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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
13
2018

最愛の子

親愛的 / 2014年 / 中国、香港 / 監督: / 実話を基にした映画 / 128分
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誘拐によって破壊される人生。
【あらすじ】
子供がさらわれた。



【感想】
最近、発展著しい中国ですが、公式サイトを見ると「中国では年間20万人もの子供が行方不明になっている」とある。急速な発展を遂げてはきたものの、闇の部分も相当な深さがあるのだろう。この映画は誘拐された子供を取り戻す映画かと思いきや、誘拐犯側の視点からも描かれているのが面白い。お薦めです。

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2009年7月、深圳。下町でネットカフェを経営しているティエン(ホアン・ボー、右)は3歳になる息子ポンポンと二人暮らし。ポンポンは週に一度、離婚した元妻のジュアン(ハオ・レイ、左)と過ごしていた。ある日、ポンポンが何者かによって誘拐されてしまう。警察に通報するも「法律上、子供がいなくなってから24時間たたないと対応できない」と捜査を拒否される。テレビカメラに向かって「桃を食べさせないで。アレルギーがあるから」と訴えるティエンの姿が悲しい。このセリフが、後半にすごく活きてくるんですよねえ。結局、ポンポンは見つからず3年が経過した。

犯人の目的は人身売買ではないんですよね。もちろん人身売買によって売られる人も多いのだろうけど、犯人は誘拐したポンポンをかわいがって育てているのだ。

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誘拐された子供たちを持つ親の会合。子供を誘拐されることによって、夫婦の生活そのものが破壊されることがわかる。子を探すことにお金を使い果たし、生活はボロボロになる。また、誘拐犯のふりをして身代金をだまし取ろうと企む連中もいる。串刺しにしてやればよいのだ。

二人目の子供を作ろうにも、失踪した子供への申し訳なさだとか、子供を探している他の親たちへの引け目もあり、言い出しにくい。子供を失って傷ついているわけだから、そんなことは気にしなくていいはずなんだけども。

二人目を作るには、一人っ子政策の都合上、一人目を死亡扱いにしなければならないんですよね。でも、親として子の死亡を認めるなんてできることもなく、杓子定規な役所の対応に不満を爆発させる。この映画の影響で、一人っ子政策についての法改正があったのだけど、この部分も変更されたのかなあ。

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子を失った親たちは、子の喪失だけではなく、さまざまな面で苦しんでいくのだ。本当にねえ、なんにも悪い事してないのに。

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ティエンたちは3年後に農村でポンポンを見つける。しかし、ポンポンは育ての親であるホンチン(ヴィッキー・チャオ)になつき、実の親のティエンを親とはみてくれなかった。自分の子から親と認められない悲しさ。

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誘拐の実行犯であった夫は死亡。二人の子供は夫から「拾った」と聞かされていた妻のホンチン。彼女は彼女でかわいそうなのだ。突然にして二人の子供を奪われることになってしまう。最初はホンチンの態度に苛立って観ていたものの、彼女の事情がわかってくると彼女もまた被害者であることに気づく。彼女がポンポンをあきらめることを決断したとき「桃アレルギーだから気をつけて」と言うんですよね。ああ、彼女はもう母親になっていたのかと気づかされる。これがねえ、本当によくできていて、グッとくるものがある。

一人っ子政策、人身売買、経済格差などの社会問題をを盛り込みつつ、子を探す親の愛情を描いたとてもいい作品でした。中国の恥ともいえる問題を扱っているけれど、よくこれ規制が入らなかったなあ。実際の事件を基にしていることもあり、エンドロールを見ると、誘拐された親が子を連れて、誘拐犯の妻に会いに行っているんですね。子を奪われた身として、彼女のつらさもわかるのだろう。でも、なかなかできることではないと思います。いい映画でした。


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