人間らしさ」がなんなのか定義できなければ作れない。結局のところ、心があるということなのだろうか。心があるということはどういうことなのか。

ケイレブはエヴァに惹かれて恋をしてしまう。人が人工知能に恋をすることはできると思うが、逆は有り得るのだろうか。人工知能と人との間には子供が作れないわけだから、恋をする意味(という言い方も変だけど)はない。だから本当は恋など成立しないわけだけど、意味がないところに意味を見出すのも人であるから、ここで恋が成立したならばそれは本当の恋愛になるかもしれない。

AIの映画を観ていると気分が悪くなることがある。何がわからないのかすらわからない。手に負えない感じがある。問題を把握できてないことによる居心地の悪さかもしれないけど。

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こちらは東洋人ぽいデザインのキョウコというAI。怖いよー。いやらしいこともできます。結局、そこにいっちゃうのかなー。最新の技術を使ってそこに行っちゃうかー、という。やはり性欲が技術を進歩させるのだろうか。

株取引や競馬の予想などにAIが使われたり、迷惑メールのフィルタリングなどにも効果を上げている。自動運転もAIなしでは成り立たない。やがて政策判断など重要な局面もAIの意見を取り入れることが出てくるかもしれない。だが、その判断が人間に理解不能で受け入れがたいものであったとき、私たちはエクス・マキナ(機械仕掛けの神)の判断に従うのだろうか。そう考えるとモヤモヤします。雰囲気がすてきですし、エヴァのデザインも美しい。社長はいい感じに狂っている。お薦めです。


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