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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
20
2018

インシディアス

INSIDIOUS / 2010年 / アメリカ、カナダ、イギリス / 監督:ジェームズ・ワン / ホラー / 103分
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品の良い怖さとは。
【あらすじ】
新居で息子が意識不明。



【感想】
ソリッドシチュエーションホラーの名作「ソウ」のジェームズ・ワン監督、脚本のリー・ワネルが再びタッグを組み、さらに「パラノーマル・アクティビティ」のオーレン・ペリが製作を担当。

怪奇現象が起こる新居、憑りつかれた子供、科学では解決できない怪奇現象に対応するため霊能者や神父が登場する。これらは多くのホラー映画で描かれてきた見慣れたものかもしれない。丁寧に定石をなぞりつつ、安心して観られるホラー。ホラーで安心てどうなの? という話ですけど。そこそこ怖いのではないでしょうか。

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妻ルネを演じたローズ・バーン(左)は「28週後...」「サンシャイン2057」「ノウイング」「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」「X-MEN:アポカリプス」など着実にキャリアを積み上げている。夫ジョシュを演じたパトリック・ウィルソン(右)も「ウォッチメン」「パッセンジャーズ」「ヤング≒アダルト」「ザ・レッジ 12時の死刑台」「プロメテウス」などの有名作品に出ている。

ここに挙げた作品は全部観ているものの、この二人をまったく憶えていない。私の頭がまずいのかなあ。今回で憶えたぞ。

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新居で幸せな生活を送るはずだった一家。だが、この家は何かがおかしい。いつの間にか物が移動されていたり、屋根裏などから音が聞こえるなど怪奇現象が起きていた。ある日、長男のダルトン(左)は屋根裏部屋で梯子から転落して昏睡状態に。だが、ダルトンの体に異常はなく昏睡の原因は不明。この新居が呪われていると言う妻ルネの言葉を受け入れ、夫ジョシュは別の家に引っ越すことを決める。

小さな点ですがここが他のホラーとちょっと変わってますよね。あ、越すんだ、という。夫婦のどちらかが心霊肯定派、片方が否定派にわかれてケンカになると思うのだけど、ケンカしないんですよねえ。新しいパターンかも。

しかしなあ、ケンカしてなんぼじゃんかあ! という想いもあります。人が揉めるのは楽しいのだから。

ところが、引っ越し先でも怪奇現象は収まらない。二人は霊能力者エリーズ(リン・シェイ、右)に原因究明を依頼する。

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エリーズとその助手(左)。助手たちがまた怪しい道具を持ってくるんですよ。この胡散臭さがいいですね。

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エリーズがこのガスマスクのようなものをつけて霊とコンタクトするのだ。仕組みについては聞くな!

長男のダルトンは幽体離脱の能力があり、そこでフラフラしているうちに霊界に迷い込んでしまったという。そこには悪魔がいてダルトンが監禁されてるのかな。よくわからんけども。実は父親であるジョシュにも幼い頃にこの能力があった(母親、談)という。半信半疑であったジョシュだが、息子を助けに行くには自分しかないと、エリーズに催眠をかけられて幽体離脱を敢行。

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ここがねえ、面白かったです。ジョシュはあまりエリーズを信じてなくて、もうバカバカしいからこんなことをやめようとソファから立ち上がるのだ。

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ちょっと暗いですけども、左が立ち上がったジョシュの後姿。

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で、くるっと振り返ったら自分が寝ているという。もう離脱していたんですね。ここがね、少しゾッとさせられました。ジェームズ・ワン監督というと「ソウ」でみせた残酷な描写に定評がある。でも、この映画って残酷な場面がまったく出てこないんですよね。それがいい。監督のインタビュー(NewsWalker)を読むと、次のような言葉があった。

「『ソウ』の後、誰もが僕を流血や暴力を描く監督として分類したがったんだ。実際には最初の『ソウ』しか監督していないし、『ソウ』は他のホラーやアクション映画と比べてもそれほど流血シーンはない。もっと心理的な作品だった。だから『インシディアス』で、監督としてとても重要だったのは、僕がドラマ、ストーリーやキャラクターに気を配っていて、流血や暴力は避けていることを示すことだったんだ。

怖さを表現するのに、直接的に表現するというのは実は下品なことなのかもしれない。ただ、怖がらせたいなら、死体を映したり、人体を切断したり、内臓を映せば、それは確かに怖いだろう。だけど、怖くはあってもちょっと違うようにも思うんですよね。

誰かをくすぐって無理やり笑わせたとして「今、笑いましたよね。面白かったでしょ?」ということにはならなくて、直接的に残虐な描写を見せることはくすぐって笑わせるのと同じことに思える。人間が持つ心の闇を表現するような怖さのほうが、やはり興味深い。これは好みがあるし、なんとも言えないところだけど。「ソウ」の監督だから、残酷な描写を観たくてこの映画を観た人もいるだろう。その人たちは物足りなく感じたかもしれない。

それと、この映画には突如大きな音を出して怖がらせる場面がある。そういったやり方は、やはりあまり品が良くない直接的な手法に思える。だけど、怖がるのにはたして品が必要かということもある。怖けりゃいいじゃんという考え方だってあるわけだし。ただ、私にはやめてほしい。ビックリする。

で、霊界の場面が驚いた。ドラキュラにも見えるような謎の男。

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こいつが襲い掛かってきてピンチになるジョシュ。

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もがくジョシュに語りかけるエリーズ。役に立つのか、このアドバイス。

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暗くてすみません。ジョシュ(右)は、この男をドーンって突き飛ばすんですね。霊って押せるのか。

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ピューっと飛んでいく霊。よ、よわー。死んだ‥‥。霊は死ぬのか‥‥。

この場面もそうですが、ホラーなのにちょっと笑える場面があるんですよね。霊がラジオの局を勝手に変えて、曲に合わせて踊っていたり。霊たちだって楽しみたいのかもしれない。そういう視点はあまり他の映画ではないですよね。

怖いと言えば怖いのですが、それほど怖くないホラー。無表情な霊がニッと笑うところは不気味でした。


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