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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
27
2018

LION ライオン 25年目のただいま

LION / 2016年 / イギリス、オーストラリア、アメリカ / 監督:ガース・デイビス / 実話を基にした物語 / 118分
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25年経とうとも忘れられないもの。
【あらすじ】
子供の頃に生き別れになった家族に会いたい。



【感想】
インドで5歳の頃に、家族と離れ離れになってしまったサルー(デブ・パテル)。25年後にGoogle Earthで故郷を探し当て、家族と再会する。「スラムドッグ$ミリオネア」では少年だったデブ・パテルですが立派な大人に成長していた。

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昔はこんなだったのに。

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時の流れ‥‥。イケメン化してしまった。

少し前半が長く感じたのですがとても楽しめました。サルーを引き取ったオーストラリア人夫妻の考え方にも唸らされた。

サルーが家族と生き別れになった1980年代のインドは本当に貧しいんですね。家に父親はおらず、体調の悪そうな母親は石運びで家族を養っている。サルーと兄は石炭を運ぶ無蓋車に忍び込んで石炭を盗み、それを牛乳と交換して飢えを凌いでいた。はたして彼らがやっていることは犯罪なのだろうかと思う。

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行政が介入しなければならないレベルの貧困だが、誰もこの家族を助けてはくれない。お金を稼ぐために出ていく兄に、自分も役に立つから連れて行ってくれとせがむサルーの姿が切ないんですよね。まだ5歳なのに。

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無理を言って兄に付いてきたサルーだが疲れ切って寝てしまう。兄はサルーをその場に寝かせまま仕事に向かう。目を覚まし、兄がいないことに気づいたサルーは列車に乗り込み、見知らぬ遠い街まで運ばれてしまうのだった。インドは国土の広さゆえ、言葉が通じない地域があるんですね。悪い人間に捕まって売り飛ばされそうになったりしながらも孤児院にたどりつく。新聞広告を打ってもらうもサルーの身元は判明しなかった。彼の親は貧しくて新聞を買えなかっただろうし、字が読めたかどうかもわからない。サルーはオーストラリア人夫婦に引き取られ、オーストラリアで暮らすことになった。

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この夫婦(左はニコール・キッドマン)の考え方がとても変わっていて驚いた。奥さんは子供が作れない体ではない。だけど、自分たちが子供を作るよりも、不幸な子供を引き取って育てたほうが世の中のためになると考えている。この映画は実話を基にした映画なのだけど、こんなことを考えて現実に実行する人がいることに驚いた。これは実際のご夫婦とサルーの写真。

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どうすればこんなすばらしい考え方にたどり着けるかはわからない。お金って結局、使い方だからなあ。普通の人は美味しい物食べて、ブランド物買って、車買って、うまくいけば家買って、それで満足して終わりなわけだし、もちろんそれで十分立派だと思いますけども。ただ暮らしているだけでいろいろあるのだから。

彼らはサルーの後にもう一人、男の子を引き取るのですが、この子は難しい子で関係をうまく築けないんですよね。小さい頃につらい思いをしたのが傷となっているのかもしれない。

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サルーの子供時代を演じたサニー・パワールが本当にかわいらしかったですねえ。て、天使や‥‥。汚れたジジイの目にはまぶしすぎる。サルーは貧しかったがだから不幸だったかというと、そうでもないんじゃないのかなあ。でなければ、あれほど熱心に母や兄を探さなかったように思う。人の幸せはお金の多寡よりも周囲の人間関係かもしれない。もちろん最低限のお金があれば不幸は予防できるかもしれないが。

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生き別れになった母親が立派な人で、彼女はずっとサルーが帰ってくることを信じており、元いた場所から遠くに移ってないんですよね。立派というのは外から見た勝手な感じ方で、彼女はただ動けなかっただけかもしれない。それが親というものなのかな。

残念ながらサルーの兄は、サルーが行方不明になったときに列車にはねられて死んでいた。詳しい状況はわからないのですが、偶然列車にはねられてしまいサルーを迎えにいけなかったのか、サルーが姿を消したことに責任を感じて自殺してしまったのか。願わくば前者であってほしいと思います。

育ての親たちは生みの親を探すサルーを応援もしている。サルーが取られてしまうのではないかという嫉妬などはない。サルーはサルーで、生みの親を探すことは育ての親への裏切りになるのではないかと悩んでいた。どちらもとても美しい心を持っている。サルーが生みの親に再会できた場面は感動的でした。育ての親が生みの親に会いに行った様子がエンドロールに描かれていたのも良かった。

自分がいかに恵まれた状況にいるか、自分にも何かできることがあるのではないか、そんなことを再確認させてくれるいい映画だと思います。

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あとサルーの恋人役のルーニー・マーラが本当にきれいですねえ。「キャロル」「サイド・エフェクト」のときも良かったですがまたきれいになったんじゃないでしょうか。


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