FC2ブログ

旧作映画の感想、ネタバレしてます。
25
2017

マイ・インターン

THE INTERN / 2015年 / アメリカ / 監督:ナンシー・マイヤーズ / コメディ / 121分
wAL_.jpg
忙しすぎの公私混同社長。
【あらすじ】
おじいちゃんインターンを雇ってみることにした。



【感想】
問題だらけのやり手女社長が、おじいちゃんインターンに助けてもらう話。おじいちゃんと書いたが、前期高齢者(65歳から74歳)はまだおじいちゃんとは呼べない気がする。二人の間に徐々に信頼関係が芽生えていく様子がいい。それにしても、デ・ニーロが完璧すぎるぞ。

若い頃はギラついた役ばかりやっていたデ・ニーロも、ここまで穏やかになったとは。お洒落にスーツを着こなし、誰かの涙を拭くためにハンカチは常に携帯している。にこやかで忍耐強く、判断力に富み、若者の相談には快く乗ってやる。なにより人を殺さないのが偉い。それが大事!

でも、こんな完璧なお年寄りおるー? スーパーで店員の態度がなってないと、突然切れだしてイチャモンつけてこその年寄りじゃんかあ! 普段どんな年寄りと接してんだという話ですけど。

aaL__20171224233250c4c.jpg

電話帳会社の仕事を引退し、趣味に運動に悠々自適の毎日を送るベン(ロバート・デ・ニーロ)。幸せな毎日のはずがどこか満たされない想いも抱えていた。ある日、街で見かけた求人広告に応募することを決める。実際、元気な七十歳ってまだまだ働けるんですよねえ。

xL__2017122423325224a.jpg

ジュールズ(アン・ハサウェイ)は若くしてアパレルサイトを起ち上げ、会社を急成長させた。夫は彼女の仕事を支えるために仕事を辞め、主夫に専念。会社も家庭も全力でがんばるジュールズだが、仕事に忙殺されて余裕のない毎日。会社も急激に規模を拡大したため、業務は混乱を来している。

会社のCSR(企業の社会的責任)をアピールするため、シニアのインターンを採用。気は進まないが、ベンを自分のアシスタントとして使うことになる。

xxxL__201712242332533e1.jpg

コメディだから、あまりこだわっても仕方ないのかもしれないが社長であるジュールズの仕事の仕方がちょっと気になる。打ち合わせに毎度のごとく一時間も遅刻してきたり、部下の経歴はおろか名前すら憶えていない。机の上は物が山積み。ある部下は業務量が多すぎてパンクしているが、暇そうな部下もゴロゴロしている。彼女はこの状況を変えるためにCEOを雇おうとするのだけど、CEOどうこうではなく、仕事のやり方の問題に思えるのだ。

単に忙しすぎるわけで、自分の仕事を半分にして部下にもっと仕事を振っていけばいいし、社内の交通整理をしたほうがいい。それと私用を社員に頼みすぎる。公私混同なのだ。

eAL__20171224233244768.jpg

自分が親に誤送信したメールを消すために、実家の親のパソコンを盗ませに部下4人を送り込む。君ら、暇すぎやしないか。でも楽しそうだからいいか。

ベンはパソコンの電源の入れ方もわかってないが、IT企業で同僚の若者たちから信頼を獲得していく。これも説得力を欠いているように思う。仕事よりも私生活の相談にばかり乗っているように見える。

xAL__20171224233247498.jpg

この映画は働く女性をターゲットにしたものなのかもしれない。ジュールズは結婚して優しい夫とかわいい子どもに囲まれている。給料も十分にもらってるし、きれいな家に住み、お洒落もして、最新の機器を使いこなしてバリバリ働いている。外から見るとどこにも不幸の要素がなく、キャリアウーマンの理想形に見える。だが、彼女はそれでも満たされていない。幸せの基準が滅茶苦茶に上がっているように感じる。ご飯食べられたら、ええんやないの‥‥。

ジュールズは最新の技術を必要とする分野で成功を収めているが、同時に技術によって振り回されていて家族との時間を取ることができない。どこにいたって仕事ができる便利さも、365日仕事をしなければならないとしたら仕事の奴隷でしかない。技術は不幸を予防することはできても幸せを約束するものではない。この映画は現代的テーマを扱っているように見えて、問題そのものは普遍的なものですよね。

もっとのんびりすればいいのに、そう思うが、そうできない気持ちもわかる。あれもこれも面白そう、全部やりたい! っていろんな方向に引っ張られるんですよ。楽しい物、お洒落な物、美味しそうな物、面白い物に満ち満ちた世界に生活している。追っかけないとすぐ追いていかれる。そういう気持ちもわかる。豊かさに溺れているのかもしれない。

zzL_.jpg

そして、もう一つのターゲットと思われる七十代の人々。彼らは十分に働けるのに、仕事の場からは弾きだされている。まだまだやれるんだと思っているだろうし、本当にやれると思います。実際、周りで活躍している人々もいる。だけど、流れの早いITなどはちょっと難しいように思うのだけど。リアリティはともかくとして共感を得やすい作品に仕上がっている。

 ただ、ジュールズは結局のところ自分の都合によってCEOを雇わない決断をする。そもそも、会社にとって最良の選択とは何かではなく最後まで個人の話としてしか問題を捉えていない。観客からすれば「もう、デ・ニーロがCEOでええやんけ」と思うのではないか。悪いこと言わないから、デ・ニーロにしときなさいって。いざとなったらマシンガン乱射して問題を解決するし。デ・ニーロはそれができる男。

デ・ニーロはこれ以上ないぐらいの紳士でかっこいいし、軽いコメディとして楽しめました。出てくる人たちがみんな素直で優しいのは、観ていて気持ちが良かったです。

ちょっと引っかかるところもあって、邦題は「マイ・インターン」なのだ。ジュールズから見たタイトルだろうけど、その「マイ」という意識の部分に問題が集約されているように思う。「マイ」ではなく「アワー」であれば、ジュールズはより幸せになれるように思えた。

関連記事
スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment