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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
25
2018

THE FORGER 天才贋作家 最後のミッション

THE FORGER / 2014年 / アメリカ / 監督:フィリップ・マーティン / ドラマ、犯罪 / 92分
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本当の願いは口に出せない。
【あらすじ】
借金を返すために贋作を作る。



【感想】
正直なところあまりにも普通というか、引っ掛かるところのない映画。ジョン・トラボルタ、クリストファー・プラマー、タイ・シェリダンというキャストは申し分ない。あまりにもひどいとか、欠落した何かがあるわけじゃなくて、きちんと最後まで観られるのだけど、可もなく不可もなくという印象。すべてがオール3という感じなのだ。オール3てのは、下手すりゃオール1より悪い気がする。

トラボルタが出ているし、サスペンスなのかと思ったら実は家族の絆を描いた映画なんですね。トラボルタがこういった題材を選ぶのは珍しいかもしれない。だいたい冷酷な知能犯なのに。息子想いのいい父親になってしまった。堕落。ヨヨヨ‥‥。どうしたんだ、おまえは。本当は冷酷な犯罪者のはずじゃんかあ! 死体の上で満面の笑みでツイストを踊ってこそのジョン・トラボルタのはず。あの頃の人でなしのあなたに戻って!

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ゴーギャンの絵を複製した罪で服役していたレイ(ジョン・トラボルタ)。出所は間近に迫っていたが、末期癌の息子と一緒に過ごすため、裏社会を牛耳るキーガンに頼んで仮釈放の身となった。だが、その代償は高く、キーガンからはあらたな贋作を依頼されることとなった。

がり勉の記号が分厚い眼鏡だったように、パーカーというのはハリウッドにおいて内向的人間の記号として描かれているように思う。でも、トラボルタがパーカーを着てもあんまり内向的には見えないんですけども。体格が良すぎるからかな。あと、ただの画家なのにチンピラ4人相手でもひるむことなくぶちのめしてしまう。画家のはずでは‥‥。ま、いいか。トラボルタだし。

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おじいちゃん(クリストファー・プラマー、中)は詐欺師、レイ(右)は贋作づくり、息子のウィル(タイ・シェリダン、左)も二人に憧れて犯罪の道へ。ほのぼの犯罪者一家である。

タイ・シェリダンは最近よく見かけますね。繊細そうな瞳が印象的。「MUD-マッド-」「ゾンビーワールドへようこそ」「ダーク・プレイス」など、どこか癖のある作品に出ているのも面白い。

レイは末期癌の息子ウィルの願いを叶えるために奔走する。レイとウィルの関係は親子というよりも、年の離れた兄弟のように見えてしまう。私が父親との関係をちょっとこじらせていたからかもしれないけど、友達のような親子を観るのが苦手なのかな。父親は「壁」であったり「敵」であったりして、嫌いつつもその庇護の下でなければ生きられず、でもどこかで尊敬している存在だった。レイはただひたすら甘い父親に映るのだ。

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離婚している母親に会いたいという願いを叶えたレイ。母親(左)は薬物中毒になっているが、ニューヨークで贅沢な暮らしをしていると嘘をつく。背筋の曲がった感じが、隠しきれないジャンキー感を醸し出す。どことなく雰囲気がある。またこの微妙な露出度の高さが、いいのだろうか。本当に微妙なラインですけども。

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レイを追う刑事。いい人オーラが出まくっている。最後はレイとわかりあって見逃してくれるというのが予想できてしまった。キャラに裏表がなく、いい人は最後までいい人、悪い人は最後まで悪い人でいてくれる。そこがちょっと平坦に映った。裏切られるということもなく、驚くこともなく、ああそうなんだろうなあという。

印象的だったのはレイ一家で葉巻を吸う場面。共に犯罪に手を染め、家族の絆を深めるのだけど、タイ・シェリダンだけは年齢を配慮してか葉巻を吸うところが映らない。彼は末期癌で先もないわけだし、今更葉巻の一本ぐらいどうってことない。彼がレイたちから大人として認められたという意味もあり、喫煙場面は欠かせないと思うのだ。ここを映さないことに中途半端さを感じる。ハリウッドでは子供への影響を考慮してか、喫煙場面はほとんどなくなった。でも、ここを映さないのは違うように思う。観客に「そうじゃないだろ」と思わせることが狙いなのだろうか。表現の幅が狭められることへの批判を込めて、あえて中途半端な形にしたのかなあ。そんなわけないか。

最後はめでたしめでたしな感じで終わります。ジョン・トラボルタがウィルから願いを訊かれるところが良かったですね。願いといえば息子の病気が治ることしかないし、でもそんなことは望めないし、口にすることもできない。本当の願いは口にできない。その余韻が良かったです。


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