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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
05
2018

バスルーム 裸の2日間

MADRID,1987 / 2011年 / スペイン / 監督:ダビ・トルエバ / ドラマ / 105分
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セックスの先にある何か……。なんかあんの?
【あらすじ】
バスルームに閉じ込められた男女。シチュエーションホラーではありません。



【感想】
とても奇妙なシチュエーションなのに平凡な話という変わったスペイン映画。バスルームに閉じ込められたジャーナリストと、ジャーナリスト志望の女子大生。ジャーナリストは女子大生にずっと「やらせろ」と言っています。困った人だよ。

ですが、単なるいやらしい映画かというとそうでもなく、文学談義があったり、フランコ独裁時代の報道などについても語られる。とはいえ、ことあるごとにヤラセロと口にする猥褻おじいちゃん(妻あり)なのだ。

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1987年、マドリード。老いて情熱をなくしたジャーナリストのミゲル(ホサ・サクリスタン)はカフェでコラムを執筆しながらアンジェラを待っていた。ジャーナリスト志望の女子大生アンジェラ(マリア・ハルベルデ)はミゲルに執筆についてたずねる。

とにかくミゲルがヤラセロオーラ全開でねえ。「おまえの文章に興味はない。体に興味があるんだ」とか、なんかの悪役なのかと思わせるセリフ。ここまでくると潔い。アンジェラが注文したお茶を「一口くれ」と言ってもらうが、普通はアンジェラが口をつけた部分を避けて飲むと思うんだけど、あえて彼女に見せつけるように同じ部分から飲むんですね。何やってんだジジイ、となる。このように大変困ったセクハラおじいちゃんなのだ。

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ミゲルはアンジェラを知り合いから借りた部屋に連れ込み、なんとか関係を持とうとする。

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アンジェラが大変美しく、そんでまた景気よく脱いじゃうから偉いと思います。ほとんどミゲルと同じ感想になっているけど。で、まあ、ヤラセロ、ヤラセナイとワーキャー言っているうちに、建付けの悪いバスルームに裸で閉じ込められてしまう二人。

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なんでこんな状況を設定したのだろう。バスルームの外(世間)では、ミゲルは名声のあるジャーナリストであり、アンジェラは単なる女子大生であり何者でもない存在だった。だが、バスルームで裸になってみると、ミゲルはたるんだ体の禿げあがった老人であり、アンジェラは瑞々しく美しい女という残酷な対比がなされる。

アンジェラはミゲルの執拗な要求を拒むがやがて受け入れる。それは同情からなのか、それともバスルームで語られることによって明らかになったミゲルの知性への尊敬なのか。なんだかよくわかんないんですよね。ただ、男女が関係を持つとき、なんだかよくわかんないまま関係に至ることはあるように思う。

オーケーが出たときのミゲルの「え、ほんと?」みたいな素直な反応がねえ、かわいいというか、男って本当にバカだなというか。なんとも言えん。

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このときのアンジェラの心境を推察すると「猥褻ジジイではあるが話してみたらそれほど嫌な奴ではなかったし、1度ぐらいまあいいか」ではないか。知らんけど。

面白かったのが、行為後にちょっとだけまともになったミゲルの態度。社会に出てしまうと男同士というのは親しくなりにくい。仕事では利害関係があるし、仕事以外だと時間がとりにくい。関係を深める時間がない。だが、男女の場合だとセックスによってある程度、信頼関係が醸成されて距離が急速に縮まることはある。セックスが最終地点じゃなくて、セックスをしてお互いを受け入れたから、そこからできる話もあるというか。

だから、関係を持ったあとにミゲルがする話は、その前のヤラセロヤラセロに比べるとちゃんと実のある話になっている。最後の映画の話もちょっといい。ただ、バスルームに閉じ込められたからそういった展開になったわけで、閉じ込められてなかったら、行為後にすぐアンジェラを追い出していたような気もするけど。あのジジイはそういうところがある。

この映画が何を語りたいかはよくわかりませんでした。レビューでの評価が低いのはうなずけます。ただ、レビューの星を鵜呑みにして観ないというのも惜しい。みんなが5段階で星3つをつける作品ではなく、星5と星1を付けるから星3になるような作品です。観ていれば楽しませてくれる映画と違って、こちらから迎えに行く必要がある映画。そんでアンジェラは美しい。スペイン版「美女と野獣」として売りだしたらどうか。ロマンチック要素ゼロですが。面白くはありませんでしたが何か引かれるところがある映画でした。


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