FC2ブログ

旧作映画の感想、ネタバレしてます。
29
2018

バケモノの子

2015年 / 日本 / 監督:細田守 / ファンタジー / 119分
33AL__20180729113801f74.jpg
バケモノの子はなぜ大学に行きたがる?
【あらすじ】
バケモノに育てられた。



【監督】
ポスターがサマーウォーズと同じ構図ですね。登場人物の後ろに入道雲という。好きなのかな、この構図。

e45_.jpg 

細田守監督の作品は正直なところよくわからなくて、絵がきれいなので観続けている。絵がきれいって、すごいことだと思う。新海誠監督の作品も絵が好きだから観続けていたら「君の名は。」という作品が出た。いつか好きな作品が出るかもしれない。

1AL__20180729113802cba.jpg

母を亡くし、父は消息が知れず、失意の少年・蓮(左)は渋谷の街でバケモノである熊徹(右)に会う。蓮は熊徹の弟子となり、九太という名を授けられる。九太はバケモノの世界・渋天街で暮らしていく。

複雑な家族関係をからめた少年の成長譚なのかな。九太がきかん気が強くて反抗的なんですよね。当初は熊徹の弟子になることも拒む。だからといって彼に帰る場所はない。異世界で名前をもらい成長していく話は「千と千尋の神隠し」がまず頭に浮かぶ。ジブリ作品の子供は、千尋だろうがキキだろうがパズーだろうが、みなひたむきで決然とした意思を胸に秘めている。すでに人格が完成しているし、ナウシカなどは生まれながらの指導者のように振る舞う。

そこへいくと九太は反抗的なくせに自分では何もできなくて、観ていてイライラするところもあるけど、実はこちらのほうが子供の描き方としてはリアリティがあるのかもしれない。だって子供なんだから。ジブリ作品の主人公など、今すぐ私の上司になってもなんの問題もないのだ。

九太をやたらに甘やかす百秋坊も過保護すぎるように映る。登場人物が全体的に甘ったるく見えてしまう。九太が未熟なら、親代わりとなった熊徹も未熟。腕っぷしだけは強いが、性格は粗暴でだらしない。部屋も汚れ放題。だが、熊徹は九太の親代わりとなることで成長していく。親というのは完成した人間でもなんでもなくて、子を持つことで初めて一皮むけて成長し、親になるのかもしれない。などと、子を持っていない私が。

九太の母が死んだとき、なぜか親族たちは父親に連絡をとらず九太を育てようとする。よくわからないのだけど、九太の母親は名家の出身で、駆け落ち同然で父親と一緒になったとかそんな背景があるのかもしれない。チコという小さなバケモノが母親の生まれ変わりなのかな。母親はいなくなったけど、いつでも傍で見守っているという。

ちょっと不思議だったのは、成長した九太が人間社会の図書館へ行く場面。渋天街は人間界とは隔絶した異世界ではなく、コンビニ感覚で行けてしまうぐらいの近さなのだ。そこはちょっと拍子抜けした。図書館で本を手に取ると、九太はまったく漢字が読めないことに気づく。熊徹に育てられて、愛情だけは受けてきたものの、教育までには手が回らない。これはやはり片親家庭の教育の難しさを表したのかな。図書館で九太は楓と出会い、勉強を教えてもらうことになる。

e7.jpg

楓の考え方が不思議でアンバランスというか。九太の境遇(渋天街という異世界でバケモノに育てられた)をなんの疑いもなく受け入れるというリアリティのなさの反面、九太に高卒認定試験(昔の大検)を薦めるのだ。ファンタジー観てたと思ったら、急に高卒認定試験という現実的な言葉に面食らう。九太は九太で、高卒認定試験を受けようとするんですよね。そこ、ゴールなのかなあ。バケモノの街で、力でトップをとるほうがよっぽどロマンがあるように思えるのだけど。うーん、高卒認定試験受けて大学行ったところで、それはただの大学生ではないか。

一郎彦との戦いもよくわからない。剣と拳の練習しかしてなかったはずが念力のようなもので刀を飛ばしたり、鯨に変身したり。いやいや、師匠たちはそんなことやってなかったじゃんかあ‥‥。なぜ急にまったく違う種類の戦いを始めるのだ。一郎彦は心の闇を抱え、九太は闇が発現しなかった。二人の差はなんだろう。一郎彦は、熊徹よりも人格者である猪王山に育てられたのに。ちょっと全体的に駆け足すぎるのと、観客がわからない設定・ルール変更が多すぎるように思えた。ヒロインと実の父親の存在も弱すぎる。

あと、心情をセリフで過剰なまでに表現するのも違和感があった。いくら独り言を言おうが状況説明をしようが、そこに違和感がなければいいと思うのだけど。今回もやはりちょっと乗れなかった。絵は好きなんだけどなあ。


関連記事
スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment