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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
06
2018

日本春歌孝

1967年 / 日本 / 監督:大島渚 / 青春 / 103分 
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政治より性事?
【あらすじ】
受験のときに見かけた美人とねんごろになりたい。



【感想】
ねんごろて。生まれて初めて使ったかも。

もうね、予告編がわけわかんなすぎて観ようと思いました。なんじゃこりゃという話ですよ。本編も、ちゃんとなんじゃこりゃだから偉い。予告編にいつわりなし。わけがわからない作品です。

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いきなり「聖処女がいた」である。いるんだな、聖処女が。なんですか、聖処女て。そのあとに突然の、

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濃すぎるぞ。どういう薬をやったら、こうなるのだ。

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知らんて。とにかく過剰なる熱さ。予告編でお腹いっぱいという。私もこういう予告編を作ってみたかった。

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中村豊明(荒木一郎、右端)は同級生とともに大学受験のために上京する。受験後、彼らを労うために教師の大竹(伊丹一三)は生徒たちと居酒屋に向かう。その夜、教師の大竹は酔っぱらってストーブを蹴飛ばしてしまい、チューブがガス管から外れたために一酸化中毒で死亡する。生徒の中村は大竹の部屋を訪れており、チューブが外れていることを知りながら大竹を起さない。大竹を積極的に殺そうとしたわけではないが、死んでもよいと思っている。未必の故意のような。

中村たち男子生徒は罪悪感がまったくない。受験のときに見かけた美人(田島和子)を空想でかわるがわる犯すが、そこにも罪悪感はない。戦後世代の罪悪感の喪失なのか。しかし、大人にとってはいつの時代も若者の行動は不可解で理解不能のような気もする。

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この作品は春歌(性風俗に関連した猥褻な内容の歌詞を含む音楽)が重要なキーワードになっており、たびたび春歌が歌われる。居酒屋で軍歌を歌う客に対抗して、中村たちは春歌を歌う。そしてベトナム戦争に反対する集いで、フォークソングを歌う若者たちの邪魔をするように春歌を歌う。右翼的思想も左翼的思想も否定しているように見える。日米安保闘争もこの前だが、もはや政治運動に絶望し、右でも左でもなくなり、政ではなく性こそが正しい、人間の本能のみが肯定されるということなのかな。運動自体が何かを変えるという幻想に絶望したから、彼らはすべての運動、権威、倫理(上の世代が作り上げたもの)を否定するのだろうか。それが予告編にあった「親を呪え! 師を殺せ! 友を裏切れ! 女は抱け!」に繋がっていくのかな。

うーん、既存の権威の否定というより、頭がおかしい人たちにしか見えないんだけど。

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彼らは東京で見かけた紀元節復活反対デモを冷かして、その先頭を歩く。こんなデモ、あったんですね。紀元節もこの映画の鍵になっている。紀元節は日本の初代天皇とされる神武天皇の即位日をもって定められた祝日。1873年(明治6年)に定められたが、戦後、GHQの指示で廃止された。保守主義者たちからの要求により、1966年(昭和41年)に2月11日が「建国記念の日」として国民の祝日となり、翌年から適用された。

この紀元節復活反対デモについて周囲のお年寄り(70代以上の数人)に聞いたり、図書館で調べたりしたものの、まったくわからなかった。そんなことあったっけ? という反応だったのだ。当時、反対運動をしていた人たちは、紀元節復活による天皇崇拝の高まりと軍国主義の復活を恐れての反対運動だったのだろう。また、戦争をしてなるものかという。中村たち生徒は、デモを馬鹿にしきった様子で眺めている。

映画終盤、大竹の恋人が紀元節や天皇についての説明をする。天皇の由来は南朝鮮であると力説する。男子生徒たちはこの説明を聞かず、女子生徒を犯そうとする。女子生徒は「真実」と口にし、中村は女子生徒の言葉に涙を浮かべてうなずくと彼女を絞め殺す。中村はなぜ泣きながら女子生徒を絞殺したのか。

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現代では日本と韓国や中国との関係は良好とは言えないが、民族の遺伝子としては同じモンゴロイドで似通っている。だが天皇のルーツが韓国ということを日本人は受け入れ難く、中村はそれが真実と知りつつ彼女の口を封じるために女子生徒を殺したのかな。

天皇のルーツが韓国というけれど、そもそも人類発祥はアフリカなのだから、アフリカから渡って来る過程で韓国か中国を経由するだろうから、この二か国のうちどちらかが日本人のルーツなのは自然に思える。さらに遡ればそのルーツはアフリカということになるのではないか。絶望するような話なのかなと思うのだけど。どう考えればいいのか、まったくわかりませんでした。田島和子さんの美しさと作品の奇天烈さが強烈だった。


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