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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
19
2018

その男 ヴァン・ダム

JCVD / 2008年 / ベルギー、ルクセンブルク、フランス / 監督:マブルク・エル・メクリ / コメディ、サスペンス / 97分
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自分で自分を笑う懐の大きさ。哀愁のヴァン・ダム。
【あらすじ】
最近、落ち目です。銀行強盗と間違えられた。



【感想】
アクション俳優ジャン=クロード・ヴァン・ダムが本人を演じたメタフィクションコメディ。マルコヴィッチがマルコヴィッチ本人を演じた「マルコヴィッチの穴」などもありましたね。

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セピア色が印象的な映画。最近パッとしないヴァン・ダムとセピアの相性がいいなあ。黄昏れるわー。自分の苦境を自虐的に笑うヴァン・ダムを微笑ましく感じてしまう。何本か、ヴァン・ダム作品(特に「タイムコップ」「サドン・デス」あたり)を観ていると楽しめるかもしれません。

かつてジョン・ウー監督の「ハード・ターゲット」で活躍したヴァン・ダム。あのとき一緒にがんばったジョン・ウーはハリウッドで成功し、もうヴァン・ダムでは撮ってくれない。でも、「『フェイス/オフ』(ジョン・ウー監督)はいい作品だよね」と寂しく笑うヴァン・ダム。哀愁だなあ。俺だって昔は「サドン・デス」や「タイムコップ」という面白い作品に出ていたのだと自虐的に語る。出演作品のギャラも落ちてきたし、もう作品をあまり選べない。セガールに役を取られもする。

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ファンとの写真撮影も気さくに応じるが、ファンからは「思ったよりもチビだった」など軽く見られてしまう。タクシーのおばちゃんからは態度が悪いとひたすら叱られ、体力も落ちてアクションシーンもカットなしでは撮れない。だってヴァン・ダムはもう47歳なんだから‥‥。どこまでも自虐的にヴァン・ダムを撮るのだった。なかなか監督は攻めますね。ヴァン・ダム、怒らなかったのかな?

見ようによっては屈辱的とも言える監督の演出に応え、みっともない自分をさらけ出していく。今まではアクション一本鎗で、アクションスターによくある「何を演じても同じ性格に見えてしまう」感じを脱却し、「同じに見えたっていいじゃない! だってヴァン・ダムなんだもの!」ぐらいのところまで開き直った感じがある。振り切った。

どことなくユーモラスで、かつ哀愁を漂わせていて、やっぱりこの人は魅力的なんだなと思いました。ドラマ「ジャン=クロード・ヴァン・ジョンソン」も自虐に突っ走った作品でしたが「その男 ヴァン・ダム」の頃から、こういった自虐をやりたいという願望があったのかな。人は誰だって老いるし、若い頃のようにはアクションもできない。やれることはどんどん狭まってくる。娘のセリフ「パパがテレビに映ると、(私が)笑われるの」というセリフは親として堪えるだろう。本当に言われたことあるのかな。

こうまで自虐に振り切ると、それはそれで楽しめる。でも、あまりアクションはないし、ヴァン・ダムのファン向け映画かもしれません。どこかで得意の飛び回し蹴りを披露してほしかった。まだ輝いてるぞ、ヴァン・ダム。


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