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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
03
2018

嘘を愛する女

2017年 / 日本 / 監督:中江和仁 / 恋愛、ミステリー / 117分
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高橋一生を好きな人のための映画。
【あらすじ】
5年間同棲していた相手が、誰だかわからない。



【感想】
この事件は1991年にニュースステーションで取り上げられた事件(文春ブックス)に着想を得ている。

「医師の夫を亡くした内縁の妻が、夫の死亡届を出そうと本籍地に問い合わせたところ、該当する人物がいなかったことからすべてが始まる。夫は浜松医大病院の医師山森将智家(やまもり・まさちか)だと称していたが、それも嘘。身元を知る手掛かりは何もなく、押し入れの中から夫が大学ノートに書いた小説が出てきただけだった。妻は病院の身分証明書に貼付された夫の写真を見ながら途方に暮れる。「あなたはいったい誰なの」と。
 久米宏は、「その後の経過についてわかったら、番組で取り上げる」と言っていたが、残念ながら、私はそれを見逃してしまった。
 聞くところによれば、二十年以上前に結婚して五年間だけ暮らしたという女性から連絡があり、夫の身元が判明したという」(折原一)

この事件を小説家の辻仁成さんがエッセイに書き、それを当時、高校生だった中江和仁監督が読み、構想を温め続けて今回ついに映画化された。山森さん(偽名)がなぜ失踪したかという理由は不明のままだった。その謎こそが多くの人を惹きつけてやまないところなのだろう。

で、映画自体はあまり好きではなかった。恋愛映画の観方がよくわからないということもあります。

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川原由加利(長澤まさみ)は大手食品メーカーで働くキャリアウーマン。ウーマン・オブ・ザ・イヤーにも輝き、業界からも注目され、会社からも評価されている。かなり気が強く、自己中心的な面も目立つ。長澤まさみさんは気が強い役が多いですよね。気が強くて性に奔放なイメージ。性に奔放て。

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小出桔平(高橋一生)は、研究医として働く由加利の恋人。研究医としての給料は雀の涙で、由加利に養ってもらっている。気が強い由加利と対照的に、温厚で料理が得意。二人は同棲して5年になり、結婚を控えていた。

高橋一生さんは、ずっと前にタモリ倶楽部の古地図の回に出ていた。若いのにド渋い趣味を持っているなあと感心した。ブレイクしましたねえ。

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ある日、桔平はくも膜下出血で倒れ、昏睡状態に陥る。由加利には研究医と伝えていたが、警察によると、名前はおろか職業、免許証、戸籍、すべてが嘘だったことがわかる。由加利は桔平が本当は誰なのかを調べ始める。

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東日本大震災から映画は始まる。由加利の具合が悪くなったところを、その場に偶然居合わせた桔平が助ける。電車は停まっており、高いヒールの靴を履いている由加利は歩いて帰らなければならなかった。桔平は初対面の由加利に、「僕は家が近くなんで」と自分の履いていたスニーカーを渡すんですね。それが二人の出会いだった。

この場面を観たとき、これは女の人のために作られた映画なのかなと思った。脚本も女性が書いているのかもしれない。男はヒールだと歩きにくいというのは知っていても、それがどれほど歩きにくいのかはよくわからないし、自分の靴を脱いで渡すというのはちょっとやりすぎに思えるのだ。ま、これ、相手が高橋一生というのが大きい。たとえ、相手が蛭子さんだとしても、長澤まさみは靴を受け取っただろうか。

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「汚ねえな、このジジイ!」と靴を蛭子さんの顔面に投げつけたのではないか。まさみは、それができる子。これ絶対、相手が高橋一生だから成立すると思うんだよなあ。そんなこと言っても、仕方のない話ですけど。私は是非、蛭子さんで成立させたい。

脇を固めるキャストもそれぞれ個性的で良かったですね。

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興信所の所長に吉田鋼太郎(左)さん。

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吉田鋼太郎にキレの良い中段後ろ回し蹴りを決める川栄李奈さん。プロテクターを付けているだろうけど、あれ、本当に痛いんじゃないのかなあ。鋼太郎が痛がるのがおかしくて。フヒヒヒヒ‥‥。この映画で、一番ここがおかしかった。

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興信所の助手にDAIGOさん。ずっとオダギリジョーだと思っていたのだけど、よく見たらDAIGOだった。けだるそうな感じが自然で良かったです。

なぜ、高橋一生が失踪したかというのが映画の肝になるはずだけど、恋愛に重きがおかれたようで、謎解きがおざなりに感じてしまった。失踪前の一生は医者で、忙しすぎるあまりに家庭を顧みず、そのせいで奥さんは育児ノイローゼになって子供を殺してしまい、自殺を図る。その過去に堪えきれずに一生は失踪する。だけど、これだと名前を隠す意味が薄いように思う。警察に追われているわけでもない。長澤まさみに本当のことを言えばいいのだから。謎が明かされたときも、驚くというより、拍子抜けしてしまった。

せめて、子供を殺した妻を許せずに妻を殺してしまって警察から逃げているとか、村で妻を殺したと噂になってしまい、名前を変えて都会まで逃げてきたとか、なんらかの理由がほしかった。

これじゃあ、ダメなのではないか。なにせ一生が完璧すぎる。職業も医者って。そこは結婚詐欺師だろうよ。容姿は完璧、性格は温和、料理もできて、彼女が八つ当たりをしても包容力があって優しく受け止める。おまけにセックスもお上手。まてまてまて~い! ってなるでしょうよ。ダメじゃん、こんなの。人を3人ぐらい殺していてくれないと、こっちの立場がないじゃんかあ! なあ! バラバラ殺人とかやってくれないか。

高橋一生の存在は女性から見た理想の夫像を詰め込んでおり、ターゲットとして30代以上の女性をあてこんでいるように見える。だからなのか、長澤まさみのほうは自己中心的、家事やらない、浮気もした、酔っぱらって帰る、などの欠点が多く詰め込まれている。そんなまさみを一生は優しく微笑んで許してくれるのだ。これねえ、どう見ても女性向け映画に思えますよ。3点。100点満点中3点。嫉妬。こういう完璧超人を登場させるの良くない。

高橋一生さんのファンにはいい映画だと思います。邪心なく見れば、いいカップルに見えるかもしれません。ハッピーエンドなのでデートムービーとしてもいいように思える。長澤まさみさんは、かなり自己中心的に描かれていてそこがちょっと損のような気もしました。


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