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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
10
2018

アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち

STONEHEARST ASYLUM / 2014年 / アメリカ / 監督:ブラッド・アンダーソン、原作:エドガー・アラン・ポー / サスペンス / 112分
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曖昧になる善と悪、正常と異常の境。
【あらすじ】
精神病院に赴任した。


【感想】
1899年のクリスマス・イブ。若き医師エドワード(ジム・スタージェス左)は、山奥の精神病院に赴任する。近世アメリカもしくはヨーロッパの怪しげな雰囲気がいいですね。原作は「モルグ街の殺人」「黄金虫」などのエドガー・アラン・ポーなんですね。この時期のサスペンスが好きな人にはお薦め。

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何か違和感のある精神病院の様子と、怪しげな院長のラム(ベン・キングズレー、右)。どこか腑に落ちないものを感じながらラムの助手として患者たちを診ていくエドワード。美貌の患者イライザ(ケイト・ベッキンセイル、右)から、すぐにここを離れるよう警告を受けるエドワードだが、イライザに一目惚れしたので、しばらくここにいたいのだった。動機が不純すぎてかわいい。

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中盤にもトリックがあり、実はこの精神病院は患者たちが反乱を起こし、医師や看護師を地下室に監禁していたことがわかる。面白いのはその後で、正規の医師たちがやっていた治療が必ずしも正しいものではなく、拷問まがいの治療もあったことが明かされる。監禁されていた者たちが、なんの過失もない被害者というわけではないのだ。だからといって、反乱を起こした患者たちが正しいというわけでもない。何を信じてよいかわからない感覚は少し愉快だった。

ポーが原作となった小説「タール博士とフェザー博士の療法」を発表したのが1845年。ポーはこの頃すでに精神病院での滅茶苦茶な治療について看破していたのだろうか。もっとも、どんな治療がこのとき行われていたかは、私は知らないのだけれど。だが、この時代よりも百年ほど後の1935年にロボトミー手術が行われている。滅茶苦茶なことがまかり通っていたとしても不思議はない。

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気のせいか、ベン・キングズレーはちょっといっちゃってる人の役が多いような。今回もちょっといっちゃってる。

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主人公はとにかくイライザに夢中で、彼女についてまったく疑うこともない。理由は美人だからなんですね。もうそれ以外に理由はない。ここまでくると潔い。エドワードもねえ、姿こそ爽やかですが、やってることはかなりおかしい。爽やかストーカーですよ。

ラストはこういった映画には珍しく、完全なハッピーエンドになっています。ホームズとかルパン(三世ではないほう)だとか、近世のサスペンスが好きな人にお薦めです。話はそこそこ捻られており、ものすごく驚くなどはないのですが、テンポもよくて退屈しません。軽い気分で観られます。


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