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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
22
2018

狼の死刑宣告

DEATH SENTENCE / 2007年 / アメリカ / 監督:ジェームズ・ワン、原作:ブライアン・ガーフィールド / 犯罪、復讐 / 105分
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清く正しい復讐映画。悪い奴らは死んじゃって!
【あらすじ】
長男が殺されたのでギャングに復讐したい。



【感想】
タイトルに狼がついたらだいたい復讐物というイメージ。娘が凌辱され、復讐に燃える男チャールズ・ブロンソンの「狼よさらば」とかね。実は「狼よさらば」と原作者が一緒です。そんなわけでケヴィン・ベーコン主演の「狼の死刑宣告」ですよ。

「家族の復讐」という擦り切れるほど撮られたこの設定でまだ撮るかという。撮るんですねえ。しかもちゃんと面白い作品に仕上がっていました。監督は「ソウ」のジェームズ・ワン。チャーハンを食べれば中華料理屋のレベルがわかるといいますが、復讐物を撮らせれば監督のレベルがわかるのです! 知らんけど。

さすがジェームズ・ワン監督、普通の復讐物とちょっと違った作品になっております。

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美しい妻と二人の息子と暮らすニック(ケヴィン・ベーコン)。ある日、ギャングの襲撃に巻き込まれ、長男(スチュアート・ラファティ、左端)を殺されてしまう。犯人に納得のいく刑罰を下せないとわかったニックは、自らの手で犯人に復讐を果たす。ところが、その犯人はギャングのボスの弟だった。ギャングたちはニックとその家族をつけ狙う。

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普通の復讐物というのは、主人公が強いんですよね。特殊部隊出身だとか、CIA工作員とか。ところがニックは会社副社長で銃も持ったことがない。弾をぎこちなく入れたり、マガジンを装填するときに向きがわからなかったりする。ケヴィン・ベーコンというとちょっと意地悪顔だし、かなりの悪役もやっているのですが、この映画では「いいお父さん」が板についています。意外と爽やかなんですよね。

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ジェイソン・ステイサムやチャールズ・ブロンソンが銃を持ったことのないエリート会社員といっても説得力がない。Yシャツから盛り上がる大胸筋が邪魔をする。素手でギャングをボコボコにしたところで「やっぱりなあ」となってしまう。そこへいくとケヴィン・ベーコンはいいですよ。体が細いのもいい。エリート会社員らしく、車を揺すって盗難防止ブザーを鳴らすことで助けを呼んだり、頭も切れる。駐車場屋上での緊迫感のある殺し方もすばらしい。知能犯!

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復讐に燃えるニックが頭を丸める場面は、彼の心情の変化をうまく表している。いつの間にかニック自身が、ギャングと同じような心情・風貌になってしまうんですね。それをギャングに喋らせるのも巧み。ジェームズ・ワンのセンスの良さが光りました。

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こちらギャングの皆さん。手前のスキンヘッドがまあ悪い人なんですけどね、この人は徹底的に憎たらしくて良かったですよお。一目で悪人とわかる人は偉い。

残酷描写に定評のあるジェームズ・ワンらしく、相手の足がぶっ飛んだり景気よく死ぬ場面もいい。ジワジワと溜めた怒りをスカッと晴らす、後腐れのない復讐劇となっております。細かい不満点ですが、まったく銃をいじったことのない素人が、そんなに簡単に人に当てられるのかなというのはありました。

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あと警察がまるで役に立たないポンコツっぷりですが、役に立ったら立ったで物語が成りたたなくなってしまうので仕方がないところ。これはもうポンコツがお仕事みたいなものだから。

普通のお父ちゃんががんばるという設定ですので、安心して観ていられないというのも良かったですね。わりと弱いので。そんなケヴィンがスキンヘッドで危ない人に変身していくという変化も楽しめます。バーの店主を脅してギャングの居場所を聞く場面なんて完全に別人になっている。「貴様の脳みそのない頭をぶった切って母親に送りつけたら、息子とわかるかな?」とか、もう完全に危ない人じゃんかあ‥‥。ケヴィンは独特の凄みがでていましたし、しっかり作られたいい復讐劇でした。


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