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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
10
2018

ダーク・プレイス

DARK PLACES / 2015年 / イギリス、フランス、アメリカ / 監督:ジル・バケ=ブランネール、原作:ギリアン・フリン / サスペンス / 113分
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積み重なった小さな嘘が無実の男の上にのしかかる。
【あらすじ】
生活費に困ったので、過去の事件について話をします。



【感想】
「ゴーン・ガール」の原作者ギリアン・フリンによるミステリー小説「冥闇」が原作。「ゴーン・ガール」のような展開を期待しているとガッカリするかもしれません。貧困がもたらした悲劇を描いた地味なサスペンス。しっかりとした作品だと思いますが、正直なところそれほど面白くはなかったのです。

主演はシャーリーズ・セロン。シャーリーズ・セロンが出ていると、つい観たくなります。

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1985年、カンザス州。母親と二人の姉妹の殺害容疑で、リビーの兄ベンが逮捕された。当時、リビーは8歳。それから28年後、世間から同情を受け、支援金や自伝の出版でくいつないできたリビー(シャーリーズ・セロン)は36歳になっていた。日々の生活に困窮していたリビーの元に「殺人クラブ」という団体から連絡がくる。過去の有名な殺人事件を検証するそのクラブは、リビーに会うことを望んでいた。報酬欲しさにクラブを訪れたリビーは、お金のために過去の事件と向き合うことになる。

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この映画では、誰もが大なり小なり嘘をついている。母親は家族の生活を案じていたがゆえに家族をあざむくことになる。兄のベン(タイ・シェリダン、下左)は妊娠した恋人ディオンドラ(クロエ・グレース・モレッツ、下右)とその子供のために、無実ながら一家殺害の罪を背負う。ディオンドラは名前を偽っており、ポリー・パームが本当の名前だった。妊娠したという子供も、実のところベンの子供かはわからない。ベンは、勉強を教えていたクリシーという子にも陥れられてしまう。リビーは悪魔崇拝をしていた兄を信じることができず、警察に誘導されてベンを犯人と言ってしまう。

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この映画の興味深いところは、誰かが誰かを害しようと明確な悪意で嘘をついたわけではないということ。ほんの出来心だったり、ちょっとした弱さだったり、家族を守ろうとしたり、さまざまな理由で嘘をついてしまうのだ。その嘘が無実の人間を犯罪者に仕立て上げてしまう。

誰が悪いかと言えば、一応連続殺人鬼みたいな人もいるものの、誰しもちょっとずつ悪いのだ。全員で大きな殺人事件を作り上げてしまったような奇妙さがある。実際の事件というのも、明確な悪意によらず、複数人の嘘の積み重ねで起きてしまうこともあるかもしれない。

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ただ、母親であるパティがベンのことを信じてあげられたら、また、パティが家族にお金を遺すことを考えずに貧乏で惨めな暮らしをおくる覚悟を決められたなら、そう思わずにはいられない。


主演のシャーリーズ・セロンは幼少期に深い傷を負った女性を演じることが多い印象。彼女の生い立ちがそうさせるのだろうか。父親の家庭内暴力に悩まされ、母親が自分の目の前で父親を射殺したという過去をもつ。連続殺人犯アイリーン・ウォーノスを描いた「モンスター」でもそうだった。この「ダーク・プレイス」も背景には貧困や、ろくでもない父親の問題が見え隠れする。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」や「ワイルド・スピード ICE BREAK」などの娯楽作品で楽しませてくれる一方、今作のような自分の生い立ちをなぞるような作品に出続けているのも興味深い。ずっと自分がいた場所を忘れない人なのかな。こういった作品に出続けることで、同じような境遇にある人を励ましているようにも思えるときがあって、それは私の勝手な思い入れなのだろうけど。シャーリーズ・セロンが出ていると、どうしても観てしまうんですよねえ。

話としては大きなトリックだとかカタルシスがあるわけでもなく、静かに納得するような作品だった。リビーが「できれば普通の人生を送りたかった」とつぶやくのだが、本当にねえ、そうなんだろうなあという。少しやるせなさの残る後味でした。

大好きなクロエ・グレース・モレッツも出ていますが、ろくでもない女として出ています。珍しいなあ。おまえが話していれば、事件は解決してたのに~。


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