FC2ブログ

旧作映画の感想、ネタバレしてます。
23
2018

メイド・イン・アビス(シーズン1)

2017年 / 日本 / 監督:小島正幸、原作:つくしあきひと / ファンタジー / 23分×12話、47分×1話(シーズン1)
e02.jpg
奈落の底で待つものは希望か絶望か。
【あらすじ】
母親を探しに大穴に降りていく。



【感想】
優れたSFやファンタジーは細部がよくできている。いくら奇妙に見えても、その世界で暮らしているキャラたちがいるわけで、その暮らしぶりが感じられたらそれだけで嬉しいし、作品として成功しているように思う。どんなふうに働いて、その組織は何で利益を上げて、どんな仕組みで運営されているのか。食事は何を食べているのか。宗教は、政治体制は、人権はどうなっているのかなとか。すばらしい作品は一つの世界が丸々作り出されている。この作品は登場人物の生活の息吹が伝わってきます。

背景の書き込みの細かさもすばらしいですね。これだけで観る価値がある作品に思えた。作品はシーズン1が終わり、まだ途中ですが、名作になる可能性を感じました。ほのぼのとしたキャラからは想像できない残酷な描写もあるのですが、とても面白かったですよ。お薦めです。中盤までは地味な展開が続きますけども。

クリップボード02e

オープニングでは、担当のところにそれぞれ作中で使われる奈落文字が使われているこだわり。ただ適当に書いてあるのかもしれないし、文字として成立しているかはわからないけど。

クリップボード02w

指輪物語の作者トールキンも、ルーン文字やエルフ文字を作っていましたね。こだわりがすごすぎて怖い。尊敬してしまう。

クリップボード04e

孤児院で育たったリコ(左)は、アビスという巨大な穴を探窟(造語)している。アビスで発見される謎の人工物(遺物)は高値で取引され、その収益によって孤児院の運営は行われていた。ある日、リコは遺物を探窟中にレグ(右)という機械の少年を見つける。意識のないレグを苦労して孤児院まで持ち帰り、蘇生させることに成功。

そして、アビスで10年前に行方不明になっていた母ライザの遺品も発見される。母の生存を確信したリコは、記憶を失ったレグと共にアビスの深層へ旅立つ決意をする。

クリップボード06e

風景を観ているだけでも楽しいし、起伏ある街の構造もいいですよね。世界が作り込まれている感じがする。「世界樹の迷宮」という迷宮探索ゲームがありますが、あれにも少し雰囲気が似ているかなあ。

クリップボード14e

キャラも一癖も二癖もあって良い。アビスの中にあるシーカーキャンプで暮らすオーゼン(中)。無表情暴力おばちゃん。怖すぎる。

クリップボード10e

事情があって人の姿を失ったナナチ(左)と相棒のミーティー(右)。ナナチの「んなぁ~」という口癖はミーティーの鳴き声にも似ている。ミーティーとなんとか意思の疎通をしようとして、口癖になったのだろうか。

クリップボード12

ナナチの棲みかはミーティーの姿にも似ている。このエピソードは観るのがちょっとつらくなるような話でした。だって、とんでもない悪役が出てくるからさあ。アイツは裸吊りにしたらいいんじゃないのか。腹立つわー。

クリップボード08

アビスで暮らす獰猛な魔物の描かれ方もいい。獰猛なだけでなく穏やかに子供を見守る一面もある。また、彼らは探窟をしている人間を襲い、食べることもある。リコはためらうことなく魔物の肉を食べる。その魔物が人間を食べたかもしれないことも理解している。命が循環していくことを自然に受け止めている。リコは自分が食べられることになっても納得して死んでいくのではないか。

また、リコたちは自分たちがアビスの下層へ降りる際、ためらうことなく他の生き物をおとりに使う。食事の場面が頻繁に出るのもいい。何かを犠牲にして自分が生きていることを美化していない描き方にはとても好感が持てました。

クリップボード02ew

母ライザの行方、レグの記憶、さまざまな遺物、アビスの下層という謎も楽しみですが、キャラもそれぞれ魅力的で惹きつけられる。きっちりと作り込まれたアビスの世界がすばらしい。中世を舞台にしたファンタジーが好きな方には間違いなくお薦めです。最初はそうでもなかったのに、中盤から話が急に面白くなってきました。シーズン1はナナチのための作品でしたねえ。シーズン2が待ちきれない作品。


関連記事
スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment