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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
12
2018

恋は雨上がりのように

2018年1月-3月 / 日本 / 監督:渡辺歩、原作:眉月じゅん / 青春、恋愛 / 全12話
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雨上がりの空のような爽やかさ。
【あらすじ】
冴えないファミレスの店長を好きになった。



【感想】
風見沢高校に通う女子高生、橘あきら(CV 渡部紗弓)。高校では陸上部のエースとして活躍していたが、右アキレス腱に大怪我を負い、陸上を断念。病院帰りに立ち寄ったファミレスで、店長の近藤と交わした小さなやりとりが失意の彼女を勇気づけることになる。それ以来、近藤に密かな思いを寄せ、アルバイトとして同店で働くことになる。

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ファミレス「ガーデン」の冴えない店長、近藤正己(CV 平田広明)。一人暮らしでバツイチ、別れた妻との間に息子が一人いる。

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女子高生と中年のおじさんの恋愛物なのかなと思ったが、どうやらそうではなさそう。たしかに、あきらは近藤へ思いを寄せてはいるが、近藤は常識的な人間で、女子高生との恋愛など成り立つはずはないとあきらから距離を置いている。あきらのアプローチにとまどいつつも、拒絶する近藤の姿はどこか微笑ましく映る。もし恋愛メインにしてしまうと、ちょっと中年が気持ちの悪い夢を見すぎというか、引いてしまうと思う。この距離のおき方が絶妙。まったくドロドロした展開にはならず、軽い気分で観られる作りになっている。

あきらは陸上を断念、近藤は文学を断念しており、この二人はいわば似た者同士なのだ。そこで惹かれ合う部分があったのかもしれない。思えば、あきらも近藤も再び走り出すきっかけを探していたのかも。あきらは近藤を、近藤はあきらを見ることで、かつて目標に挫折した自分を外側から観察することができ、またそれぞれの陸上・文学という目標に向かって走り出せたのではないだろうか。はじめ、あきらにとって近藤は恋愛対象だったかもしれないが、二人の関係は同志に変化したのかもしれない。それは恋愛対象よりも得難い関係かもしれない。

いつも似たことを書いているが、救うことと救われることの同義性を感じる。救う者が必ずしも優位というわけではない。ささやかな優しさから、あきらを救った近藤だったが、近藤もまたあきらと接することによって救われた。いくつになろうと、どんな状況であろうと挑戦する者の姿は美しい。雨は上がり、二人がそれぞれの目標に歩み出すところで映画は終わる。夏の雨上がりのような爽やかな作品。オープニングの「ノスタルジックレインフォール」は作品のイメージにぴったり。


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