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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
26
2018

宇宙よりも遠い場所

2018年 / 日本 / 監督:いしづかあつこ、原作:よりもい / 青春 / 全13話
クリップボード01
友達がいなければならないという幻想。
【あらすじ】
南極に行きたい。



【感想】
母親が南極で行方不明となった小淵沢報瀬(こぶちざわしらせ)。なんとなく高校二年になってしまい、何も目標を見つけられてないことに気づいた玉木マリ。部活でトラブルがあり退学した三宅日向(みやけひなた)。芸能活動が多忙で友達を作れなかったアイドル白石結月(しらいしゆづき)。彼女たちは民間南極観測隊に参加し、南極を目指す。

南極版の「けいおん!」のような話かと思っていた。制作は京都アニメーションではなくマッドハウスでした。南極を扱った作品は「南極料理人」ぐらいしか観たことがない。知らない世界のことをやってくれるのは嬉しいですね。もうちょっと南極あるあるを入れてもらえら良かったなあ。砕氷船が氷を割って進む様子は豪快で良かったですね。南極で行われている研究や施設・設備などの南極要素はそれほど濃くなく、友情をメインにしたアニメになっています。

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玉木マリ(左)以外のメンバーは環境やトラブルの影響で友人がいない生活を送っていた。南極チャレンジというプロジェクトに参加することで彼女たちは友情を深めていく。自分の経験によって作品の感想はだいぶ変わるかもしれないですが、そもそもそんなに友達って必要かなあという。友人を不可欠と考える人にとっては共感しやすい作品かもしれない。

学生時代に友人がいないのは辛いだろうけれど、社会に出てしまえば同僚・顧客・取引先がいたりするわけで、友人とはいかなくても人間関係を築くことはできる。友人がいないことに悩むアイドル白石結月(右)にしても、周りに社会人はたくさんいるわけで、べつに同年代の友人がいなくてもいいんでないのと思うのだけど。まあ、そうでもないんだろうなあ。

友人・友情に対して考えてみたことなどまったくなく、そういう機会を与えてくれる作品になりました。

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友情を長く維持できる人というのがいると思う。以前の同僚は幼稚園の保母さんといまだに年賀状をやりとりしていると言っていた。私などは、所属している場所(学校、職場、自治会、クラブ、習い事)などが変われば、あっさりと連絡を絶ってしまう。これはひょっとして人として駄目なのでは。

連絡を絶つことに悪意などはなくて、お互いに生活の場が変わるので共通の話題もなくなるし「もういいかな」と思ってしまうのだ。すごく冷たい人間なのかもしれない。また、みんなそれぞれ新しい場所で新しい関係を築けばいいのではと思う。それと正直に書けば、特に会いたいとも思わなくなるのだ。私に特別な価値などなく、相手も私に会いたいと思わないだろう。ひどい人間なのかなあ。連絡がくれば1年に1回ぐらい会わないでもないというか、書けば書くほど「貴様、何様なのだ」と思いますし、なるべく早く死ぬよう心掛けたいと思います。

だから彼女たちの悩みにあまり共感できず観ていた。「友人誓約書」を作ってくる白石結月には、おののいた。ヤバい人であるがかわいそうでもある。

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ただ、11話の三宅日向のエピソードは良かった。小淵沢報瀬の友人を想う優しさには打たれるものがあった。私も鬼ではないので。畳みかけるような玉木マリの言葉もよく、泣かせにきてるなあという。泣く。

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その瞬間に楽しいときを共有して、所属する場所が変わったらそこでまた友人関係を作っていく。それでいいんじゃないのかなあ。連絡取りたくなったら取ればいいし。

それと共同生活に対する憧れがある人にはいいかもしれない。寝食を共にすることでグッと親しくなる可能性もたしかにある。ただ、閉鎖空間での共同生活というのもそんなにいいものじゃないと思うのだ。逃げ場がない。考え方が違う人と一週間ぐらい過ごすと地獄というのは、ボーイスカウトで体験済みだった。もう、あれです、戦争しか起こらんね。気が合わない者同士は分かれて暮らすのがお互いの幸せ。共同生活の軋みなどは特に描かれておらず、メンバー同士の相性が良かったからかもしれない。

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どのアニメもそうですが、高校生というより中学生か小学生にも見える。これはわざとなのかなあ。リアルに寄せて性的な感じになるのを避けているのかな。

それと、本当に南極に行く理由があるのは、母の死を受け入れる必要がある小淵沢報瀬だけに思えた。他のメンバーは動機がちょっと薄いような。小淵沢報瀬は母の遺品のノートパソコンを見つける。母へ送った膨大なメールによって自分の母への愛情を再確認し、また母がそのメールを読めなかった(未読)ことで母の死を受け入れていく演出はすばらしかった。これでようやく先に進めるのだろう。

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それなりにシリアスなテーマにもかかわらず、あまり重くならず笑える場面もあり、楽しめました。ペンギン、思ったよりも出なかったなあ。人間からは5メートル以内に近づいたらいけないというルールのせいかな。


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