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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
10
2017

ディス/コネクト

DISCONNECT / 2012年 / アメリカ / 監督:ヘンリー・アレックス・ルビン / ドラマ / 115分
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一番大事なのは人との繋がり‥‥、と言われればそうなんだけどー。
【あらすじ】
ネットのいじめで自殺した。



【感想】
SNSでの誹謗中傷、リベンジポルノ、ネット売春など、ネット絡みの事件は多い。この映画でもそういった問題が取り上げられている。ネット絡みの事件に巻き込まれた人々の群像劇。丁寧に作られていて共感しやすかったです。

これ、5年前の作品なんですよね。そこまで古い作品ではないのに、かなり古く感じた。ネットの世界が日進月歩のせいかな。今年起きた神奈川県座間市で9人が殺害された事件は、犯人は被害者をSNSで探している。こちらの衝撃のほうがかなり大きい。現実のほうが映画を易々と上回っていて、とても追いつけないところまで行っている。

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友人がおらず、SNSで自分の音楽を褒めてくれた女性に、裸の画像を送ってしまった男子学生。彼は自分の恥ずかしい画像をばらまかれ、のちに自殺を図ってしまう。

他にも、動画配信サイトで、自分の自慰行為などを見せて生活費を稼ぐ男。チャットで個人情報を抜き取られ、クレジットカードを使われてしまった女性なども描かれる。ネットの不気味さ、恐ろしさを感じる。彼らは周囲と人間関係がうまくいっておらず、ネットに繋がりを求めたがゆえにトラブルに巻き込まれたように思える。

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最後は「大事なものはあなたの周りにある。周りの人ときちんと関係を築きなさい」というメッセージを残して映画は終わる。いいんですけども、ちょっとね、説教臭さも感じさせる。

この映画に出てくる人は、上手く言えないのだけど安全な感じしかしないんですよね。育ちが良すぎるというか。男子学生が自殺を図るきっかけとなったいたずらをした少年は、ずっと良心の呵責を感じ続けている。クレジットカードで預金をだまし取られた夫婦もそうだけど、ギリギリのところで踏みとどまっている。

いくらでも陰惨な復讐劇にすることはできたはずだが、あえて血なまぐさい終わり方にはしていない。そこに監督の品の良さを感じるが、同時にちょっと退屈さも感じた。出てくる人物が正しくて品行方正な印象なのだ。中学生日記にでも出てきそうな感じというか。もうちょっとねえ、コイツはヤバい! という物件が欲しかった。とりあえず、全身にタトゥーを入れるところから始めてほしい。最終的には眼球なんかに入れてもらえるとありがたい。

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この右の人は家出少年たちを集めて住まわせ、猥褻な動画を配信させることで上がりをかすめ取っている。この人なんかねえ、もうちょっと悪くなれたと思うんですよ。やればできると思うんです。うーん。最後にちょっと人を殴るぐらいなんだよなあ。

下衆とか残虐とか、そういう方向にまったく行かない。きちんと問題意識を持った映画になっているのだった。悲しい。変な所に不満を持ってしまった。

で、一つ気になったのは、クレジットカード情報を盗んだと勘違いされた男である。彼にはそれほどの過失はないんですよね。パソコンを踏み台にされたというセキュリティの甘さはあるけれど。思えばこれが一番怖いかもしれない。自分は何もやっていなくても、犯人と勘違いされて脅されるという。場合によっては、殺された可能性だってあったのだ。日本でも2012年にパソコン遠隔操作事件という誤認逮捕事件がありましたね。本当にねえ、現実のほうが映画よりもずっと先へ行ってしまった。

ネットをテーマにした映画を作ると、かなり作品の寿命が短くなってしまうかもしれない。技術は日々新しくなり、犯罪もそれに伴って発生する。この作品も発表当時は新しかったかもしれないが、2017年現在では目新しさはない。



日本版のジャケット。ネットそのものが悪とか、ネットで誰かと繋がりたいという気持ちを責めているようにも見える。でも、この作品はそういうことでもないように思う。ようはネットを正しく倫理的に使っていきましょうという。人が誰かと繋がりたいというのは、いたって自然なことに思えるのだ。

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