FC2ブログ

旧作映画の感想、ネタバレしてます。
20
2018

La STRADA / 1954年 / イタリア /フェデリコ・フェリーニ / ドラマ / 108分
4L__201809200848388d3.jpg
道の小石にも意味があるのなら、私だって‥‥。
【あらすじ】
暴力芸人と旅をする。



【感想】
名作として名高いフェデリコ・フェリーニ監督の「道」。今から60年以上前、1954年の作品です。歴史という風雨に曝されても風化しない作品が名作かもしれないが、この作品はもう現代では成立しないのかなと思いました。

xL__20180920084842ee5.jpg

旅芸人ザンパノ(アンソニー・クイン、右)は芸の手伝いをする女が死んだため、女の妹であるジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ、左)に目を付ける。ジェルソミーナは、家族からザンパノに二束三文で売られ、ザンパノと共に旅をすることに。姉も売られ、妹も売られる。ヨヨヨ、人身売買とか‥‥、時代‥‥。

ジェルソミーナがザンパノに買われたときは、靴すら履いてないんですよね。この時代の貧しさというのは今とはかなり違う。まさに食うや食わずという感じ。日本でも農家の娘が売られるという時代があったが、人の売り買いが当たり前に行われていたのだろう。

ザンパノは胸にまいた鎖を筋肉で引きちぎる「それで本当にお金をもらえるのか?」という、よくわからん技で生計を立てています。うーむ、これ、なんだろう。当時はこんな芸でも観客は満足したのかなあ。

この映画は愛についての物語なのだろうか。ザンパノは、各地で芸をすることでなんとか食べている。ザンパノの助手であるジェルソミーナにはなんの芸もない。彼女は小太鼓を叩いたり、ラッパを吹いたり、ピエロの扮装をしてザンパノに従っている。

dL__201809200848411c1.jpg

ザンパノは乱暴だし、ジェルソミーナは落ち込むこともしばしば。そんなとき、綱渡り芸人が彼女に声をかけ、道の小石だって何かの役に立っていると慰めてくれる。粗野で乱暴なザンパノはジェルソミーナの優しさに気づかない。それどころか、彼女を傷つけてやがて捨ててしまう。ザンパノが年老いたとき、ふと訪れた街でジェルソミーナの噂を耳にする。彼女は心を病んで死んでしまっていた。それを聞いたザンパノは、初めて良心の呵責と孤独を覚え、涙するのだった。

彼女はザンパノに暴力を振るわれ、ひどい扱いを受けていたけれど、ザンパノを正しい道へと導こうとしていたように見える。ザンパノを見捨てずに一緒にいようとした。それは愛情の一つの形なのかもしれない。だが、ザンパノは何も気づかずにジェルソミーナを見捨ててしまうのだ。

どんなに無能でも、役に立たないものは何もない。なんにだって意味はある。だが、小石のように小さなものなら、よく目を凝らしていないとその意味を見逃してしまうのかもしれない。そして失ってから、それがどんなに自分にとって大切だったか気づくのだ。ザンパノのように。

fAL__201809200848397f2.jpg

この映画は1956年のアカデミー外国語映画賞を受賞している。外国語映画賞だけは、芸術的・文学的なものが多く受賞しており、他の部門と毛色が違って面白い。

映画の意味は正直なところよくわからなかった。派手で見栄えのするものばかりに目を奪われて、素朴で純粋なものを見る感性が失われているのかもしれない。なにせ、人がたくさん死ぬ映画ばかり観て喜んでいる。もう少ししたら、もう一度観てみたいです。哀愁漂うニーノ・ロータの音楽がいいですね。

関連記事
スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment