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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
02
2018

ラ・ラ・ランド

LA LA LAND / 2016年 / アメリカ、香港 / 監督:デミアン・チャゼル / 恋愛、ミュージカル / 128分
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夢を追い続けることの困難さ。
【あらすじ】
夢を叶えたい二人。



【感想】
Amazonプライムで公開になったのでさっそく観ました。久しぶりのミュージカル映画。前に観たミュージカル映画は「レ・ミゼラブル」だったかなあ。あれは良かったなあ。「Do You Hear the People Sing?」はしびれる。「ラ・ラ・ランド」もいい曲がありましたよ。

今回の主役はエマ・ストーン(右)とライアン・ゴズリング(左)。

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夢追う若い二人という、ずいぶんオーソドックスな映画なんですよね。話としての目新しさは特に感じませんでした。特別退屈とか、特別すばらしいとかもなくて、本当に普通なんですよねえ。なんだろ、これ。安心して観られはする。監督は、まったく安心して観ていられない映画「セッション」を撮ったデミアン・チャゼル。ずいぶん毛色の違うのを撮りましたね。あまりミュージカルっぽさもなく、ミュージカルが苦手な方も自然に観られると思います。

ライアン・ゴズリングは相変わらず、何を演じてもうまい。タップや歌も披露し多才ぶりを見せつけていた。

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映画としての筋はオーソドックスだけど、冒頭の渋滞場面「Another Day of Sun」がワクワクするような始まりで心を掴まれる。曲が良いですよねえ。トラックの後ろを開けたらドラマーが入っていたり、スケボーで飛び降りた音がきちんとリズムに合っていたり、はるか遠くの車の上まで人が踊っている。みんなが扉をバンと閉めてオープニングが終わるタイミングも見事。映画を観終わるとメロディーを口ずさめるような、憶えやすいすてきな曲。正直なところ、ここがピークかもしれん。「Someone in the Crowd」もいいけど。

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128分と少し長めの映画ですが、あまり長さは感じませんでした。テンポがいいのかな。途中、ヒロインが二股をかけていて、片方を振るのだろうけど、その別れの場面などは潔いほど豪快にカットして何も写さない。「察してよね!」ということかもしれんけど。グダグダしなくていいですね。だが、おまえが二股状態だったことは忘れんからな。

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男は本物のジャズが聴けるバー、女は女優という夢を追うために別れることになる。何百回もオーディションに落ちて傷つくヒロイン。失意のままに故郷に帰るが、ある日、配役事務所から連絡が入る。男は彼女を迎えに行って強引にオーディションを受けさせる。

彼の行為は、この映画においては間違っていないのだろうけど、すごく夢に向き合うことを重要に扱っていて、その強引さが怖くもあるんですよ。これは志の問題でもあるけれど、私のように「食べていければいいじゃんかあ」という人間は怒られそうである。

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ヒロインが序盤で参加したパーティーも、参加者たちはみな、それぞれの夢に向かってがんばっているのだ。それは素晴らしくもあるが、ちょっと暑苦しくもある。アメリカで、ある程度豊かであって機会に恵まれた人間ならば、夢を追及すべきと迫られているような。

これは、成功者たちの物語なんですよね。彼らのように成功できなかった者、挫折した者たちも実は多くいて、むしろその人たちのほうが多数派なのではないかと思いながら観ていました。

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ラストでは、彼らが選ばなかったほうの人生の選択が流される。選ばなかった人生について思いを馳せるというのは、普通の人でもあるだろう。あのとき、違う人を選んでいれば、違う職業を選んでいれば。選ばなかったからこそ、今の自分はここにいて、それは後悔とも少し違う。今の生活に満足してないわけではない。でも、ほんの少しの切なさを感じつつ、お互いを見つめる二人。これできっとよかったんだよ、というように微笑むライアン・ゴズリングがね、またいいんですよ。何をやらせても絵になるなあ。ちくしょう!

ラジオで映画評論家の町山さんが「ラ・ラ・ランド」という言葉を説明していた。「ラ・ラ・ランド」にはLA(ロサンゼルス)という言葉が入っている。ロスには俳優や歌手になることを夢見る人たちがたくさん集まる。また、夢見がちな状態として、悪い意味で「ラ・ラ・ランド」という言葉が使われることもあるらしい。この映画の主人公二人も、まさしく「ラ・ラ・ランド」にいたが、幸いにも夢を叶えることができた。ロスにいる夢を追う人たちがこの映画を観れば、また違った苦い感想を持つのかもしれない。

日本人の私には、サラッと観られて、少しの淋しさが残るような映画でした。衣装も鮮烈な色合いが美しい。「セッション」での狂気の男J・K・シモンズもチョロッと出てます。今回は狂人ではなかった。


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