FC2ブログ

旧作映画の感想、ネタバレしてます。
05
2018

セカンド・ベスト / 父を探す旅

SECOND BEST / 1994年 / イギリス、アメリカ / 監督:クリス・メンゲス / ドラマ / 105分
331__201810061723438b4.jpg
周りからどう見られようとも。
【あらすじ】
40独身男が、10歳の子を養子にしたい。


【感想】
一生独身で終える人口が増えつつある現代では、この映画が作られた当時(1994年)よりも刺さる映画になっている気がします。

父親の愛を感じられずに育った中年の独身男性グラハム(ウィリアム・ハート)。1年半前に母親が亡くなり、両親の雑貨店と郵便局を引き継いだ。父親は寝たきりで鬱病になり、誰とも口をきかない。孤独で寂しい中年男は、ふと10歳の少年を引き取ることを思いつく。

クリップボード02

40歳を超えた中年と、親が刑務所に入ってしまった孤独な少年。

クリップボード08

二人とも親の愛情に飢えているという共通項がある。共通の傷に苦しみながらも、お互いがお互いを大切な人と認識して絆をつくろうとする。静かながら美しい物語だが、もっとも気になったのは、40歳を超えた男が子供を引き取ろうとすることの世間からの当たりの強さというか。はっきりとは描写されないものの、グラハムに対しては「おまえ、小児性愛者じゃないよね?」みたいな目もあるわけですよ。

クリップボード06

子供がいない夫婦が子供を引き取ろうとすることは、ごく自然なこととして受け入れられる。グラハムは独身のため、温厚で寛容な性格ながら、周りからは好奇の目で見られてしまう。従業員にも、子供を引き取ることは反対される。

クリップボード04

グラハムと少年の立場は、グラハムのほうが遥かに優位に見える。だが、癒すことと癒されることは似ていて、どちらが上ということはないのかもしれない。10歳の少年と共に暮らし、彼の心の傷を知るうちにグラハム自身も両親によって深く傷つけられていたことを思い出す。少年と違って、家族はいるのに自分だけ蚊帳の外だったから、少年よりも傷は深かったのかもしれない。

グラハムは少年の不幸な生い立ちに同情していたが、彼と触れ合うことでグラハム自身も癒されていく。

父親とグラハムの関係もねえ。結婚もせず、父の期待通りに生きられなかったことに良心の呵責を感じるグラハムがかわいそうに映る。

私は特に孤独や寂しさも感じずにここまで来てしまったが、この先不意に堪えがたいほどの寂しさを感じるかもしれない。人はいつ変わるとも知れない。グラハムを「気持ちの悪いやつ」と、笑う気にはなれないのだ。本当にねえ、深夜、布団カバーを噛みしめながら「ざびじいよおおおおお」となるかもしれないですよ。グラハムのことは他人事ではない。とりあえず、今夜はテディベアを抱きしめて将来の不安に震えて寝むろ。


関連記事
スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment