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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
27
2018

エクスポーズ 暗闇の迷宮

Daughter of God、Exposed / 2016年 / アメリカ / 監督:デクラン・デイル / サスペンス / 102分
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信仰は彼女を救ったか。
【あらすじ】
戦争に行った夫の帰りを待っていたけれど。



【感想】
キアヌ・リーヴスが出ているサスペンスなら観なければ、ということで鑑賞。しかし、キアヌは主演ではありませんでした。主演はお隣のアナ・デ・アルマス。きれいな人ですね。「ノック・ノック」でもキアヌと共演し、景気よく脱いでいました。景気よく脱ぐ人は、いい人だ!

聖母マリアの処女懐胎が背景にあるサスペンス。アナとキアヌの物語が並行して進行するものの、いつまでたっても二つの物語が交差しない。段々焦れてきて「いつになったら交わるんだー」という。結局、最後まで交わらないという……。キアヌパートいる?

信仰についての取り上げ方が独特で、そこは少し面白かったですが全体としてはちょっとテンポが悪く眠くなってしまった。

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イラクに派遣された夫を待ち続ける女性イサベル(アナ・デ・アルマス)。アメリカで夫の家族と暮らしていたが、夫は戦死してしまう。イサベルは熱心なキリスト教徒なんですね。彼女は何度か天使のような異様なものを見ていた。夫はイラクに赴任し戦死したにもかかわらず、彼女は妊娠する。

イサベルは聖母マリアの処女懐胎と同じ現象が自分に起きたと思い、嬉々として夫の家族に妊娠を報告するのだ。ここ、とても面白かったですねえ。イサベルの危うさというか。普通、「浮気したから子供ができたのでは?」と夫の家族に疑わることを恐れそうなのだけど、イサベルは敬虔なクリスチャンゆえにそんなことを考えもしないのだ。その純粋さが怖い。

案の定、夫の家族はイサベルが浮気して妊娠したと思い、彼女を家から追い出してしまう。そりゃ、そうだねえ。夫の家族も熱心なクリスチャンに見えたが、クリスチャンといえど誰も処女懐胎なんて信じない。すると信仰は形ばかりで、誰も聖書を信じていないのではないか。

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一方、ニューヨーク市警の刑事スコッティ(キアヌ・リーヴス、左)は、殺害された相棒の刑事ジョーイの捜査をしていた。また、この死んだ相棒がどうしようもない奴で、売人から売り上げをかすめとったり、どうも評判が良くない。上司からは、このまま事件を捜査し続けると、彼の悪事が明らかになって遺族の年金をとめることになってしまうかもしれないと言われてしまう。

キアヌのパートがよくわかんなくてですね、ジョーイの奥さんと関係を持ったり、自分と離れて暮らす子供(出番ない)との電話で泣いたり、その描写いるー? って場面が多かったよ……。無理に膨らませてないか?

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最後になってイサベルのとった行動が明らかになる。地下鉄で悪徳刑事ジョーイにレイプされたイサベルは、護身用にもらったナイフでジョーイを刺殺していた。だが、彼女はあまりの恐怖からか、その記憶を隠蔽し、代わりに「天使のようなものを見た」という記憶に塗り替えてしまったのだ。

彼女の信仰の強さが、彼女を守るために天使を作り上げてしまったのかもしれない。面白いのは、彼女は妊娠を告白したことで、夫の家を追い出されて実家に帰る。実家には、彼女を子供の頃に(性的な?)虐待していた父親がいる。信仰は彼女を救ったようにも、危機に陥れたようにも見える。

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イサベルは彼女のもう一つの人格であるエリサ(イサベルが作り出していた)を守るために父親を刺殺する。ゴチャゴチャしているように見えて、なんだそれだけ? という話にも思えた。



◆白馬の存在
イサベルが作り出したもう一つの人格エリサですが、彼女は白い馬のぬいぐるみを大事にしている。一度、このぬいるぐるみをなくしてしまい、イサベルに買ってもらうんですね。このエピソードが印象的だった。

あの白い馬というのはユニコーンなのではないか。ユニコーンは処女に懐き、処女の象徴という意味もある。エリサが半狂乱になって「馬のぬいぐるみがない」と嘆くのは、レイプ事件によって幼少時の父親からの虐待の記憶が呼び起こされたからに思える。ユニコーン(処女)を喪失したというのがそれにあたる。

イサベルはエリサのために白馬のぬいるぐるみを買い与えるのだけど、エリサはこの新しいぬいぐるみに「イサベル」と名付ける。以下、ウィキペディアの引用。

「処女を好むことから、ユニコーンは貞潔を表わすものとされ、さらにはイエス・キリストが聖処女マリアの胎内に宿ったことや、角を一本だけ有するユニコーンと「神のひとり子」 (unigentitus) とのアナロジーから、キリストにも譬えられた。しかし一方で、「悪魔」などの象徴ともされ、七つの大罪の一つである「憤怒」の象徴にもなった。」

貞潔さ、処女性などを表しつつも、同時に悪魔、憤怒という狂暴な面も持っている。これがイサベルの姿なのではないか。彼女は憤怒の象徴ユニコーンとなって悪徳刑事と父親を殺した。

ということを考えると、それなりによくできた話かもしれないけど、映画以外の知識がいりすぎるような。

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そしてキアヌは活躍しないのだった。長髪のキアヌばかり観ていたけれど、短いと普通のおじさんぽくなるなあ。そういえば、一切の説明がなく他にたくさん死んだ人でましたけど、あれはなんだったのかな。もうちょっとで面白くなりそうなのに、そうでもないという。観る人によっては、いろんな解釈がありそうですね。イサベルがとても美しかったです。


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