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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
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2018

メガロボクス

2018年 / 日本 / 監督:森山洋、原作:高森朝雄、原案:ちばてつや / ボクシング / 全13話
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「あしたのジョー」から50年。ジョーに「あした」は訪れたのか。
【あらすじ】
メガロニア(大きいボクシングの大会)で勝ちたい。



【感想】
「あしたのジョー」連載開始から50年ということで、もう半世紀も経つのかと驚き。「あしたのジョー」は私が生まれる前の話だし、子供の頃は再放送を観ていたのだろう。殴られて意識が飛んだときの眼が怖く、あまり好きなアニメではなかった。子供心に悲愴感のようなものを感じていた。あの時代のものは目がギョロギョロしているからかなあ。「巨人の星」も「タイガーマスク」も、得体の知れない迫力があって何か怖かった。

で、今回のジョーなんですけども、やっぱり貧乏なのでした。身体能力を強化する強化外骨格ギアを付けて戦うメガロボクスが近未来では流行していた。ジョーは未認可地区の賭け試合で八百長を行って、なんとか糊口を凌ぐ毎日だった。

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丹下段平似のおやっさんも登場。というか、ご本人では。

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貧しき者が人並みの生活、幸せを手に入れるため戦うというのは、半世紀前と同じなのかもしれない。でも、この作品に出てくる貧しさに悲愴感や切羽詰まった雰囲気がどうしても感じられなかった。殴られて、吹っ飛んで、血が飛び散ったりするのだけども。どことなく雰囲気が丸いというか。私の一方的な思い込みといえば思い込みでしかないとは思う。

ジョーの服装は貧しくて汚らしいはずだが、それでもどこかかっこいい。かっこよくていいのかなとも思う。ファッションとしてシンプルなかっこうをしているだけに見えるのだ。

押井守さんがどこかで書いていたと思うが、今の若いアニメーターに「貪り食う場面を描け」と言っても、なかなか描くことができないという。技術的な話ではなくて、自分が飢えた経験がないから、貪り食う描写ができない。そういったことも関係しているのだろうか、あまり「痛み」や「貧しさ」が伝わってこなかったし、貧しさから逃れたいという強烈な感情も感じられなかったのだ。

しかし、描く側の人生経験の話となってしまうと、じゃあ、殺人犯を描くときには殺人を犯してなければならないということにもなりかねんけど。殺人を犯さないまでも、ギリギリまで犯人の気持ちをなぞっていく、自分を追い込んでいく必要はあるのだろうか。ちょっと話は逸れましたけど、なんというか、ジョーの持っているはずのギリギリ感みたいなのが感じられなかったし、そういったヒリヒリするものを求めていたように思う。

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絵の上手さ、格闘場面の激しさは、モチーフとなった「あしたのジョー」より遥かに進歩している。迫力はあるし洗練されてもいる。ただ、それでも何か違う。思い出補正と言われればそうなのかもしれないが。飢え、リング上の恐怖感も感じられなかった。原因の多くを「時代」に押し込めてしまうのは甚だ乱暴な話でもあるのだけど、やはり1960、70年代という時代の空気も大きいのだろうか。

あと、ギアがないことの恐怖感があまり伝わってこなかったのが残念。「あしたのジョー」という作品への尊敬の念は強く感じました。


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