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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
15
2018

帰ってきたヒトラー

ER IST WIEDER DA / 2015年 / ドイツ / 監督:デヴィット・ヴェント、原作:ティムール・ヴェルメシュ / フェイクドキュメンタリー、コメディ /116分
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大衆はわかりやすい話が好き。
【あらすじ】
1945年からタイムスリップしてきたチョビヒゲ。



【感想】
現代にタイムスリップ(という言い方は古いのか)してきたアドルフ・ヒトラー(オリヴァー・マスッチ)が、現代ドイツでお笑い芸人として脚光を浴びてしまう。ヒトラーに扮したオリヴァー・マスッチが実際に市民に話しかけるなどドキュメンタリー的手法も取り入れたスリリングな映画。

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役者のすごさというか、本当によく似ていますねえ。序盤は、現代に違和感を感じるヒトラ―というタイムスリップもののお約束を挟みつつ、楽しく観られる。彼がドイツで人気を獲得していく様子や、外国人排斥を口にする人々から好意的に迎えられる様子(実際のインタビューか役者か、観ていてもわからない)は面白くもあったが、途中から恐ろしさも感じた。

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困ったことにヒトラーはとても魅力的で、彼がテレビの対談相手をやり込めたり、ドイツの社会状況を憂いた演説をしたときは共感できる部分もあった。ヒトラーが何をやったかということは多くの人が知っているけど、その知識は授業などで後から勉強したもので、今、目の前にこういった魅力的な振る舞いをする人が現れたらどうだろうと考えてしまう。はたして私は彼が危険人物だと看破できるだろうか。

「極端な部分もあるけれど同意できるところもある」と思ってしまいそうで怖いんですよ。大虐殺をしたり粛清を行う者は顔面にわかりやすく「独裁者です」とステッカーを貼って登場するわけではない。大衆の不満を代弁する、決断力に溢れた人物かもしれない。話が面白く魅力に富んだ人間が残忍な独裁者であることになんの矛盾もないのだ。

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ヒトラーを怪物と批難するのは簡単だが、怪物を選挙で選んだのはドイツ国民だ。ヒトラ―の最後のセリフが面白い。「(ヒトラーを)選んだ者たちは普通の人間だ。優れた人物を選んで国の命運を託したのさ。どうする? 選挙を禁止するか?」。私たちの心の奥底にくすぶり続けている不満や差別感情がヒトラーを生み出すのかもしれない。

現代人はヒトラーを選ぶような馬鹿げたことはしない。そう思いたいものの、これね、「あるね」と思いましたね。バンバン選んじゃう。おまえはバンバン選んじゃうほどの馬鹿なんだから、心に留めておいたほうがいいと思いました。笑えるようで、最後の方はまったく笑えないという秀逸なコメディ。しかし、ここまで似た人よく見つけたなあ。ジャケットもいいですね。


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