FC2ブログ

旧作映画の感想、ネタバレしてます。
10
2019

幸せなひとりぼっち

EN MAN SOM HETER OVE / 2015年 / スウェーデン / 監督:ハンネス・ホルム、原作:フレドリック・バックマン / ドラマ、コメディ / 116分
クリップボード01
頑固おじいちゃんが好き。
【あらすじ】
自殺したいのに周りからいろいろ頼まれる。



【感想】
原題は「オーヴェという名の男」です。素朴なタイトルが内容と合っていますし、原題の方が好きかな。今まで観たスウェーデン映画の中でもかなり好きな作品。頑固なおじいちゃんが好きな方には特にお薦めです。

eeeL_.jpg

いや、もう、おじいちゃんの佇まいが最高ですね。見てほしい、このお顔。体から滲み出す頑固オーラ。どこからどう見ても純度100%混じりっけなしの頑固ジジイではないか。愛する妻に先立たれ、悲しみに暮れる孤独な毎日を送っていたオーヴェ(ロルフ・ラスゴード)。何かと問題を持ち込んでくる移民の住民などにうんざりしていたが、やがて心を開いていく。

eAL__20190112001124545.jpg

オーヴェはね、最初クレーマーかと思ったんですよ。そうじゃなくて、彼は曲がったことが許せないのと、きつい言い方しかできないので周囲に誤解を与えてしまっている。妻が生きていた間は、きっと彼女が周囲との調整をしてくれていたのだろう。クレーマーの中には、淋しさのあまりにオーヴェみたいになっている人がいるかもしれませんね。

クリップボード08

妻のソーニャ(イーダ・エングボル)の明るさが本当に良かったですね。二人のデートの場面でのオーヴェの気遣いは、ちょっとグッとくるものがあります。あんなことされたらねえ、そりゃたまらないですよ。私もオーヴェにクラクラきました。私がきても仕方ないが。

役者が全員ピタリとはまっている。オーヴェもソーニャも移民家族もみんないい。

クリップボード06

若き日のオーヴェもいい顔をしてますね。

220px-Saab_95_V4_1974.jpg

映画で何かと話題にされていたスウェーデン国産メーカー、サーブの車。「ハロルドが笑うその日まで」でもサーブについての冗談が出ていたと思いますが、スウェーデン人にとってサーブというメーカーはちょっと特殊なのかなあ。どうも愛国心と結びついているような感じもする。「僕たちにはサーブがあるのに、なぜ外車に乗るの?」という。サーブの自動車部門の歴史は1947年から始まるんですね。自動車メーカーというのはだいたいが航空機を作っているんですよね。第二次大戦の絡みもあるのかな。そこら辺の歴史がわかるとより楽しめるように思います。

映画はオーソドックスな人情もの。頑固なおじいちゃんが移民の家族や、地域の住民と交流を持つことで心を開いていく。本当にありがちで、こういう作品てもう何百本、何千本と作られている。それなのに、他の作品よりも頭二つぐらい抜けている感じがある。なんなのだろう、この心地良さは。おじいちゃんの信念に基づいた頑固さ、妻の困難に負けない明るさ、周囲の人の気遣いとたくましさ、と文字にすると平凡ですが実にいいのです。

クリップボード04

移民のおばちゃんが運転免許をあきらめようとするときも、オーヴェは独特な励まし方をする。「あんたは既に二人の子供を産んでいて今度は三人目を産もうとしている。バカなダンナとも結婚した。それに比べりゃ、運転なんてなんでもない」。どんな励まし方だ。

クリップボード02

二人の子供たちも本当にかわいらしいですね。

スウェーデン映画だと「ショコラ」「サイダーハウス・ルール」などのラッセ・ハルストレム監督がまず浮かびましたが、ハンネス・ホルム監督の作品も今後、チェックしたいです。「ショコラ」と同じぐらい好きな映画になりました。少しおかしくて、少しホロッとさせられるすてきな映画でした。お薦めです。


関連記事
スポンサーサイト



0 Comments

Leave a comment