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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
30
2018

キング・ホステージ

ARSENAL / 2017年 / アメリカ、カナダ / 監督:スティーヴン・C・ミラー / サスペンス / 97分
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子供の頃の思い出に支えられて。
【あらすじ】
兄が誘拐された。



【感想】
兄弟の絆を描いたサスペンス。ニコラス・ケイジ、ジョン・キューザックが出演していますが、二人ともチョイ役です。大物二人を表に出して宣伝しましたが、二人の出番が少なかったこともあり、AmazonやYahoo!映画などでは評価が低くなってしまったのかも。そんな悪い映画じゃないと思います。

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兄、マイキー(ジョナサン・シェック、右)と弟、J・P(エイドリアン・グレニアー、左)の兄弟。幼い頃はいつも一緒に遊んでいた二人。やがて大人になると、兄は道を外れてならず者に。一方、弟は会社経営に成功していた。

小さい頃の二人の距離感がいいんですよね。兄は友人の前ではちょっと弟に意地悪をするものの、射的の賞品でとった野球カードを上げたりもする。仲が悪いのかと思いきや、そうでもないが、ベタベタしすぎない。大人になり、社会的にはだいぶ差がついた二人だが一緒に野球をして遊ぶ。ダメ人間の兄でも弟はまだどこかで尊敬しているんですよね。

街を仕切っているキング(ニコラス・ケイジ)は、J・Pの兄マイキーと共謀して狂言誘拐を行い、J・Pから身代金をせしめようと企む。

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このねえ、やりすぎとも言えるニコラス・ケイジのカツラがちょっと面白かった。なにこれ。

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悪ふざけの七三。ちなみにキングの兄役は、ニコラス・ケイジの実兄であるクリストファー・コッポラが演じたという。顔が怖すぎるぞ、あの人。

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キングは、兄のマイキーを誘って狂言誘拐を企むがマイキーは拒絶。マイキーは荒んだ独特の雰囲気を持っていていいですね。怒ったキングは本当にマイキーをさらってしまう。弟のJ・Pは誘拐されたマイキーを助けようとする。だが警察をはじめ周囲の人間は、マイキーがキングと組んで狂言誘拐を行ったと決めつけ、マイキーを見捨てている。

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映画の肝は二人の絆で、マイキーがJ・Pを裏切っているかどうかなのだけど、その部分ではあまり話を引っ張らないんですよね。もうちょっとここを膨らませてほしかったというのがある。マイキーは社会的にはろくでなしだけど、マイキーとJ・Pの間には幼少の頃の関係(頼れる兄)という貯金があって、J・Pは周りからマイキーの悪い評判を聞いても、その貯金でマイキーを信用し続けている。

かつて憧れたものが、今でも形を変えずに憧れの存在でいつづけてくれるかは難しい。J・Pにとっては身代金だけの話ではなく、マイキーとの人間関係こそが大事で、それは彼にとっては代えのきかないものなのだ。マイキーもダメ人間ながらJ・Pのことを大切に思っている。

サスペンス映画ながら序盤はなかなか事件が起きず、二人の関係をじっくりと描いている。人にとってはここが退屈に映ってしまうかもしれない。ここをどう捉えるかで映画の好き嫌いが変わりそう。私は良かったです。

暴力シーンも、鉄パイプを口にくわえさせて、その鉄パイプを思いっきり金属バットで殴るなど斬新な場面も。痛そ。勉強になるなあ。暴力シーンにこだわりがあるのか、噴き出る血、銃弾などをスローモーションで撮影している。これがいいのか悪いのかよくわからず、なんでこんなことやったんだろ? とも。

昔、憧れていた人間が変わらずにいてくれるというのは、ある程度、歳を重ねると難しいことだと気づく。そこに切なさを感じました。地味ですし、あまり面白くないかもしれませんが、わりと好きな作品。かつてはバリバリの営業マンだった父がギャンブル狂いになってしまい、息子のバイト代に手を付けてしまう、原田宗典の小説「十九・二十」を思い出した。あれも切なかったなあ。


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